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矢部太郎『手塚治虫文化賞』贈呈式で万感スピーチ 漫画界から熱視線「才能がある」

 お笑いコンビ・カラテカ矢部太郎(40)が、マンガ文化に大きな足跡を残した手塚治虫の業績を記念する『第22回 手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)』の短編賞を受賞し7日、都内で行われた贈呈式に出席。お笑い芸人として初の快挙に、会場からも熱視線が送られる中、万感こもったスピーチを披露した。

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 矢部は受け取ったトロフィーを大事そうに持つと「漫画の神様に恐れ多いことを思い切って言わせていただきますと、手塚先生はどんなに有名になられても若い作家の作品を読んで嫉妬(しっと)することがあったとお聞きしまして、僕も手塚先生に本を読んでいただいて、ほんの少しだけでも嫉妬してくれたらうれしいなと思います」と恐縮しつつアピール。

 遅咲きのデビューとなった点にも触れ「38歳で漫画を描き始めまして、今40歳で。38歳で漫画家になると言ったら普通は周りの方が全力で止めると思うんですけど、僕の場合は『作品にした方がいいよ』って言ってくださる方がいて。倉科遼先生は自費出版してでも出したほうがいいよって言ってくださって、相方の入江くんも勧めてくれました」と感謝。「一番は大家さんがいつも『矢部さんはいいわね、お若くて何でもできて、これからが楽しみね』とおっしゃってくれて。本当に何でもできる気がしてきて、これはあまり人には言ってなかったんですけど、実際は38歳だけど18歳だと思うようにしていました。何を言っているのかと思われるかもしれないですけど、本当に10代だと思ったら、大概失敗しても許されるので、思い切ってできたのかな」と自己分析すると笑いが起こった。

 「人生何があるかわからないと言いますけど、中学校の図書室で『火の鳥』を読んでいた時とかは本当にこんなことになるとは思ってなかった」と改めて受賞の衝撃を吐露。「芸人始めて、けっこう人生の斜陽を感じていたんですけど、そんな僕がこうしてここにいるっていうことは、そういうこともつながっているんじゃないかなと感じています。お笑い芸人が僕の本業なんですけど、人前でしゃべるのが苦手で、うまく言葉にできない気持ちを少しでも漫画で描けたらと思っています」と感極まった様子で話して、約5分間にわたるスピーチを締めくくった。

 そんな矢部に対して、漫画界からも期待の声があがり、選考委員を務めた里中満智子氏は「矢部さん、すっごい才能がある。そしてなおかつ実力もあります。このタイトルは『大家(おおや)さんと僕』ですが、いつか大家さんじゃなく大家(たいか)になられることを願っています」と激賞。矢部と特別対談を行った手塚治虫の娘である手塚るみ子氏も「お笑いの方はもちろんですが、漫画の世界でもこれからもぜひ」と呼びかけていた。

 同賞は、日本のマンガ文化の発展、向上に大きな役割を果たした手塚治虫の業績を記念し、その志を継いでマンガ文化の健全な発展に寄与することを目的に、朝日新聞社が1997年に創設。年間を通じて最も優れた作品に贈られる「マンガ大賞」、斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者に贈られる「新生賞」、短編、4コマ、1コマなどを対象に作品・作者に贈られる「短編賞」、マンガ文化の発展に寄与した個人・団体に贈られる「特別賞」がある。

 各賞の一覧と受賞理由は下記の通り。

■『第22回 手塚治虫文化賞』
マンガ大賞:野田サトル『ゴールデンカムイ』(集英社)
新生賞:板垣巴留(擬人化された動物たちを描く『BEASTARS』(秋田書店)の独自の世界観と清新な表現に対して)
短編賞:矢部太郎『大家さんと僕』(新潮社)
特別賞:ちばてつや(18年ぶりの単行本『ひねもすのたり日記』(小学館)刊行と、長年の業績、マンガ文化への貢献に対して)



関連写真

  • 『第22回 手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)』贈呈式で短編賞を授賞した矢部太郎 (C)ORICON NewS inc.
  • 『第22回 手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)』贈呈式で手塚治虫文化賞を受賞した板垣巴留氏(C)ORICON NewS inc.
  • 『第22回 手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)』贈呈式で特別賞を受賞したちばてつや氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 『第22回 手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)』贈呈式に出席した(左から)手塚るみ子氏、矢部太郎

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