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「ペットや飼い主は便宜上の言葉」漫画家語る、犬と猫の”リアルな愛おしさ”

 犬や猫などのペットを飼っていると、その突拍子もない行動や仕草に驚かされたり、逆に感心させられたりする。「今のはどういう意味なのだろう?」そんな飼い主の疑問や、ペット同士の世界で起こる出来事、飼い主との絆などを見事に表現した漫画がSNSで人気を集めている。『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』(講談社)の作者で、対照的な性格の犬と猫を飼っている松本ひで吉さんと、動物嫌いから愛犬との関係性を築いた『うちのトイプーがアイドルすぎる』の作者・道雪葵さんに、動物たちの行動を漫画に描き起こすことで得た”気づき”を聞いた。

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??「今を生きることが大切なんだ」犬猫2匹との暮らしで痛感した(松本ひで吉)

 天真爛漫な犬と、ツンデレな猫の両方と暮らす日常を描いている松本ひで吉さん。「猫は食卓に上がってもいいけど、犬はダメ」という理不尽極まりない言いつけもすぐに聞いてくれる犬に対し、猫は自分の意志をしっかり持って生きている。そんな犬猫のギャップが表現されたエピソードに、SNSでは「猫のツンデレ具合に萌える…」「健気でかわいいイヌくんが好き」という感想から「うちの犬(猫)は…」と語り出すものまで多くの反響が寄せられている。

「うちの犬と猫は正反対な性格で、ボケとツッコミのような関係性。猫は特にツンデレで、うっかり食べ過ぎて吐いてしまったときに、その掃除をする私の姿を見てとても申し訳なさそうに見守っているんです。そこで気を遣うんだ…、って面白くなったりしますね」

 「犬と猫がふたりで遊んでる姿を見ると、すごく幸せになれます」と松本さん。マンガでは、犬の体に顔を寄せたときに感じる“トックトックトック”という心音の速さに”命の時計の速さ”を感じたというエピソードや、先代の飼い犬に対して「もっとよしよししてあげればよかった」「(松本さんの)帰りをずっと待ってくれていたなんて知らなかった」と後悔の気持ちを描いたもの、「だからこそ、2匹には暑苦しいほど思いを伝えている」といった、松本さんの2匹への”愛”がひしひしと伝わってくる話も多い。 

「人間は、過去のことや未来のことなど、ついつい“目の前にないこと”に思いを巡らせてしまいます。だけど動物は、今この瞬間をシンプルに生きていて、それが間違いなくかわいい。心が落ちつかないときにふたりの姿を見ると、『とりあえず今を生きるか……』って思わせてくれます。犬も猫も、人にくらべて命の短い生き物です。作品を始めてからふたりも年をとりましたが、そういうことからも目をそらさず、リアルな愛おしさを作品にしたいなぁと思っています」

 13年前のある日、道雪葵さんの家族が連れ帰ってきた1匹のトイプードル“クーさん”。自宅で飼うこととなったが、最初は敵意をむき出しにするクーさんとなかなか仲良くなることができないでいた。道雪さんはクーさんとの日常を大切に過ごしていくなかで、“動物の心も人間と一緒だ”と気づくことができ、年月をかけて少しずつ信頼関係を築いていった。

「犬の漫画を描くきっかけは、喫茶店で仕事のネームをしていたときに休憩で描いていた漫画です。動物嫌いの私が犬を飼ってみてわかったことを簡単に伝えた漫画だったんですが、Twitterに投稿したら思いのほか反響が大きくて。世の中は猫ブームでしたが、『犬も負けず魅力的だぞ』と伝えたいと思いました」

 幼少期に犬に噛まれたり追いかけられたりしたことが苦手意識につながっていた道雪さん。今では自分が怯えていたことが犬に嫌われた原因だと分かっているが、当時はとにかく「言葉が通じない、牙のある動物」というイメージだった。

「家にクーさんが来たときは、ずっと威嚇して吠えていました。本で調べたり、人から聞いた犬の落ち着かせ方を実践したりしてもなかなか鳴きやまなくて、『これはもう一生懐かないんじゃないか』と思いました。当時は大学の心理学で動物の条件反射について学んでいて、犬好きの先生からしつけについて相談に乗っていただいて。それで考え方が変わったんです。どうして吠えるのか、理由がわかるようになると、クーさんの気持ちが分かるようになり、苦手意識も薄れていく。家に来てくれた子の世話は責任をもって見ようと、仲良くなる覚悟を決めました」

 Twitterに投稿される漫画には、クーさんが家族に慣れるまでの過程や、甘え方が独特すぎてかわいいといったエピソードがふんだんに綴られている。その一方で、トイプードルの寿命は14歳、それに対してクーさんは13歳になる。道雪さんは飼い主として「最期まで面倒を見る」ということにも向き合い始めている。

「便宜上、ペットや飼い主という言葉は使いますが、クーさんは私にとって家族。19歳まで生きたという同じ犬種の子もいますが、私たちより早いスピードで生きている彼らとは、いつかお別れが来ると覚悟しています。犬にとってどんな生き方が正解なのか、彼らは語れないのでわかりませんが、『この家族のいる家に来られて良かった』と思えるように最後まで健康に気遣い、一緒に生きていきたいです」

関連写真

  • 『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』のひとコマ(画像提供:松本ひで吉さん @hidekiccan)
  • 『うちのトイプーがアイドルすぎる』のひとコマ(画像提供:道雪葵さん@michiyukiaporo)
  • 画像提供:松本ひで吉さん @hidekiccan
  • 画像提供:松本ひで吉さん @hidekiccan
  • 画像提供:松本ひで吉さん @hidekiccan
  • 画像提供:松本ひで吉さん @hidekiccan
  • 画像提供:道雪葵さん@michiyukiaporo
  • 画像提供:道雪葵さん@michiyukiaporo
  • 画像提供:道雪葵さん@michiyukiaporo

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