世界最大規模の同人誌即売会『コミックマーケット95』が29日、東京ビッグサイトで開幕した。コミケには毎度たくさんのコスプレイヤーが集まるが、今回注目したいのはキャラクターになりきるための“コスプレメイク”だ。カネボウ化粧品はコミケ95に「KATE」のブースを初出展しており、コスプレメイクに特化したオリジナルのメイクブックを無料配布。誌面に登場した有名レイヤーによる時間限定のお渡し会が開かれ、その整理券は一気になくなるほどの盛況ぶりだったという。化粧品メーカーがコミケに参戦する意義とは？ 担当者に話を聞いた。

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　キャラクターになりきるため、テーピングで顔の輪郭を変えたり、女性らしいタレ目やキリリとしたイケメンアイを作れるコスプレメイク。しかし、多くのレイヤーが「自然な眉の描き方がわからない」「キャラによって目の形を変えたいのにうまくできない」といったメイクの悩みを抱えている現状がある。

　そんななかで、コミケ95に初出展したカネボウ化粧品は、自社ブランドのKATEとコスプレの世界観をマッチさせたメイクブック「KATE THE COSPLAY MAKEUP」を無料配布。人気コスプレイヤーによるコスプレメイクの解説や商品の使い方など、今までなかなか明かされることがなかったプロたちが実践する“メイクのいろは”が詳しく公開されているのだ。

「以前コスプレスタジオのハコスタジアムさんとコラボイベントを開催したときに、アンケートで一番多くいただいたのが『コスプレのハウツー本があるとうれしい』という声だったんです。KATEをご使用いただくことで、メイクを楽しんでいただくことへの一助となりたいと思い、今回チャレンジさせていただきました」

　KATEといえば「no more rules」に代表されるように、ブランド自体の世界観が確立されているが、コスプレとの親和性をどのように保っていったのだろうか。

「KATEのブランドイメージをもとに、現実世界ではない別次元にKATEの世界があったとしたらどんなキャラクターがいるだろう？とチームで話し合い、“『KATE』というお化粧の世界”“世界の姫と王子たち”というストーリーやキャラクターが生まれました。なりたいイメージに向けてメイクを研究し、独自の方法を楽しんでいるコスプレイヤーさんと、誰かのルールに縛られずに誰にも媚びることなくもっと自由に自分の個性を表現してほしいというブランドの想いがうまく融合して、素晴らしいものができたと思っております」

　オリジナルの2次元キャラは、人気イラストレーターのTCB（てぃーしーびー）がイラストを手掛け、それを五木あきら、火将ロシエル、えい梨、ウィル、桃月なしこといった有名コスプレイヤーが再現している。

「レイヤーさんたちには、KATEのキャラクターをとても快く受け入れていただきました。『私ならこういうキャラクターの場合は、こんなメイクで表現する』といったアドバイスをいただけて、表情や性格などをとらえてキャラクターを表現していく様は非常に興味深いものでした」

　メイクブックを手渡しで受け取った参加者からは「これだけ似せられるなんて、プロってあらためてすごいと思った」「（メイクブックは）宝物！」「このためだけにコミケに来た。近くで見たえい梨さんは神がかっていた」と完成度の高い内容に多くの感動の声が。

「予想以上の反響に非常に驚いています。普段のメイクに比べて、コスプレメイクはキャラクターをいかに表現するかといった視点が入ってきます。普段メイクとは異なるメイク手法や工夫など、コスプレメイクはまだまだ奥が深い世界です。

　まず、なりたいキャラクターに向けてメイクを研究する熱量がすごいですし、大胆に塗り変えることもあれば、緻密に線を足したり、パーツによって細部までこだわりのメイクをしているところにコスプレメイクの魅力があると今回感じました。初めての出展ですので、コスプレイヤーの皆さんがメイクに求めていることにまだまだ対応しきれていない部分は多いと思っておりますが、今回のコミケで私たちが情報をお届けすることで、メイクの可能性や楽しさがより多くの人に届いてほしいと願っております。様々なご意見をいただきながら、今後もチャレンジし続けていきます」