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月9プロデューサーが語る日本版『SUITS』への手応え「可能性を感じる」

 フジテレビ系看板枠“月9”では映画化が決定した4月期『コンフィデンスマンJP』、全話平均視聴率が二桁をキープした7月期『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜』と上り調子が続いている。10月8日からは『SUITS/スーツ』(毎週月曜 後9:00※初回30分拡大)がスタート。2011年6月にアメリカで放送開始されシーズン8まで制作されている大ヒットドラマを原作にしているだけに、さらなる追い風を吹かせることができるか注目されるなか、日本版ならではのこだわりや手応えについて後藤博幸プロデューサーに話を聞いた。

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織田裕二×中島裕翔コンビに自信「これがベスト」

 原作はニューヨークの大手弁護士事務所を舞台に、敏腕弁護士・ハーヴィー・スペクター(ガブリエル・マクト)と 、彼の才能あふれるチームの面々がさまざまな訴訟に挑む弁護士ドラマ。韓国でもリメイクされるなど世界中を夢中にさせている。全米大ヒットドラマを原作にした作品を制作するのは長い歴史を誇る月9枠でも初めての試みだ。

 アメリカでシーズン1の放映直後、知人から借りて視聴した後藤Pは「見た瞬間にやりたい」と原作に惹かれたという。「これなら日本に置き換えることができる、今までにない弁護士ドラマができると思った。『SUITS』はほとんど法廷シーンがでてこない。しかも毎話の問題を解決して終わりではなく、各話のネタと主な登場人物の心情がリンクしている。解決することがゴールではない、これは人間ドラマなのだと。ありそうでなかった話だった」と目からウロコで日本版制作に乗り出した。

 しかし、「社内の海外権利担当者に相談したところ『まぁありえない』と言われました(笑)。とてもじゃないけど簡単ではない。まず権利的な部分はアジア系よりアメリカのほうはハードルが高い」と実現まで7年の月日を費やした。

 主人公・ハーヴィーにあたる甲斐正午に起用されたのは俳優・織田裕二。敏腕だけど傲慢な一癖ある人物であり、そんな彼の相棒となる若き天才フリーターのマイク・ロスにあたる鈴木大貴はHey!Say!JUMPの中島裕翔が演じる。後藤Pは「まず、ハーヴィーとマイクをベースにしたとき二人の年齢差は同じくらいがいいと思った。常にバディーとして考えた時のバランスで最終的にはこれがベストだと思えたんです」。

 「実はハーヴィーはシーズン1では30代なかば。向こうの人は日本よりも上に見えるので、日本人の35歳だとキャラクターに説得力がない。最初は30代でキャスティングすることも想定してみましたが40代なかばから50歳にしぼっていくなかで織田さん、そして織田さんとのコンビなら中島くん、だろうと」と起用ポイントを説明する。

 また織田とは名作『東京ラブストーリー』(1991年)以来の共演となる鈴木保奈美が甲斐の女上司・幸村チカ役を演じることも話題に。「チカは唯一、甲斐が頭の上がらないキャラクターなのですが、それを演じても違和感のない方を探すことがなかなか難しかった。保奈美さんには織田さんと対峙したときのバランスの良さがある。保奈美さんをチカ役に思いついたときは発明をした感じでした。結果的にかなりいい組み合わせが実現できたし、世間も食いついている感じがある。図らずもでてきたみどころのひとつですね」。

 「連ドラは○○さんが出演していれば安泰という時代でもない」という後藤P。重要視しているのは“キャストバランス”だそう。「そういった意味ではお二人と保奈美さん。そして新木優子さんと中村アンさん、今田美桜さんといった3人は、合わせるとインスタのフォロワーが500万越え。今田さんはキッズ・ティーンにびっくりするくらい人気がある」と華のある女性キャストを揃えた。

 そしてマイクと犬猿の仲である弁護士で人気キャラクター・ルイスにあたる蟹江貢には小手伸也をキャスティング。「よく連ドラで主人公とそういうような役を演じる人をキャスティングしたくなかった。『コンフィデンスマンJP』から月9バトンを受け継ぐ感じもあるし、見た目もルイスに似ているなと。何よりも伸びしろを感じています。実はこのキャスティングには自信がある。伸びしろという意味では磯村勇斗くんにも期待しています。この8人が揃ったことで最高のキャストバランスになった」と納得の顔ぶれとなった。

■日本版オリジナル要素は?「ベースは原作をリスペクトしてつくっている」

 そんななか、アメリカのプロデューサーが8月上旬に来日。初めて面と向かって日本版脚本の感想を聞いたという。「1話から3話までの準備稿を英訳してお渡ししてたのですが会うまでは具体的なリアクションがなかったので、これでいいのかわからなかった。お会いしたときに『素晴らしい、よく日本に置き換えた』と言っていただきました。もちろんいくつかの指摘はありましたが、『そのままやるのではなく日本でうまくローカライズしてやってください』とおっしゃっていただけたので、それで楽になりました」と本家からのお墨付きを受けたことで“全米ヒットドラマの日本版を制作する”という重圧はなくなったそう。

 そして織田や中島らキャストが集まった読み合わせでもアメリカのプロデューサー陣からの反応について「彼らは日本語はわからないので、雰囲気でしかわからないのですが…。リアクションをみていましたけど怪訝な表情はしていなかった。全体的には笑顔でうなづきながら見ていらっしゃいました。一通り終わって感想を言ってもらったときに『パーフェクト』とおっしゃっていただけましたので安心しました」と胸をなでおろした。

 特に原作サイドから依頼されたのは「キャラクターの根幹にかかわる部分は大切にする」という点。「例えば、『中島くんの役を女性に』とか、それは絶対にありえないこと。男同士でないと成立しない話。主要登場人物の詳細なキャラクター設定表をもらっていて、アメリカと日本の文化の違いによって100%同じにすることはありえないけど、ハーヴィーはこうあるべきキャラクターというのは基本崩さないようにしている」。

 ではオリジナル要素はどういった点になるのか。「まず、ベースは原作をリスペクトしてつくっているので原作通りだと感じる方が多いと思います。いけるところはそのままいっていますが、ストーリーの順番は前後している部分もあります。あとは例えばハーヴィーの最初に顧問をした会社が自動車会社から日本では老舗時計会社にしたり、ディテールは変えている。また、日本とアメリカでは訴訟の仕組みが全く違います。アメリカはまず訴えてから証拠を探す。日本は十分証拠を集めてから訴訟を起こす。その仕組が違うので全く同じにはできません。日本の法律や裁判制度にのっとってやっています」。原作ファンは日本版との相違点を探して楽しんでみてもいいかもしれない。

 すでに撮影はスタートしており、「手応えはあります」と言い切る。「シーズン8まで進んでいるアメリカ『SUITS』の豊富なストーリー展開とキャラクター設定を踏まえられること。織田さん、中島くんはじめキャスティングがうまくはまっていること。そして、脚本家、監督、現場スタッフなど座組みに信頼感があること。これら全てが安心感や手応えにつながっていると思います」と自信の要因を語る。

 「なによりこの甲斐と大貴、二人が作品の肝となってくる。織田さんはワンカットワンカット『これでいいですか、ああしたほうがいいですか』と、中島くんもそうですけど探りながら演じています。織田さんは腕はあるけど傲慢で、中島くんはド素人だけど暗記する才能があって無礼なところがある。そこのさじ加減を毎日、探り探りで呼吸を合わせようとやってます」と役柄を越えたコンビネーションが成功の鍵となるだろう。7年温めたこの企画がどこまで視聴者の心をつかむのか、期待が高まる。



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  • 織田裕二主演の新月9『SUITS/スーツ』が8日からスタート (C)フジテレビ
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