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『おっさんずラブ』など18年も話題作が続々、SNS時代が生んだ新たなドラマヒットのカタチ

 「おっさんずラブ」が『2018 ユーキャン新語・流行語大賞』のトップ10に選出されるなど、2018年のエンタテインメントシーンを語るうえで「ドラマ」は、欠かせないコンテンツの1つとなった。ドラマ界周辺で巻き起こった事象について、改めて振り返ってみたい。

10月5日に発売された『おっさんずラブ』のDVD&Blu-ray-BOXは、「オリコン年間映像ランキング 2018」のテレビドラマDVD部門、同Blu-ray部門ともに1位を獲得する人気

10月5日に発売された『おっさんずラブ』のDVD&Blu-ray-BOXは、「オリコン年間映像ランキング 2018」のテレビドラマDVD部門、同Blu-ray部門ともに1位を獲得する人気

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◆放送後も人気冷めやまず、19年夏には映画公開も決定

 前出の 土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)は、“おっさん同士”の恋愛を真面目に描いた純愛ストーリー。土曜 23 時台の深夜ドラマということもあって視聴率としてはさほど振るわなかったが、田中圭演じる主人公・春田創一ら魅力的な登場キャラクターたちが繰り広げる“ピュアすぎる”恋物語は、話数を重ねるたびに SNS をはじめネット上で話題に。Twitter では「#おっさんずラブ」が世界トレンド1位を獲得するなど大きなムーブメントとなり、平均視聴率も初回2.9%から最終回は5.7%にまで上昇した。

 作品に対する満足度も非常に高く、週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』発表のドラマ満足度調査「オリコン ドラマバリュー」では、第1話から最終話まで全話で100Pt満点中90Pt以上の高得点をマーク。話数を重ねるたびに視聴者の期待感が高まるなか、最終話では自己最高となる98Ptを獲得し見事有終の美を飾った。

 放送終了後もオフィシャルブックに予約が殺到したり、展覧会チケットが完売したり、主演を務めた田中圭の人気も加速するばかり。そしてドラマのDVD-BOXとBlu-ray-BOXは、期間内にそれぞれ2.0万枚、2.5万枚を売り上げ「オリコン年間映像ランキング 2018」のテレビドラマDVD部門、同Blu-ray部門ともに1位を獲得するなど、ファンの熱は冷めやまず、そんな期待に応える形で12月7日にはついに『おっさんずラブ』の映画化が発表。公開予定の19年夏に向けて引き続きブームは続いていきそうだ。

 視聴スタイルの変化により、テレビが厳しい時代を迎えていると言われて久しいが、SNS全盛期となった今、ことドラマに関してはこのように追い風が吹いている状況となっている。

◆脚本家たちも話題作りをけん引、ドラマ発の楽曲ヒットも続々

 このほかにも、今年放送されたドラマでSNSも味方に話題を集めた作品と言えば、石原さとみ主演の金曜ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)や永野芽郁がヒロインを演じたNHK連続テレビ小説『半分、青い。』、長澤まさみが約11年ぶりに主演を務めた月9ドラマ『コンフィデンスマン JP』(フジテレビ系)など、多数の作品が挙げられるが、話題作りをけん引した要素としては“脚本家”の存在も大きい。

 例えば、『アンナチュラル』の野木亜紀子氏や『コンフィデンスマンJP』の古沢良太氏は、放送前後に各話に込めた想いなどを自身のTwitterで発信。野木氏が『アンナチュラル』4話終了後につぶやいた「次週5話は早くもターニングポイント回。楽しくもあり、しんどくもあり。最終話への道程がここから始まります。スタッフ・キャスト渾身の一作です。決してお見逃しなく。お楽しみに!」とのつぶやきには、ドラマファンなどから7000以上もの「イイね」、1700以上ものリツイートがされた。『半分、青い。』の北川悦吏子氏も、Twitterで脚本や演出の経緯、キャラクターに対する心情をたびたび明かし、“神回予告”は賛否を巻き起こしながらも、期間平均視聴率21.1%という好視聴率へと導くきっかけの1つとなった。

 ちなみに、『おっさんずラブ』の徳尾浩司氏は、好評のうちに最終回(18年6月2日放送)を迎え視聴者が“ロス”に陥るなか、その翌週となる6月9日の同ドラマ放送時間帯に、登場人物たちの“その後”を思い起こさせるツイートを自身のTwitterで発信。ネットで大反響を呼んだことも記憶に新しい。脚本家たちが作品と視聴者とをつなぐ“ハブ”となり、現代ならではの新しいコミュニケーションを築いたのだ。

 結果として、「ドラマバリュー」では全話平均の満足度(100Pt満点)が、『おっさんずラブ』は95.6Pt、『アンナチュラル』は98.1Pt、『コンフィデンスマンJP』は83.1Ptと高ポイントを獲得。朝ドラは半年にわたる放送で満足度に“波”が起きやすいものの、『半分、青い。』に関しては約70Pt(69.7Pt)と好成績をマークした。

 なお今年は、年間CDシングル売上38.3万枚、デジタルシングル(単曲)売上179.7万ダウンロードを記録した米津玄師「Lemon」(TBS系『アンナチュラル』)を筆頭に、MISIAの「アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)」(TBS系『義母と娘のブルース』)、菅田将暉の「さよならエレジー」(日本テレビ系『トドメの接吻』)、あいみょんの「今夜このまま」(日本テレビ系『獣になれない私たち』)、Uruの「プロローグ」(TBS系『中学聖日記』)など、ドラマ主題歌からのヒットも多数生まれており、2018年はドラマというコンテンツが秘める可能性の大きさが示された1年となった。来年も各クールのドラマはもちろん、作品を取り巻く周辺の動向にも注目したい。

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  • 10月5日に発売された『おっさんずラブ』のDVD&Blu-ray-BOXは、「オリコン年間映像ランキング 2018」のテレビドラマDVD部門、同Blu-ray部門ともに1位を獲得する人気
  • 『おっさんずラブ』で人生初“ヒロイン役”を好演し、「第12回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」助演男優賞を受賞した吉田鋼太郎 (撮影:逢坂聡)
  • 連続テレビ小説『半分、青い。』の好演が支持され、「第13回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」主演女優賞を受賞した永野芽郁

提供元:CONFIDENCE

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