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映画『アド・アストラ』がブラッド・ピットの“演技”で絶賛される理由

 先日の来日プロモーションでも大きな注目を集めたブラッド・ピット(55)の主演映画『アド・アストラ』が20日から公開される。本作は、先月29日にイタリアで開催された『第76回ベネチア国際映画祭』のコンペティション部門に正式出品され、同映画祭で世界初上映され、批評家による星取り表でも高評価。絶賛されていたのは、ブラッド・ピットの演技だった。

2019年、12回目の来日を果たしたブラッド・ピット

2019年、12回目の来日を果たしたブラッド・ピット

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 「ブラッド・ピットの演技、存在感は神業でアカデミー賞最有力候補だ!」(ゲームズ・レーダー/トータル・フィルム)、

 「ブラッド・ピットの本作での演技は、タランティーノ作品で軽妙で開放的だったように人をひきつける。これが真の映画スターであり、その大きさは無限の宇宙のようである」(ザ・テレグラフ)

 「ブラッド・ピット史上最高の演技! 誰もの記憶に残る名演」(ザ・ラップ)

 端役で映画デビューしてから30年以上。主演して、興行的に大成功した作品多数。押しも押されもせぬハリウッドを代表する俳優に対して、いまさら「演技がすばらしい」もなにも…。

 本作の舞台は、近い未来。ブラッド・ピット演じる主人公ロイ・マグブライドは、地球外知的生命体の探求に人生を捧げた科学者の父クリフォードを見て育ち、自身も宇宙飛行士の道を選ぶ。しかし、父は探索に出発してから16年後、宇宙の彼方で行方不明となってしまう。だが、父は生きていた。しかも、海王星付近で“実験”を行っており、その影響が43億キロ離れた地球にも及び、人類が滅びてしまいかねない状況にあることを、アメリカ宇宙軍の上官から告げられる。

 英雄だった父に憧れて同じ道に進んだロイは、仕事に人生を捧げる父を崇拝してきた。一方で、父は家族には冷たく、ロイはいつも孤独を抱えていた。突然、父が消えたショックで、さらに心を閉ざすようになったロイは人との関係をうまく築けない大人になり、深く愛し合っていたはずの恋人も、離れて行った。そんなロイに「父を探し出せ」というミッションが下る。父はなぜ16年も消息を絶っていたのか、何をしていたのか、何の実験(?)をしているのか、さまざまな謎の“答え”を探すため、ロイは宇宙へと旅立つ。広大な宇宙の先にロイが見た真実とは!?

 ブラッド・ピットは、来日した際、WEBメディア合同のインタビューに応じ、「この映画は、父を探す旅を通して、自分を探す旅をする物語だ。それにしても、ロイの父親クリフォードは、探究心が強すぎて周りが見えなくなってしまうタイプ。子どもを持つべきではなかったね(笑)。ロイは、父に対して子どもの頃から聞き分けの良い子で、自分の心が傷ついていても、それは自分のせいだと思っていた。でも、大人になって、親にも長所や短所があることが見えてきて、自分のせいだと思っていたことも必ずしもそうではなかったということがわかってくると、さらに心を閉ざし、人との関係をうまく築けない大人になってしまったのは、やはり自分の問題だったと気づくんだ」。

 無限の宇宙を舞台にしていながら、描いているのはたった一人の男の心の旅。しかし、人の心というのは、宇宙のように奥深く、底知れないものだ。それを表現するためにブラッド・ピットは撮影に入る前、ジェームズ・グレイ監督に「すごく抑えた芝居をするよ、と言ったんだ。すべて内面的な演技をするので、それがカメラにどう映っているか、ちゃんと見ていてくれ、と。あまりにも平坦で、見ていて退屈した時は、言ってくれ」と。

 最初から最後まで、抑えた生っぽい芝居を貫き、それでいて観客を退屈させない。この映画を見れば、批評家たちがブラッド・ピットの演技を絶賛したくなった気持ちがきっとわかるはずだ。

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  • 2019年、12回目の来日を果たしたブラッド・ピット
  • 映画『アド・アストラ』ポスタービジュアル

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