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気鋭の講談師・神田松之丞、“芸能界の叔父貴”太田光との関係は「談志師匠に受けた恩の一部を僕に…」

 “いま最もチケットが取れない講談師”として、講談界のみならず演芸界も代表する存在として各方面から注目を集める若き俊英・神田松之丞(36)。ブレイクの“起爆剤”であり“名刺代わり”と自負するのが、TBSラジオ『神田松之丞 問わず語りの松之丞』だ。強いこだわりをもって収録に臨むこの番組への思いや自身のラジオ体験を聞いた前回のインタビューに続き、今回は生放送と収録放送の違い、ラジオの発言を切り取るネットニュース、“芸能界の叔父貴(おじき)”と慕う爆笑問題太田光、さらにはイベントゲストの小川彩佳アナと立川志らくについて、思いを語ってもらった。

ラジオへの思いを語った神田松之丞 (C)ORICON NewS inc.

ラジオへの思いを語った神田松之丞 (C)ORICON NewS inc.

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■生放送は「2段階前くらいでブレーキをかけちゃう」 ネットニュースは意識せず

 松之丞がラジオの魅力に目覚めたのが深夜番組だったように、ラジオの“ゴールデンタイム”といえば、深夜1時からの生放送。ニッポン放送の『オールナイトニッポン』では菅田将暉、星野源、乃木坂46、岡村隆史、三四郎、オードリーという旬の人気者たち。TBSの『JUNK』では伊集院光、爆笑問題、山里亮太、おぎやはぎ、バナナマンと実力派芸人がズラリと並ぶ。現在『問わず語りの松之丞』は金曜午後9時半から放送されているが、深夜帯へ進出したい意思があるのか尋ねると、「記事にしやすい質問ですね」とニヤリと笑った。

「別にそういう思いもないし、深夜1時は眠たいし(笑)。今の番組は打ち合わせ込みで3時間の収録時間を取っていて、いろいろ話しながら極端なことも言ったりして、それをディレクターの戸波さんがいい部分を編集して、最終的に丸みを帯びて仕上げてくれる。収録だからこそできる、ギリギリのラインの番組なんです。生放送だと、どうしても言葉を選んでしまって、いつもの収録の2段階前くらいでブレーキをかけちゃう。生放送は興奮するから好きなスタッフさんもいるし、リスナーにも“生放送信者”がいるのもわかりますが、演者からすると余計なことを言って誤解されるリスクも大きいんです。私が狙った発言なら、人を怒らせてもしょうがないんですけど。うっかり、そういう意味ではないんだけどなぁというので、誤解を伴うのは避けたいんですよね。だから、スタッフさんにはご迷惑をおかけしていますが、私が負担にならずに持続可能な今のスタイルが僕には合っています。スタッフさんには負担かかってますけどね(笑)」

 ラジオといえば、パーソナリティーの発言が切り取られ、ネットニュースになることも多い。それを警戒しながら話す人も増えているが、松之丞は「そういう意識はしない」と断言する。ただし、「ネットニュースを書いている人が小銭稼ぎではあるので、少しはこちらにも恩恵が欲しいよねと。記事には音源のリンクを貼っておけよとは思います」と提案する。現在はradikoのタイムフリー機能で1週間以内はさかのぼって聞くことができ、『問わず語りの松之丞』のように、サイトで過去の放送回をいつでも聞ける番組も増えてきた。「ほとんどの記事が番組のニュアンスや雰囲気を伝えられていない。真意を伝えるためにも(放送の)リンクを貼ることを義務化してほしいですね」。

 さらに、ネットニュースの話題から毒舌が広がっていった。「ある芸人さんが、その人について誰かがラジオで発言したっていうネットニュースを見て怒っていたんですけど、元のラジオの音源は聞かないんですよ。ツイッターのリプライで『radikoのタイムフリーで聞いてくださいよ』って指摘されても、『そのラジオのどこの時間で俺に言ったことがあるかわからないし、なんで聞かなきゃいけないんだ』って。まぁ、めんどくさいのは分かりますけど。第一次資料に当たらずに、発言のトーンやニュアンスを無視して切り取ったネットニュースを信じているなんて、驚きました。でもそういう人多いんでしょうね。ネットニュースのドランカーになっちゃっているんでしょう」。

 舌鋒は、ラジオの書き起こしサイトへも向かった。いくつかの有名な書き起こしサイトや職人がいるが、「ラジオへの愛情ある人も中にはいますね。でもほとんどの人が、結局、小銭稼ぎで、あえてニュアンス無視したりとか、技術なく馬鹿でもできるし」と手厳しい。ラジオは音の響きや微妙なニュアンスを大切にしており、「言葉だけじゃなく、そういった背景や行間も含めて文字にしないと成立しない。それはとてもとても文字にするには難しいので、ただの書き起こしサイトは、ニュアンスを全然伝えられていないという前提で、みんなが把握するようになった方がいいですね。一番は無視ですけどね(笑)」と一刀両断した。

■太田光は「気に入った人には、優しい。あまり世間に知られていない魅力」

 松之丞のブレイクに欠かせない人物といえば、爆笑問題の太田光だ。彼の講談師としての才能を高く評価しているのはもちろん、松之丞のラジオを聞いて自身の番組でもたびたび話題に出し、テレビ朝日の深夜番組『太田松之丞』では、時事ネタや世間への不満など忖度なしに楽しそうに語り合う。そんな太田との関係性について聞くと「太田さんが(立川)談志師匠に受けた恩の一部を、僕に返してくれているんでしょうね」と説明した。

 「太田さんが不幸なのは、談志師匠に受けた恩を下に返そうと思っても、私程度しかいないということですね。私も太田さんに受けた恩を、花田優一あたりに返していこうと思ってます(笑)。漫才師とかコントの後輩だとライバルになっちゃうんで、斜め上の講談がちょうど良かったんでしょうね。あと、共演してすごいと思ったのは、大スターなんですけど、親戚のバカなおじさんみたいな空気感でいるところですね(笑)。太田さん自身が、好き嫌いは激しい人だと思うんですけど、なんか気に入った人には、優しいですね。あれ、どこからあの優しさはくるか分からないんですけど、なんか太田さんの弱み握っていたかなと思うほど、配慮してくれます。そこが芸風とのギャップなのか。あまり世間に知られていない太田さんの魅力だと思います。でも視聴者もそういう本質的な優しさを敏感に感じ取って、今の人気が継続しているかもしれないですね。『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)もずっと聴いてますけど、ずっと面白いし、常に攻めていますよ。基本、あそこの地位までいくと、だらだらラジオやっている人が多いんですけど。そういうところ、一切ないですね」

 ある時は、松之丞がラジオで不倫疑惑が報じられたタレントについてラジオで毒舌を放ったところ、「あれは芸じゃない、ただの悪口だよ」と笑いながら注意したこともあったという。「そういうことも言ってくれて、ありがたいですね。僕もその悪口は芸じゃないと思ってたんですけど、弘中(綾香)さんにはヒットしたようです。ならいいかとも思います(笑)」。太田の人柄についての話を続けた松之丞だが、一拍置いて、リラックスした表情でつぶやいた。

 「太田さんを一言で例えるなら、親戚のバカなオジさん。あえて隙をつくり、その場を丁度いい温度にしてくれる人。相方の田中(裕二)さんは…、ツッコミの人って上下関係に厳しいとか常識的な人が多いイメージなのですが、あの方は奇人ですよね(笑)。爆笑問題は、親戚のバカなオジさんと背の低い変わったオジさんのコンビです」

■イベントゲストは“TBSの朝&夜の顔”小川彩佳と立川志らく

 10月14日には番組イベント『問わず語りの松之丞 presents まっちゃんまつり2019』を開催する。昼の部ゲストは『NEWS23』メインキャスターの小川彩佳アナ、夜の部ゲストは10月からスタートする朝の情報番組『グッとラック!』MCの立川志らく。まさにTBSの朝と夜の顔が並ぶ豪華な陣容となった。

 「小川アナには『NEWS23』の裏話とか、テレ朝に対する思いを聞きたいけど、それは言えないじゃないですか。言えないけど、行間から面白さを引き出して、小川アナを傷つけず、かつお客さんに楽しんでもらうのが、僕の役目です。ただ残念ながら、そんな腕がないですね(笑)。ただ、このイベント出演は、小川さんは不安だとは思うんですけど。楽しい空間にしたいですね。弘中さんや宇垣美里さん、滝川クリステルさんをどう思っているのか知りたいし、とにかくテレビ番組の看板を背負っている方なので、その責任感とか大変だと思うんですよ。そこらへんとか聞きたいかな。また、お客様にも生で小川アナを見ていただきたい」

 夜の部の志らくについては「いま伝統芸の落語の中で、メディア出演において間違いなく一番売れている人です。50歳半ばからブレイクして、とにかく突っ走ってメディアに定着して、コメント力もすごく高いから『M-1グランプリ』の審査員を務めるまでになって。談志師匠が亡くなって、一番動いているのは志らく師匠じゃないですか。落語界ではいろいろ思う人もいるでしょうが、こんなに突き抜けた人はいないです」。そして「意外に僕を好きだと思うんですよ」とニヤリとしながらも、「何をするのかわからない危うさもあるから、どう接してくるのか難しい。それが志らく師匠の魅力でもあるんですけどね。最近も『談志師匠になりたい病』とか、ロマン優光さんに書かれたりして。話題に事欠かない方です」と軽い警戒心も抱いている。

 「落語もやっていただきたいのですが、どんな演目をやるかで、志らく師匠の思惑が出るでしょうね」。講談と落語の違い、そして松之丞がかつて憧れた立川談志の弟子である志らく。この2人の微妙な距離感を知ると、見る楽しさはグッと増す。「志らく師匠はいま多彩にやられていますけど、本業は落語家なんだというところ見せていただけるかな。対談でも、いろいろなトークが冴えると思いますよ。ロマン優光さんについて、どう思いますか?(笑)とかね」

【イベント情報】
『問わず語りの松之丞 presents まっちゃんまつり2019』
10月14日 有楽町・よみうりホール
「昼の部」午後1時〜 ゲスト:小川彩佳
「夜の部」午後5時半〜 ゲスト:立川志らく
チケット全席指定(入替制)
S席 3800円/A席 3500円/B席 3100円
e+で9月13日から2次プレオーダー、28日から一般発売

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