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JASRAC、外国映画上映の使用料規定を変更 脱“定額制”で邦画との格差是正へ

 日本音楽著作権協会(JASRAC)は6日、都内で会見を行い、外国映画上映の使用料規定の変更を発表した。現在の定額徴収から、封切り時のスクリーン数に応じ6区分の使用料額表による算出へと切り替えていく。

JASRAC世古和博常務理事 (C)ORICON NewS inc.

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 これまで外国映画は1作品あたり、全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)の定める定額(一般的な劇場用映画は18万円、1985年4月制定)となっていた。利用規模が反映されず、欧州諸国と比較すると著しく低廉で、日本映画の使用料(曲別算定方式)との比較でも格差があることが問題となっていた。

 JASRACは全興連との間で8月31日に次の内容で合意。(1)2018年11月から21年3月までに封切りとなる映画の使用料の算出方法については、封切り時のスクリーン数に応じた6区分の使用料額表にて行う。(2)2021年4月以降に封切りとなる映画の使用料の算出方法については、曲別算定方式に準じた、楽曲別の利用規模を反映した使用料算定方式の採用に向けて、協議を行う。(3)映画上映規定の在り方については(2)と並行して、引き続き協議を行い、可及的速やかな合意の形成に努める。

 新しい使用料は10スクリーンまでの場合は15万円で、段階的に上昇し、500スクリーン超の場合の30万円が最高となる。(複数のスクリーンを有する映画館におけるスクリーン数については、当該映画の字幕版または吹替版のいずれか一方のみが上映される場合は1映画館1スクリーン、字幕版及び吹替版いずれも上映される場合は1映画館1.5スクリーンとみなされる)。

 21年4月以降の使用料額については、日本映画で採用している曲別算定方式に準じた新たな使用料算定方式の採用に向けて協議し、20年12月までの合意を目指す。合意に至れば、日本映画との格差解消することに一定の目途が立つという。

 江見浩一複製部長は「シミュレーションでは15%から20%の使用料の増額になるかと推定しております」とした。それでもJASRAC側が希望する使用料とは隔たりがあるが、映画ビジネスへの影響を考え「時間をかけて変えていくことが必要になると思っている。一歩一歩、進んでいく合意だと理解しています」と説明した。

 利用者にとって気になる映画の入場料への影響を問われると、江見部長は「入場料の設定は我々が決める話ではない。直接、コメントするべき立場にはない」としつつ「映画の方々から、お聞きしている話としては、入場料を上げないための努力は非常に一生懸命されている。消費税対応等でも上げないで頑張っていらっしゃる。今回の改定で、そのようなことがないようにしていきたいという話は複数の方から伺っている。私は、そういう風に承知をしている」と話した。

 また、CDの売上の減少により減ってしまった徴収額の維持のために新しい対象を広げたり、増額しているというと批判もある。世古和博常務理事は「特に楽器教室の件に端を発しまして、JASRACがいろいろな分野に手を広げて、特に演奏権の管理、徴収に必死になっている。それはCDが売れないことをカバーするためだという風におっしゃる方がいます。その都度、ご説明させていただいてきておりますけど、CDの売上が落ち込んでいるのは事実。ただ、CDに代わって配信といったビジネスに代わってきている。パッケージの売上が落ちていることと、演奏権の管理分野の拡大は関係ないこと」と断言していた。

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