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綾野剛、パンク過ぎる侍役で新境地「演じることができて本当に良かった」

 俳優の綾野剛が主演する映画『パンク侍、斬られて候』が30日より公開される。いまだに謎の多い同作だが、主人公・掛十之進(かけ じゅうのしん)を演じた綾野が、これまでの侍像を大きく覆す掛のキャラクター像を明かした。

 同作は町田康氏の小説を実写化し、規格外の能力を持つ侍・掛が自ら招いた大惨事に翻弄されるさまが描かれる。脚本はNHKの連続テレビ小説『あまちゃん』や、2019年の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』を手がける宮藤官九郎氏、監督は『爆裂都市 BURST CITY』(1982年)、『シャニダールの花』(2013年)などの石井岳龍氏が担当。綾野のほか、北川景子東出昌大染谷将太らが出演する。

 侍といえば、武士道精神を重んじて、ぶれずに己の信じた道をただひたすらに突き進むといったイメージを持ちがちだが、掛は自分の置かれた立場や、相手に合わせて変幻自在に自分のキャラクターを変えていく。

 綾野は、掛に関して「この映画に登場する登場人物はみな個性的。そして掛は、ほかの登場人物に合わせて自在に自分のキャラクターを変えることができるんです。この作品の中で、10の掛をお見せできればいいなと思っています。掛が一之進ではなく、十之進である理由もそこにあると僕なりに理解しています」と語り、破天荒なキャラクターの秘密を明かした。

 掛は、超人的な剣の腕前を持ちつつも、牢人として各地を流浪するテキトーな“プータロー侍”。ふと立ち寄った黒和藩で、宗教団体“腹ふり党”が藩を侵食しているというハッタリを噛まし、藩に召し抱えられようとするが、事態は全く思わぬ方向へ転がりだす。

 そんな掛の武器は、剣の腕前も然ることながら、いつの間にか人を丸め込み、自分をとりまくいかなる諸問題をも雲散霧消させてしまうその弁舌。一本気な侍とは一線を画す侍を演じることになった綾野は、破天荒なキャラクターを自身のものにすることに相当苦労したという。

 「掛役は容易ではありませんでした。クランクインして4日目くらいにようやく周りが見えてきたという感じでした。それまではやはり掛十之進という人間像をどう作っていくのかというところに、集中していました。そしてほかの皆さんのキャラクターに対して、掛が合わせて変わっていくことがこの作品には一番いいことに気が付いたんです」。

 キャスティングに関して、石井監督は「掛の役には迷いなく、ぜひ綾野さんでいきたい。彼じゃなかったらやれないくらいの気持ちで制作側とは話していました。掛の狂犬的なところと、幅広い人間的な魅力、そして超人的な剣客という部分が、綾野さんの人間味あふれる演技力や、プラスして殺陣を含めたアクションもできる高い身体能力がこのキャラクターには非常に向いていたのです。ぜひ彼とやりたかったです」と起用理由を打ち明けた。

 これまでの“侍像”を打ち砕くパンクな侍は、綾野の幅広い演技力、そして高い身体能力によって完成した。散々悩ませた役柄ではあったが、綾野は最後に「掛十之進を演じることができて本当に良かったです。本当にありがとうございました」と感謝を示し、石井監督は「ファンの方やこの映画を観ていただいたお客様は、綾野さんの演技のふり幅にびっくりすると思いますよ!」と太鼓判を押した。



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