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【コミケ95】キャラクター使った地域活性化に新たな動き、東北支援の一助にも

 世界最大規模の同人誌即売会『コミックマーケット95』(C95)が29日から3日間、東京ビッグサイトで開催された。コミケには、同人誌サークルや企業ブースのほかにも、観光協会や自治体、水族館など様々な出展が。キャラクターコンテンツを使って地域や観光業を盛り上げる動きは、ますます活発化しているようだ。とはいえ、コンテンツの活用方法や資金面での問題がある場合も。コンテンツを使った地域活性化の新たな試みとは? 出展者に聞いた。

■地域活性化を求めキャラクターを使用、制限や資金面での悩みも

 31日に閉幕した『コミックマーケット95』2日目の30日、企業ブースの一部には、地方観光協会や観光業のブースが立ち並んでいた。そのうちの一つ、初出展となった栃木県『下野市観光協会』では、とちぎテレビのアニメ『サクラノチカイ』のキャラクターを使い、市のPRを展開。同協会の小平さんは、「観光協会が出来てまだ5年ですが、他の自治体の皆さんの取り組みを参考にさせていただいています」と語る。「グッズなどを通して市の良さを広め、新たな住民が増えてくれることを願っています。市長も若く、コミケのような場に積極的に参加し、採算度外視でアピールしたいと思っています」。コミケでは、とくに栃木出身者や、行ったことがあるという人が足を止めてくれるそうだ。

 このように地域がメディアと組むほか、サッカーチーム『川崎フロンターレ』とコラボしてコミケに出展した、川崎市観光協会などの例もある。コミケに限らずとも、キャラクターを地域活性化に活用する自治体や観光協会、交通機関は非常に多く、パターンは多岐にわたる。とはいえ、キャラクターコンテンツを使った展開には様々な制限があり、なかなか思うようにいかない…といった声も多いようだ。

■地域の名産品を“擬人化”、地元密着企業と絵師との架け橋に

 「自治体や観光協会、地元密着企業の中には、どうしたらコンテンツを使えるのかわからず、使えたとしても高額な使用料や細かい契約に悩むところも多いんです」と語るのは、2回目の出展となった『NIIGATAもえしょくプロジェクト』を担当する樋口さん。同プロジェクトは、新潟県の名産品(食材、職人)を“擬人化”したキャラクターを一般から募集し、“萌え”で盛り上げるというもの。なかには、“鉄鍋”や“金網ザル”を擬人化したものもある。

 「こちらは県の公式ではないのですが、新潟の企業から依頼を受けて実行している企画です。地元企業は、公募から選ばれた擬人化キャラを自由に使用できるし、制作した絵師さんは活躍の場が増える。両者の架け橋になっています」とのこと。もともと静岡の企業が始めたプロジェクトであり、これまでも静岡、大阪、京都、福岡、長野など多くの県の企業とコラボを行っている。

■コンテンツを使って復興支援を、“東北ずん子”の試みとは?

 また、2011年の東日本大震災を機に、キャラクターコンテンツを活用した東北復興支援を申し出た企業もある。それが、「東北の企業であればイラストを無償で商用利用できる」キャラクター、“東北ずん子”を制作したSSS合同会社だ。今回のコミケにも“東北ずん子公式”として出展し、多くの来場者でにぎわっていた。

 同社CEOの小田さんによると、「コンテンツを使って復興の手助けをしたい、長期目線で東北を盛り上げたいと思い、立ち上げました」とのこと。「普通、イラストなどを使うとなると、契約など色々と制限がかかる場合が多いんです。その点“東北ずん子”は、東北の企業に限って商用利用を無償にし、監修も申請もなし、規約を読むだけで使用していただけるようにしています。東北以外の企業からは、ライセンス料をいただき運営しています」。

 そのため、多くの東北企業が“東北ずん子”を活用し、様々なプロジェクトやイベントを行ってきた。「かつては自治体の補助金頼みだった企画でも、このキャラがいることでクラウドファンディングを立ち上げても、支援が集まりやすいよう。夏には新宿の東急ハンズで物販イベントを開催しましたが、こちらでも東北企業の商品を販売し、利益を地元に還元しています」。

 これまでも、キャラクターコンテンツを通した地域活性化は活発だったものの、それが難しい小さな自治体や観光協会、地元企業もあった。現在では、そんな地域にも手を差し伸べ、架け橋となる動きが出てきている。コミケのような場でユーザーの目に触れることもできるようになり、さらなる知名度アップ、盛り上がりにつながることになるだろう。今後コミケに行ったら、そういったブースに立ち寄ってみるのも一興。もしかしたら、地元や故郷の人々の頑張りに触れることができるかもしれない。



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