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是枝裕和氏の弟子が監督デビュー 柳楽優弥主演『夜明け』2019年公開

 映画監督の是枝裕和氏、西川美和氏のもとで長年監督助手を務めてきた広瀬奈々子氏が、自ら書き下ろしたオリジナル脚本を映画化した『夜明け』(2019年公開)で監督デビューを果たすことが9日、わかった。主演は、是枝監督の『誰も知らない』で日本人初、カンヌ史上最年少で主演男優賞を受賞した柳楽優弥が務める。

柳楽優弥、小林薫が共演する映画『夜明け』 (C)2019「夜明け」製作委員会

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 ある秘密を抱えて逃れてきた青年(柳楽)と、彼を偶然助けることとなった見ず知らずの初老の男・哲郎の物語。青年は徐々に心を開いていき、2人は何かを埋め合うように信頼関係を築いていくが、実は哲郎にも決して忘れられない過去があった。哲郎を小林薫が演じるほか、堀内敬子YOUNG DAISらが共演する。

 広瀬監督は、1987年生まれの神奈川県出身。武蔵野美術大学映像学科卒業後、2011年から是枝氏と西川氏が立ち上げた制作者集団「分福」に所属し、監督助手として是枝氏の『そして父になる』『海街diary』『海よりもまだ深く』に参加。西川氏の『永い言い訳』では記録と監督助手を兼任した。

 広瀬監督は「実質脚本に向かったのは約1年半ほどですが、震災以降の社会や権力のあり方について、20代の間に自分の中で悶々としていたものを全てぶつけるつもりで書き始めました」と込めた思いを明かし、「柳楽さんとは同年代ということもありお互いが納得するまで対話を重ね、小林さんにはせりふの間からお芝居に関係する美術に至るまで具体的なアイディアをいただきながら撮影を進めました。誰もが妥協せず、一つひとつのことに悩むことができたのは、新人監督としてとても幸せな経験でした」と語っている。

 柳楽は、広瀬監督について「初めてお会いした時から嘘のない目をしていて、この人について行こうと思える、とても心強い監督でした」と信頼を寄せ、小林は「女性で初監督ということでしたが、シミュレーションを何度としたのか、頭の中にしっかりでき上がったモノがあったんでしょうね。ブレずに指示していたことが印象的でした」とコメント。

 是枝氏は「脚本は、彼女らしく、骨太で繊細な人間描写が文字の上からでも充分伝わる作品です。彼女のためなら、と、多くのスタッフが参加を表明してくれていて、恵まれたデビュー作になりそうです。僕とも西川とも違う新しい監督の誕生を大いに期待して、もうしばらくお待ちください」と監督デビューを祝福。西川氏も「広瀬さんには『永い言い訳』の監督助手についてもらいました。演技に対する観察眼や、映像センスはかなり鋭いものがあり、一年間じっと後ろから見られながら私は冷や汗をかき通しでした。しかし、一番の特長は、弱い者に対しての優しさが深いところにある部分だと思います。切れ味鋭く人の孤独を描きながらも、観る人に寄り添う作品の撮れる監督になってくれると思っています」と期待を込めた。

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