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松坂桃李“原点回帰”の時代劇初主演 デビュー10年で見えた成長と課題

 今年で俳優デビュー10周年を迎える松坂桃李(30)。3月に行われた『第42回日本アカデミー賞』では、映画『孤狼の血』(2018年)で最優秀助演男優賞を受賞するなど、若さの勢いだけでなく円熟味のある演技も見せて人気と実力を兼ね揃える俳優として活躍する。そんな松坂が映画『居眠り磐音』(17日公開)で時代劇初主演を務めるにあたって、これまでの道のりとさらに上に行くための課題を語った。

時代劇初主演を務めるにあたり、10年の俳優生活の課題と成長を語った松坂桃李 (C)ORICON NewS inc.

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■『侍戦隊シンケンジャー』でデビュー 10周年での時代劇初主演は「何かの縁」

 同作は時代小説の発行累計が6500万部を突破している佐伯泰英氏の作品が原作で、その佐伯氏の最高傑作であり、2002年に刊行され、シリーズ51巻で驚異の累計発行部数2000万部を突破。さらには今作が初の映画化となる。松坂自身も「逆に映画化されていなかったのが不思議な感じがする」と驚き「撮影中、スタッフさんに『これが初の映画化』と言われて、後半になってどんどんプレッシャーが来ました」と責任の重さを感じながら挑んだことを明かした。松坂は演じた坂崎磐音を「穏やかで静かな空気をまといつつ心の奥底に青い炎を燃やしている男」と表現。一方で、剣術の腕は確かなもので“居眠り剣法”と表される独特な構えをもつ。この演技について「眠っているような構えとしか台本に書かれていなかったんです」と振り返り「アクション監督の方と相談して、磐音と言えばこの構えという代名詞にならなければいけない。それをどう表現したかが、今回の肝でもあると感じています」と見どころのポイントに上げる。「殺陣まわりは難しかったですけど、自分の中では理にかなっているかなと。(剣を)下に構えて、目線を相手の足元に落とすことによって、相手がどこから打ち込めばいいのか惑わすための戦術にもなっている。“眠っている”ような静かさにもつながっていると思います」と胸を張った。

 磐音と自身との共通点に関しては「いざというときに強くなれる自信もないですし、過去を背負いながら受け止めて、ある種の強い気持ちを持っているのは尊敬する」といい「周囲に振り回される感じは近いかな。先導するタイプではないので、引っ張っていくよりは、仲良く平和にやっていきましょうという感じです」と共通点を上げた。今回の主演については「何の縁か、デビュー作は『侍戦隊シンケンジャー』だったこともあり、10年の節目になるなと思いました。原点回帰ではないですけれども、一周回ってきた不思議な感じもして、率直にやりたいという思いがありました」とオファーが来た時の胸の内も語ってくれた。

■最優秀助演男優賞に輝くも、崩さない謙虚な姿勢

 先の『日本アカデミー賞』の授賞式では、司会の西田敏行から「日本を代表する俳優になってきた」と称賛された松坂。しかし、本人は「まだまだです」と謙虚な姿勢を崩さない。「興味のアンテナを張っていかないといけないし、深掘りする作業も追求しないといけない。一つひとつへの深みのようなものをくみ取り、存在や行動、言葉で伝えられるようにならなければいけない」と課題をあげる。成長に関しては「経験を積ませてもらったことくらいです」と明かし「見えないところで多くの方が動いている。番宣をしながら、責任の重さなどを感じながらお客さんに届ける作業ができるようになったのは、年月のおかげかなと思います」と話す。

 さらなる進化に必要なことに“聞く力”と話した松坂。「監督の言葉の理解、脚本の意図、相手のせりふをどのように受け止めて解釈をするかはやっていかないといけない」と言葉の大切さを熱弁。そのために、多くの人と会話をしたり、テレビを観るなどで見聞を広めていく中、最近感動したのは4月18日にTBS系『ニンゲン観察バラエティ モニタリング3時間SP』で放送されたオードリー・春日俊彰のプロポーズを上げた。

 「色んな感情が出てきましたね。相方の若林(正恭)さんにも言わず、実は10年間付き合っていた。お笑い芸人さんのコンビって家族、恋人、友達でもないですし、仕事上の付き合いですけれども家族のように難しい不思議な関係性。その中での若林さんの号泣は、いろいろ知っているからこそだと思いましたし、グッとくるものがありました。俳優は孤独なので、コンビがいるとこういう感情が出てくるんだなと思いましたね」と新たな気づきを得たそう。

 NHKの大河ドラマ『軍師官兵衛』では、黒田官兵衛の息子・長政を演じた。好きな歴史上の人物を聞くと「伊達政宗」と答え「伊達男という言葉が出てきたくらいなので、どういう人物だったのかは実際に見てみたい」と話す。演じるには「(渡辺)謙さんが演じられていたので壁は大きいですね」と大河ドラマ『独眼竜政宗』の存在をあげつつ「それに伴うような実力ができたら」と笑顔で返してくれた松坂。デビューから10年、自分への課題も的確に把握する。一つひとつの目標をクリアしたその先には、伊達政宗だけでなく、彼にしか演じられない役が待っているだろう。

【映画あらすじ】
磐音は、3年間の江戸勤番を終え、幼なじみの2人と共に、九州・豊後関前藩に戻るが帰藩早々に起きた“事件”により、1日にして2人の友を失い、祝言を間近に控えていた許婚の小林奈緒(芳根京子)を残したまま江戸で浪人暮らしを送ることになる。そんな折、幕府が流通させた新貨幣をめぐる陰謀に巻き込まれ、江戸で出会った人たちを守るため、悪に立ち向かっていく…。

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  • 映画『居眠り磐音』メインショット(C)2019映画「居眠り磐音」製作委員会
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