女優の飯豊まりえ（20）が、テレビ朝日系ドラマスペシャル『誘拐法廷〜セブンデイズ〜』（7日　後9：00〜11：09）で、若手弁護士・小滝杏奈役を演じる。主演の松嶋菜々子演じる天吹芽依子と同じ法律事務所に所属しており、芽依子のことを慕い、弁護士としても尊敬している役どころ。それは飯豊の松嶋に対する思いとも重なるようで…。そのあたりの話や撮影秘話、近況も交えて聞いた。

【写真】その他の写真を見る

――今年1月公開の映画『祈りの幕が下りる時』では、松嶋菜々子が演じた女優兼演出家・浅居博美の20歳の頃を飯豊さんが演じていましたが、共演シーンとなると、今回が初めてになるんですよね。

【飯豊】はい。映画の完成披露試写会で初めてお会いしました。本当におきれいでお会いできてとてもうれしかったです。その時、松嶋さんといつか、お芝居をご一緒させていただけるようにそれまで頑張ろうと、思っていたのですが、それから半年くらいで、共演がかなうなんて本当にうれしかったです。しかも、今回は松嶋さん演じる芽依子さんと同じ法律事務所の弁護士で、芽依子さんに頼まれて事件について調べる役でしたので、撮影もご一緒できて、待ち時間にお話もできて、あっという間に終わってしまったんですが、本当に楽しかったです。松嶋さんから、『私はこういうお芝居をするので、よろしくお願いします』と話しかけられたのも新鮮で、私もお芝居で応えようと、頑張りました。今回共演させていただき、改めて松嶋さんのような女優になりたいと思いました。

――『誘拐法廷〜セブンデイズ〜』は、一人娘を誘拐された母親弁護士が、犯人から“娘の命”と引き換えに、殺人罪で起訴された、限りなくクロと思われる被告人の無罪を勝ち取るように要求されるストーリーで、わずか7日間しか時間の猶予がない、タイムリミットサスペンス。韓国映画が原作ですが、今回のドラマの見どころは？

【飯豊】私の母が原作の映画を観て、すごく気に入っていた作品だったので、今度、日本でドラマ化される作品に私も出させていただく、という話をしたら驚いていましたし、喜んでくれました。今回のドラマの脚本を読んで、敏腕弁護士の娘を誘拐して、裁判で被告人を無罪しろ、と要求してくるところが斬新だな、と思いました。最愛の娘の命がかかっていて、胸がギュッと締め付けられるような感覚にもなりますし、弁護士としての倫理や責任との葛藤もありますし、誰が犯人なのか、真の目的は何か、最後までわからない展開でハラハラドキドキがずっと続く。私は単純なのでめちゃくちゃ騙されました。

――弁護士役も初めてだったと思いますが、難しいことはありましたか？

【飯豊】昨年、初めてドラマで刑事役（WOWOW『連続ドラマW 石つぶて 〜外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち〜』）をやらせていただいて、その時に、膨大な説明せりふの洗礼を受けていたので、その経験が生きたんではないかと思います。緊迫したシーンを撮っていても、現場はいつもなごやかな雰囲気で、中心にいる松嶋さんの空気感というか、もの腰のやわらかい感じが全体に広がっていて、私ものびのびとお芝居ができました。

――今回の実年齢より上の役でしたが。

【飯豊】今年、『Seventeen』（集英社）を卒業して、『Oggi』（小学館）と『MORE』（集英社）のレギュラーモデルに加えていただいたんですが、読者層は働くアラサー女性ですし、昔から憧れていたモデルさんたち、目標にしたい女性たちが身近にいる環境にいるというのはすごく刺激になっていると思います。

――20歳になって、何か変化を感じますか？

【飯豊】未成年の時は、いろいろ大人の方が気をつかって守ってくれていたところがあったと思うんですが、20歳になってからは、関係者の方々と直接お会いして、お話しをする機会が増えたような気がします。20歳になったからといって、自分で何かをこう変えたというのはないんですが、去年の7月に撮影した写真集を見ると、自分でも顔が幼いな、と思います。

――今後、挑戦してみたいことはありますか？

【飯豊】アニメーション作品の声優をやってみたいです。今年、朗読劇『私の頭の中の消しゴム』で、声優の梶裕貴さんと共演させていただいて、声優さんとご一緒するのが初めてだったんですが、声を操るって、こういうことなのか、というのを目の当たりにして。もちろん、今の自分にとってはすごく難しいことですが、その技を少しでも身につけられたら、お芝居の幅も広がるんじゃないかと思って、それが新たな目標になりました。