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凶悪犯罪を起こした少年たちの共通点とは? ベストセラー本からうかがえる人々の不安

「ホールケーキを120度で3等分する」―という発想が身についていない少年がいるという。書籍『ケーキの切れない非行少年たち』の帯には、丸い円がいびつに3等分されたイラストが並ぶ。これを描いた少年たちは、殺人や強姦致傷などの凶悪犯罪を起こした。この本は7月の発売以降、書店で存在感を放っているベストセラー作品だ。

帯のイラストが目を引く『ケーキの切れない非行少年たち』

帯のイラストが目を引く『ケーキの切れない非行少年たち』

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 失敗をしたり問題を起こしたりしたとき、多くの人は起こしてしまったことでどれだけ周囲に迷惑をかけたか、「認知」して反省する。しかし認知力が低ければ、反省すらするこができない。そうした「認知機能」の弱さや、融通の利かなさ、対人スキルの乏しさなどが、非行少年たちの特徴だという。著者の宮口幸治氏が、児童精神科医として医療少年院に勤めていたエピソードをもとにしたこの本の内容は、どれもリアリティがあり、少年たちがいかに社会で生きにくかったのかが伝わってくる。また目次には、「サインの「出し始め」は小学2年生から」「「クラスの下から5人」の子どもたち」など、子を持つ親なら思わずドキリとしてしまう言葉が並ぶ。

 新書のメインターゲットは一般的に、中高年男性とされている。売上の多くは都心部の大型書店が占めると言われているが、新潮社で同書の編集を担当した横手大輔氏によると、「通常の新書の売れ方とは違い、平日より休日のほうが売れています。つまり、普段から読書する層にとどまらず、発達や非行の問題に関心を持つ人や、ベストセラーだからという理由で手に取る人も多くなっていると考えられます」という。

 鋭いテーマで多くの人が関心を寄せている本作は、『オリコン年間BOOKランキング 2019』(集計期間:18年11月19日〜19年11月17日)、29位にランクインした。SNSでは、下半期を賑わせた衝撃の内容について、読者がさまざまな意見を投稿している。まだまだ注目度の高い本作は、さらなるセールスの伸びも期待できそうだ。

提供元:CONFIDENCE

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