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カンニング竹山、木梨憲武への憧れ 芸人としての矜持「常に道化師でいたい」

 フジテレビ『ノンストップ』と『直撃LIVE!グッディ!』、そしてTBS『ビビット』。この3番組にレギュラー出演するなど、カンニング竹山(47)は今や情報番組でもおなじみの顔となった。世の中で起きているさまざまな出来事に対して、舌鋒鋭く迫る印象を受けるが、当の本人は「年に1回やるライブが、芸人としての軸なので『竹山、何ができるの?』と聞かれたら『これを見てくれたらわかります』という感じです。だから『コメンテーターやっていますね』と言われても、ぶっちゃけどうでもいいんですよね(笑)。それが軸というわけではないから、いつでもやめられるという気持ちです」と淡々としている。マルチに活躍する“芸人・カンニング竹山”が今にいたるまで、節目でさまざまな出会いがあった。

カンニング竹山(C)ORICON NewS inc.

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■華大へのくやしさ抱いた10年間 俳優業の転機となった作品とは?

 芸人としての原点は出身地である福岡。1990年にケン坊田中と「ター坊ケン坊」を結成し、博多華丸・大吉とともに福岡吉本第1期生となった。「当時は、僕は福岡と吉本が大嫌いだったので、結局1年くらいしかいませんでした(笑)。なぜかというと、兄貴が関東の大学に行っていて、そっちのお笑いを見ていたので、関東の芸人になりたかったんです。ただ、結果的にはその1年で芸人としての基本を全部学ばせてもらい、それが今でも根付いていますね」。ほどなく上京してからの10年間は、華丸・大吉への“くやしさ”を抱え続けてきた。

 「地元で売れている華大と東京で売れていない竹山との戦いですよね。だから、東京で僕が全国区で売れた時は、まぁー調子こきました(笑)。そこから、華大の本音とかを飲んで話すようになるとかいろいろあって、そこからは本当の仲間になりました」。そんな戦友が現在、NHK朝の情報番組『あさイチ』のMCとして出演している。「朝の番組をやると聞いた時はうれしかったですよ。『おめでとう』って電話もしましたけど、うれしいを飛び越えて『月から金で朝からやるって、自分ら飲むけど大丈夫?』と心配しちゃいました(笑)。だから、今大変だと思いますよ。僕に帯番組のオファーですか…いやー来ないでしょう。毎日見る顔じゃないですから(笑)」。

 芸人として人気が出始めると、今度は“役者”としてのオファーが来た。「はじめはミーハーな気持ちで、オファーをいただいたので行ってみたいなと思ってやってみたら、今度は別のところから声がかかって、もう1個いってみようかっていう感じでした。俳優さんに会う機会もなかなかなかったから、いいかなと思っていたんですけど(俳優業が)嫌で嫌で仕方なかった(笑)。特に、時間の使い方とかが理解できなくて『9時間現場にいたのに、実際オンエアで使われるのは何分だよ』とか思っちゃったりして…。それでもう二度とやらないって勝手に生意気なことを言っている時に『守護天使』という主演の映画が入ったんです」。

 2009年に公開された同作への出演が“俳優業”への向き合い方を変えた。「主演なんて一生に一度できるかどうかだからやってみようってなったんですけど、やっぱり撮影時間が長くて(笑)。嫌だなと思っていたら、佐藤祐市監督から『嫌がっているだろ?』と言い当てられて、2人で飲みに行くことになりました。その時に佐藤さんから『バラエティーはバラエティーで作り方があるように、映画にも作り方がある』と丁寧に教えてもらって、そこから割り切れるようになったんです。そんなに焦って仕事しなくてもいいんだって。それで気持ちも変わって、ちょっとおもしろいなというものも芽生えるようになりました。いろいろな役者さんを注意して見ていくうちに『これ、実はめちゃくちゃぜいたくな勉強をさせてもらっているんだ』と思うようになりました。だって、第一線の方々のお芝居を目の前で見ることができるんですから」。

木梨憲武との出会いで「考え方が変わった」 マルチな活動も芸人としての軸はブレず

 あす5日と12日に放送される、読売テレビ・日本テレビ系島耕作シリーズ35周年企画『「部長 風花凜子(かざはなりんこ)の恋」会長 島耕作特別編』(後11:59)では、大手電機メーカー「テコット」の会長を務める島耕作の秘書・三代稔彦を演じる。同社の国際本部北米部・風花凜子(りょう)のアメリカ時代からの友人でゲイという役どころでの出演となる。「ひと昔前だったら、凜子みたいな人はなかなか存在しなかったと思いますが、今はこういう人が実際の社会にもいると思うから、リアルだなと感じました。カッコいいところだけではなくて、弱さもあるので手の届くキャラクターになっているんじゃないかな」。

 作品にちなんで、自身の身近な「理想の上司」を聞いてみると、とんねるずの木梨憲武(56)を挙げた。「憲武さんってすごいなと思いますね。ガッツリお世話になっていますけど、芸能人以外のいろんなジャンルの方と仲が良いですね。本当にみんなが仲間になっていく。身近で一番人間力があるのは、やっぱり憲武さんかな。それでいて出世したいとかも全く考えてないですから(笑)。ああいう自然体な生き方をしたいなと憧れています。一緒に飲んでいても、苦しかったっていう人はいないと思いますよ。一切怒らないし、飲み会も途中で帰ってもいいくらいですから(笑)。『あした早いから先に帰りますわ』と言っても『おうおう』って感じですね。自分も後輩に対してはこうありたいです。憲武さんとの出会いで考え方が変わった部分があるので、50歳を前にして一番影響を受けた人かもしれないです」。

 自分の上司っぷりを自己評価してもらうと、意外な一面を教えてくれた。「オレがかわいいなって思う後輩芸人は、みんな売れないんですよね(笑)。結局、ダメなやつを好きになるみたいで、勝俣州和さんに『竹山くんがかわいがっている後輩はみんな売れないから、竹山くんについちゃダメだよ』と言われたことがあるくらい。今は、立場上先輩みたいになっていますけど、そもそもが先輩でいることがあんまり好きじゃなくて、後輩でいることの方が得意なんですよ。だから、憲武さんとかとご一緒させてもらっていると、後輩として動けるからすごく心地よくて、タクシーを止めたり、いろいろなことをするのも全然苦じゃないですから(笑)。イメージでは逆だとよく言われるんですけど」。

 最近では、芸人が俳優、小説家、アーティストとして高評価を受ける場面も多くなってきた。マルチなジャンルで活躍していることへの見解を聞くと、明確な言葉が返ってきた。「芝居をやりだしたからネタやめますっていうのは違うと思いますけど、自分の中で何かひとつあれば、何やってもいいんじゃないかと思います。本を書いて、才能ある人は又吉(直樹)くんとかも普通に、賞を取れるわけだし、矢部(太郎)くんも漫画を描いて賞が取れるというのは、ひとつの才能だから、それを殺す必要は全然ないと思いますね。品川(祐)くんが映画を撮ったり、みんな好きなことをやればいいんじゃないですかね。それだけ多チャンネル化しているわけですだから。僕の場合は“なんでも屋”でいいかなというのがありますし、カッコいい言葉で言えば常に道化師でいたいですね。お笑いの軸さえ基本にあれば、現場ごとの道化師でいたいですね」。

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  • 読売テレビ・日本テレビ系島耕作シリーズ35周年企画『「部長 風花凜子(かざはなりんこ)の恋」会長 島耕作特別編』カット写真
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