NHK『おかあさんといっしょ』の11代目歌のお兄さんを卒業して間もなく2年。横山だいすけが、「“だいすけお兄さん”の色は“ゼロ”にして、“俳優・横山だいすけ”として臨む決意」を持って挑んでいるのが、テレビ朝日系で1月から放送されている木曜ミステリー『刑事ゼロ』（毎週木曜　後8：00）だ。京都府警刑事部捜査一課13係の若手刑事・内海念也役でレギュラー出演している。京都での撮影も終盤にさしかかったタイミングで、横山を直撃した。

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　同ドラマは、刑事拝命以来の20年間の記憶を失ってしまった刑事・時矢暦彦（沢村一樹）が主人公。記憶を失う前は、敏腕刑事として名を馳せ、「京都府警に時矢あり」とまでいわれていたが、刑事にまつわるすべての記憶や経験が“ゼロ”になったことで“五感”と“洞察力”が研ぎ澄まされ、常識の枠を飛び越えた自由なアプローチで事件の真相をひも解いていく。

――京都での撮影はいかがですか？

【横山】実は、京都市内は初めてだったんです。修学旅行は九州だったんですよね。コンサートで京都に来た時も会場は舞鶴だったので。まだあまり観光名所に行けてないんですが、『刑事ゼロ』の撮影で京都と東京を行き来きしていると、京都に“帰ってきたな”という感覚が芽生えはじめてます。

――正月明けてすぐの制作発表記者会見で、このドラマの撮影期間中は“歌のお兄さん”のような笑顔は封印しますと宣言されていましたが…。

【横山】いや〜（笑）、今回は刑事としてキリッとした表情で事件を解決していく役だったので、“お兄さん”とは真逆のような存在かな、と思っていたんですが、監督たちから「福知刑事（寺島進）とバディを組む中で内海らしさを出していってほしい」と言われて、現場でやっていく中で生まれてくるものを大切にしています。前半は、福知刑事の熱量に振り回されている感じだったんですが、後半は、福知刑事の影響をかなり受けちゃっている内海が見られると思います。

――時矢と長年、コンビを組みながら、心の底では常に時矢をライバル視してきた福知刑事とコンビを組むことが多い内海。自分が出世するために、時矢の失脚を虎視眈々と狙う福知には若干、引き気味でしたが、第7話では福知刑事が乗り移ったような言動を見せていました。

【横山】そうなんですよ（笑）。横山だいすけとしても寺島さんからすごくいい影響を受けていると思います。このドラマが始まってすぐの頃に、キャストのみんなで食事に行ったんですが、寺島さんから「このドラマは新春からはじまるドラマだから、改まった気持ちで見てくれる視聴者も多い。だから、歌のお兄さんではなく、俳優・横山だいすけとして、スタートするのにぴったりなんだよ。だからどんどんチャレンジしていこう」って言ってくださったんです。

――寺島さん、すてきですね。

【横山】はい。台本通りにやらなきゃ、って思っていたんですが、現場で生まれることがたくさんありまして。寺島さんから「内海、ここで何かいいたくならない？」と促されて、内海だったらなんて言うだろうと考え、アドリブを入れてみるとか。いままで子どもたちに向かって真正面から「こんにちはー」と言ってばかりいたので、カメラを見ると真正面を向きがちだったんです（笑）。沢村さんも「カメラはこっち向きに撮るから、ここに立つとちゃんと顔が映るよ」とか、「このせりふの後にこっちを向いたら格好良く見えるよ」といったことを具体的に教えてくださって。本当にたくさんのことを学ばせていただいています。

――横山さんはいつも姿勢がいいイメージがありますね。

【横山】体を大きく使った動きの方が得意なので（笑）。真っ直ぐ立つと「証明写真みたいだよ」って、よく言われるんですよ。

――“だいすけお兄さん”のイメージから脱皮したい？

【横山】それはないです。僕自身の生き方として、『おかあさんといっしょ』の歌のお兄さんになる前から子どもが好きで、歌が好きというのがあって、番組を卒業してもそれは変わらないですし、これからも子どもたちのために歌っていきたいと思っています。ただ、『刑事ゼロ』に“だいすけお兄さん”の要素は必要ないので、お留守番してもらっている感じですね（笑）。今は内海を演じながら、俳優の仕事の魅力をすごく感じています。『刑事ゼロ』の中で成長していく内海、そして横山だいすけを見てもらえたらうれしいです。