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『チャンネルはそのまま!』“地方局が作るドラマ”のイメージを払拭

 北海道テレビ放送(HTB)で『水曜どうでしょう』を立ち上げた藤村忠寿氏と嬉野雅道氏が、HTB開局50周年記念ドラマ『チャンネルはそのまま!』の舞台裏について語るトークイベントが29日、都内で開催された。地方ならではの魅力、Netflixでの世界配信についてや撮影の裏側などを奔放に語った。

トークイベント『「水どう」藤村忠寿さん、嬉野雅道さんに聞く異色のドラマ「チャンネルはそのまま!」の舞台裏』開催(左から)藤村忠寿氏、嬉野雅道氏、MCを務めた奥山晶二郎氏(朝日新聞社)

トークイベント『「水どう」藤村忠寿さん、嬉野雅道さんに聞く異色のドラマ「チャンネルはそのまま!」の舞台裏』開催(左から)藤村忠寿氏、嬉野雅道氏、MCを務めた奥山晶二郎氏(朝日新聞社)

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 『踊る大捜査線』の本広克行が総監督を務め、藤村氏と嬉野氏のタッグによる『チャンネルはそのまま!』は、「ローカルテレビ事情がリアルすぎる」と評判の同名漫画(原作:佐々木倫子)を実写化した、テレビ局が舞台の痛快お仕事コメディー。札幌のローカルテレビ局を舞台に、謎の“バカ枠”で採用された新入社員・雪丸花子(芳根京子)を主人公に、彼女に振り回される同期や周囲のテレビマンたちを描く。

 民放各局でも放送され、Netflixでの先行配信も話題となった。HTB公式動画配信サービス「北海道onデマンド」で配信中のほか、auスマートフォンの料金プラン「Netflixプラン」でも視聴できる。

■地方局が作るドラマという意味合いを払拭したい

【嬉野】監督やスタッフたちと話す中で、「ローカルの報道マンはジャーナリストじゃない、3年経ったら営業に移動するようなこともよくある」という話を聞きました。そういうローカルのリアルな日常的な目線で描いていかないと、この作品をHTBで映像化する意味がないと思いました。

【藤村】地方でものを作ろうとすると地方のものになってしまう。ローカル局が番組を作るとローカル番組になってしまうんです。それがいわゆる”地方色”だとみんな思ってしまう。だから誰も外に出ていけない。『チャンネルはそのまま!』に関しては、地方局が作るドラマという意味合いを払拭したいと思い「キー局よりもいいものを作る」という感度で取り組みました。

 作る場所は札幌であっても、目指すところは東京を目指していましたので、総監督は『踊る大捜査線』の本広克行さんですし、脇を固めるのも東京で活躍する一流のスタッフ陣です。東京で作る場合はキャストを誰にするかという話に終始してしまいますが僕らの場合はしがらみがないので、流行りなどではなく、誰がこの役を務めるのが一番いいかという観点で自由に選んでいきました。このキャスティングの自由さは地方局ならではのやり方ですが、そこに気づいていない方も多いです。

【嬉野】ローカルに所属していると、中央というものに巻き込まれながらローカルの役割をしてしまおうとします。“中央”という認識がありその一番辺縁をやろうとしてしまう。でも本当はそうではないだろう、と。ローカルにはローカルの、田舎の日常が本来あって、それに全世界へ出していけばいい。そこには中央もローカルもないでしょう、ということですね。

■系列で、という以外にも道がたくさんある

【藤村】Netflixの方とお話をした時、「私たちは世界中から集めた良質なものを世界へ発信していくのが仕事です。これからはドキュメンタリーやバラエティーなどシナリオのないものにも力を入れていきたい。日本の中で『水曜どうでしょう』はとても良質なので、世界に配信していきたい」とおっしゃってくださいました。

 「さすがお目が高い!」と思いましたね(笑)。そこのつながりから、今回『チャンネルはそのまま!』の配信にもつながっていきました。地上波での放送だけだと、一度見逃すとそれで終わりになってしまう。でもNetflixの場合は、一度見逃してもお金さえ払っていれば何度でも見ることができます。そういう意味では我々としても、『水曜どうでしょう』も『チャンネルはそのまま!』もNetflixでやる方が、盛り上がり方がいいなと思います。世界で配信されるので、地方局で作ったものも一気に世界へ行けるというのはとてもいいですよね。系列で、という以外にも道がたくさんある。

【嬉野】実際に海外でも観られているようで、ツイッターなどでも外国語で「観た観た」「絶対観た方がいいよ」などとつぶやかれてるみたいです。ローカル局でありながら、全世界に発信する可能性がある、実際に見られているんだということをこの番組で証明したことは感慨深いです。

■『チャンネルはそのまま!』の撮影エピソード

【藤村】主人公の雪丸花子を描く時、あまりにもコミカルにいき過ぎてもいけないし、でももちろん真面目でもないので、安っぽいコミカルさにならないように気をつけました。とにかく雪丸花子は何をするにも一生懸命なので、芳根さんにはとにかく目を見て話をするように伝えました。しっかり目を見ているんだけれど、「話を聞いていないのでは…」という人、いるじゃないですか(笑)。

 劇中に「すいませーん!」と叫ぶシーンがあるんですが、謝る時も、真剣に目を見て言うんだけど「こいつ本当は謝ってるんじゃないんじゃないか」と思われないように、撮影前に本気の「すいませーん!」のせりふを出すために、芳根さんに「ちょっとプレイボール!の調子で言ってみて」と演技指導しました。それで出来たのがあのシーンです。彼女はすみませんと言いながら心の中では「プレイボール!!」と言っているんだと思います(笑)。

 トークショーの詳しい内容は、YouTube HTB公式チャンネルで公開中。

■YouTube HTB公式チャンネル
https://www.youtube.com/user/HTB6CH/

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  • トークイベント『「水どう」藤村忠寿さん、嬉野雅道さんに聞く異色のドラマ「チャンネルはそのまま!」の舞台裏』開催(左から)藤村忠寿氏、嬉野雅道氏、MCを務めた奥山晶二郎氏(朝日新聞社)
  • 『水曜どうでしょう』名物ディレクター(左から)嬉野雅道氏、藤村忠寿氏
  • HTB開局50周年記念ドラマ『チャンネルはそのまま!』(C)佐々木倫子・小学館/HTB

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