テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』や映画『火垂るの墓』などの作品で知られる、アニメーション作家で監督の高畑勲さん（享年82）の訃報を受け、2013年公開の映画『かぐや姫の物語』にプロデューサーとして携わった西村義明氏（スタジオポノック）がコメントを寄せた。

　西村氏は「高畑さんは、人生の中で最も豊かな経験をくださった方でした。出会い、過ごし、話し、笑ったり、怒ったり。共に映画を作れた歓びを、映画と平和にかけた情熱を、決して忘れません。本当にありがとうございました。高畑さんは、世界一のアニメーション映画監督であり、永遠にぼくの師です」と偲んだ。

　公開時、高畑監督の14年ぶりの長編映画として話題を呼んだ『かぐや姫の物語』では、企画から完成まで約8年にわたって苦楽をともにした西村氏。同作では、独特な映像美が話題となって、後にアメリカのアカデミー賞にノミネートされた。

　西村氏は、『思い出のマーニー』（14年、米林宏昌監督）のプロデューサーを務めた後、スタジオジブリ退社。アニメーション制作会社「スタジオポノック」を立ち上げ、『メアリと魔女の花』（米林監督）をプロデュース。今夏、新プロジェクト「ポノック短編劇場」として3作の短編アニメーションを同時上映する『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』（8月24日公開）を控える。