テレビ番組や雑誌のグラビアページなどでも、コスプレイヤーの活躍を目にする機会が増え、いまやすっかり“気軽に楽しめる趣味”として、幅広い層に浸透しつつあるコスプレ。ほぼ毎週末、全国各地で大小さまざまなコスプレイベントも開催されており、五輪イヤーに当たる今年は、大勢の外国人観光客からも注目を浴びることになりそうだ。こちらの記事では、コスプレで得た知識や経験を活かし、新たな分野での活動を始めたふたりのコスプレイヤー、涅あゆみんさんと藤田いろはさんにインタビューを実施。今後の展望を語ってもらった。

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■映像制作会社を設立の美女「私の中でコスプレが“人生のターニングポイント”」（涅あゆみん）

　学生の頃からアニメやゲームが好きだったという涅あゆみんさん。コスプレを始めたのは、趣味の合う職場の先輩がきっかけだそうで、「言われるままにイベントに参加してみたら、同じ作品が好きな人たちが大勢いるのが楽しくて、あっという間にハマっちゃいました」とのこと。

　その先輩からは、コスプレだけでなくファッション全般に関してもレクチャーを受けたという。「まだ10代だったんですけど、その頃の私のファッションセンスはひどいもので…。生やしっぱなしの眉毛に“すっぴん”、タンクトップに短パン、スニーカーという少年のような格好で、毎日自転車に乗って出勤していたんです。それを見て、『何とかしてあげたい』と思ってくれたんだと思います。その方からコスプレだけでなく、身だしなみについても教えてもらえたおかげで、何とか社会人としてやっていくことができました(笑)」。

　そうして、仕事とコスプレを両立していたものの、昨年の夏、急病により、1ヵ月間の療養生活を余儀なくされることに。これまでのライフスタイルを見つめ直した結果、独立して映像制作会社を立ち上げることを決意したという。

　「もともと家族がウエディングや舞台の撮影を個人で引き受けていたんです。その規模を拡大して、イベントの撮影をする会社を立ち上げました。コスプレ活動を通して仲良くなったカメラマンさんに、いろいろと手伝ってもらったり、趣味が仕事につながった感じです。私の中でコスプレが“人生のターニングポイント”になったように、誰かの人生でもそうなるかもしれない。会社を立ち上げたことで、そのお手伝いをできる立場になったらいいな」。

■ミスFLASH2020としても活躍中のグラドル「そもそもはコスプレから始まっている」（藤田いろは）

　コスプレイヤーとしてはもちろん、グラビアアイドルとしても活動中の藤田いろはさん。ミスFLASH2020グランプリにも選ばれるなど、今後ますますの活躍が期待される彼女だが、その行動理念には、とあるグラドルとの出会いが大きく影響しているという。

　「学生時代から芸能の仕事には憧れがあって、コスプレ活動と並行して撮影会やコンパニオンのアルバイトをしていたんですけど、なかなか“これだ！”と思えるものを見つけ出せなくて…。『自分が本当にしたいことは何なのだろう？』と考えていたときに、たまたま目にした川崎あやさんのグラビアに感銘を受けたんです。スレンダーな体型で“くびれ”を武器に、第一線で活躍されている姿は本当に衝撃的でした。そこから『私も自分だけの強みを見つけて、グラビア活動を頑張りたい』と思うようになったんです」。

　そうして、憧れの先輩である川崎あやの事務所に連絡を取り、自身も所属させてもらうことになったという藤田さん。長期間にわたる選考オーディションを勝ち抜き、ミスFLASH2020グランプリを獲得した今でも、コスプレ活動には意欲満々のようで、「そもそもコスプレ活動から派生してのグラビア活動なので、これからも趣味としてコスプレは続けていきます。イベントに参加したり、スタジオ撮影をしたり。月に２〜３回はコスプレを楽しみたいと思っています」とのこと。

　最後に、コスプレ活動で得た知識や経験のなかで、グラビアの仕事にも活かせていることはあるのか質問してみると、「ポージングの基礎は同じだと思うので、コスプレの経験が役に立っていると思います。でもコスプレの場合は、アニメやゲームのキャラクターを意識した独特のものが多いですよね。その経験をグラビアアイドルとしての写真撮影の際にも活かせたら、他の人にはない私だけの武器になるので、これからも両立して、ポージングの研究に取り組むつもりです」と笑顔で話してくれた。

取材・文＝ソムタム田井