アニメ&ゲーム カテゴリ
  • ホーム
  • 芸能
  • 中村獅童&初音ミク共演の「超歌舞伎」、先端技術×古典の融合は何がすごい?

中村獅童&初音ミク共演の「超歌舞伎」、先端技術×古典の融合は何がすごい?

 千葉・幕張メッセ国際展示場で4月27日、28日に開催された『ニコニコ超会議2019』の目玉コンテンツとして、今年も「超歌舞伎」が上演された(幕張イベントホールを会場に、2日間で全4公演)。16年に同イベント内で初お目見えした超歌舞伎は、中村獅童×初音ミクという座組み、NTTの超高臨場感通信技術「Kirari!」を筆頭とした最新テクノロジーを駆使した演出による斬新なパフォーマンスが反響を呼び、優れたデジタルコンテンツを表彰する『第22回 AMD Award』大賞をはじめ数々の賞を受賞。以降、毎年進化を遂げながら同イベント内で上演されてきた。4年目を迎えた今回は、初年度の演目「今昔饗宴千本桜」(はなくらべせんぼんざくら)の再演。なお、8月からは京都・南座で約1ヶ月にわたる初の興行が決定している。先端技術と伝統芸能による組み合わせの妙について、改めて解説したい。

【写真】その他の写真を見る


◆映像による演出で、歌舞伎の予備知識がなくても楽しめる

 今回上演された「今昔饗宴千本桜」は、古典を代表する「義経千本桜」と初音ミクの代表曲「千本桜」の世界観をもとに作られた作品で、初年度の再演。時は大正100年の帝都桜京、街を象徴する存在である千本桜に隠された“過去の神話=千本桜を牛耳ろうとする青龍と、それを守ろうとする佐藤四郎兵衛忠信(獅童)と美玖姫(ミク)の闘い”に迫っていく物語で、大正、平安、そして平安から1000年前の時代と、3つの時空を行き来するスペクタクル巨編が繰り広げられた。

 この壮大な物語を展開するのに活用されるのが、舞台正面の上部と下部にそれぞれ配置されたスクリーン。獅童とバーチャルなミクの共演をドラマチックに見せることはもちろん、映像による演出によって各時代の背景や歌舞伎独特の言葉、表現を補足することができるため、予備知識がなくても理解しながら楽しむことができるのだ。

 そして、数あるなかでも革新的なのが、NTTのKirari!による演出。Kirari!は、情報通信によってリアルタイムに競技やライブ空間を丸ごと伝送、再現を目指す技術集合で、現在2020年代のサービス実用に向けてスポーツ及びエンタテインメント分野でさまざまな実証実験が行われている。

◆NTT「Kirari!」による演出は“深層学習”の導入でさらに進化

 今回、特筆すべきポイントは2つ。ともに獅童演じる忠信が青龍と命がけの闘いを繰り広げるクライマックスでの演出で、【1】被写体抽出技術による「分身の術」と、【2】空間創出技術を用いた「変身の術」だ。

 【1】は初演時のほか、その後の別演目でも使用された超歌舞伎ではお馴染みの演出で、舞台上の獅童だけをリアルタイムで抜き出し、別の場所に立体的に投影させるもの。昨年は機械学習、そして今年は深層学習を導入したことで、従来難しかった透過スクリーン前の被写体抽出が可能になり、より自然で迫力ある分身演出が実現した。

 【2】はこちらも深層学習を用い、2D映像から3D空間情報をリアルタイムに生成する技術で、今回新たに開発。これによって、獅童が徐々に“未来の自分=バーチャルキャラクターの海斗”に変身するという、時空を超えた演出が実現し、観客の度肝を抜いていた。

 今回、観劇していてつくづく感じたのは、デジタルとアナログをいかに融合させていくかということ。もちろん、先端技術による演出があってこその超歌舞伎なのだが、獅童をはじめとする役者陣の熱量が高く、アクロバティックな演技、桜を表現する紙吹雪など、やはり人力が加わってこそ感動が何倍にも膨れ上がるのだと会場の雰囲気からも感じた。

 超歌舞伎はこの8月、京都・南座で初の商用公演を約1ヶ月にわたって開催。3本立ての本公演のほか、若者や訪日旅行者も楽しめるよう、1本のみの上演で価格や時間帯を考慮した“リミテッドバージョン”も用意されている。

 松竹 執行役員 兼 開発企画部長 兼 不動産部ゼネラルマネジャーの野間一平氏は、「超歌舞伎をきっかけに東銀座の歌舞伎座に足を運んでくださったという方も多く、16年以降ファン層の広がりを感じています」と超歌舞伎による手応えをこう語る。南座では、これまでの取り組みをさらにブラッシュアップさせた公演が実現するとのこと。今後も超歌舞伎の挑戦から目が離せない。

関連写真

  • 舞台正面にある2つのスクリーンによって、中村獅童と初音ミクのドラマチックな共演が実現する(C)超歌舞伎
  • 初音ミクと中村獅童による“口上”も
  • NTTの超高臨場感通信技術・Kirari!の被写体抽出技術を用いた「分身の術」
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎
  • 『ニコニコ超会議2019』(4月27日、28日=千葉・幕張メッセ国際展示場)の目玉コンテンツとして上演された“超歌舞伎”「今昔饗宴千本桜」(C)超歌舞伎

提供元:CONFIDENCE

【最新号】コンフィデンス 2019年5月27日号 詳細はコチラ バックナンバー 一覧

最新号コンフィデンス2019年5月27日号

<COVER STORY>
渡辺謙(俳優)
「日本人としてのアイデンティティを持って
人生も含めて役に乗せることが求められている」

<SPECIAL ISSUE>
改元を機にさらなるシーンの隆盛へ
新時代の演歌・歌謡を考える

お問い合わせ

WEBサイト『ORICON NEWS』、エンタメビジネス誌『コンフィデンス』 メディア営業スタッフ募集

オリコントピックス