NHKで放送中の連続テレビ小説『まんぷく』（月〜土　前8：00　総合ほか）で、ヒロイン・福子（安藤サクラ）や姉の咲（内田有紀）、克子（松下奈緒）ら三姉妹の母・今井鈴役で出演中の松坂慶子。浮き沈みの激しい萬平の事業に不平をこぼしてばかりで口うるさいけど、“かまってちゃん”なところもあって、どこか憎めない“鈴さん”を好演している。鈴さんと萬平さん、2人の間でたちまわる福子の奮闘ぶりが本作のみどころの一つでもある。

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　「台本を読んで、鈴さんの面白さはわかるんですが、どういう風に演じていいのか最初はわからなかった」という松坂。演出からは「いろいろな面があっていいと思います。シーンによって違うことを言っていたりしても構わないので振り幅大きくやってください」「ときには4姉妹のように、お母さんという立場だけではなく、とにかく楽しんでやってください」。

　脚本を担当する福田靖氏からも「コメディエンヌの要素もあるので、もっとハジけてもいいと思いますよ」「おなかが痛くなるのは、子供の登校拒否のような、自然とそうなっちゃう感じだと思います」といったアドバイスをもらい、「そういった言葉を頼りに手探りで始めました」と振り返る。

　鈴さんの面白さが生まれる背景には「ことば指導の先生の方言のテープ音源」の存在もあるという。「本当に面白くて参考になりましたね。とにかく言ってみる、言ってみて採用されないときは、すっと引っ込める。そんなマッチポンプのように、火をつけてみんなを心配させるところがあるという、大阪の女性の気質のようなものも教えていただきました」。

　後半から終盤にかけても「鈴さんは、とりあえず何でも思ったことを言ってみる。言いたいことを全部言っているし、よく食べるので、健康なんじゃないでしょうか。鈴さんとして自然にやれたらなと思いながら、あまり意図せず演じています。みんな鈴さんの中に『自分のお母さん』を見ているような感じになるのでしょうね。私もやっぱり自分の母を思いながらやっていますので。あの時代に生きていた健やかなお母さんの感じを出せたらいいなと思います」と意気込んでいる。