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ノンフィクション本『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 発売9ヶ月後に異例の15万部大増刷

 保育士・ライター・コラムニストのブレイディみかこ氏による、昨年6月刊行の書籍『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)が、今月になって異例の“15万部”大増刷となった。『Yahoo!ニュース|本屋大賞2019 ノンフィクション本大賞』、『毎日出版文化賞 特別賞』をはじめ、合計9つの賞を受賞した同書だが、7日放送の日本テレビ系『世界一受けたい授業』にブレイディ氏が出演したことをきっかけに、口コミが口コミを呼ぶ形で、今年もさらに勢いを増している。

書籍『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)が異例の大増刷

書籍『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)が異例の大増刷

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 同書の舞台となる、優等生の「ぼく」が通う元・底辺中学は、毎日が事件の連続。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。

 『世界一受けたい授業』に出演した近藤サト、ホラン千秋、鈴木梨央は、なんとすでに本作を読み終えており、ブレイディ氏に熱い感想を伝える一幕も。近藤は「日本にもいろんな問題があるのに大人が子どもにまだ見せなくていいと考える風潮がある。でも私はブレイディ先生の本を読んで、子供の強い魂に期待して、ぜひ見せたほうがいいなと思いました」と述べるなど、強く心を揺さぶられた様子だった。

 ブレイディ氏の息子が貧富の差や人種差別、ジェンダー、様々な壁にぶつかりながら、親子の対話を通しての壁を乗り越えていく姿に、放送終了後、SNSでは「ぼくの言葉に何度もハッとさせられた」「親子で読めて、バツグンにおもしろい!」「日本の教育にも取り入れてほしいことがたくさん!」など、感動の声が鳴りやまない大反響に。放送同日には、Amazonベストセラーランキング【総合】1位、8日には、紀伊國屋書店【全店・書籍総合】をはじめ、全国の書店で売上1位を獲得した。

 こうした大反響を受け、新潮社は3月9日に8万部、11日に7万部と合計15万部と異例の大増刷を決定。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は今回の増刷で、電子版を含み累計47万部に到達した。中高年男性が読者層の多数を占めるのが一般的なノンフィクション作品の中にあって、本作の読者は女性が7割。また、中学、高校、大学生にも読者が広がり続けており、ノンフィクション作品がこれだけ年代を超えた、かつ多くの女性から熱い支持を集めるのは極めて異例のこととなる。

 三省堂書店池袋本店・早野佳純氏は「いままで以上に売れています。これまで手に取っていたお母さん世代に加えて、中高生や、子連れのお父さんの購入が増えています。また、おじいさん、おばあさん、年配の方の購入が増えています。『鬼滅の刃』、児童文学などと一緒に購入しているので、休校中や春休みのお孫さんへのプレゼントなのではないかと想像しています」とコメント。新潮社の秋山優氏も「『読んだら誰かに感想を言いたくなる』。いままでにない読み味が、口コミが口コミを呼ぶように、どんどんと輪を広げていきました。『世界一受けたい授業』の放送後、その内容が広く伝わったことで、親子で、家族で読みたいという需要が増えていることを実感します」と語っている。

 きょう27日深夜にはEテレ『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』(深0:00)で、鴻上尚史氏との対談の様子が再放送。ボーダレス化と分断化がともに進む日本でどう生きればよいかについてトークを繰り広げる。

ブレイディみかこ 保育士・ライター・コラムニスト。1965年福岡市生まれ。県立修猷館高校卒。音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、1996年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始。2017年に新潮ドキュメント賞を受賞し、大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞候補となった『子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)をはじめ、著書多数。

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