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細谷佳正が語る声優業「常に違和感との戦い」 アニメと吹替えの“違い”も熱弁

 アニメ『テニスの王子様』、『進撃の巨人』など、多くの有名作品に出演し幅広い役柄を演じる人気声優・細谷佳正(36)。最も印象に残る声優や作品に与えられる『声優アワード』では第8・10回に助演男優賞を受賞し、今年は第9回『マンガ大賞』で大賞を受賞した作品『ゴールデンカムイ』への出演も決まっている。そんな彼が、7日にDVDが発売となる、マット・デイモンベン・アフレックが共同制作したSFサスペンス海外ドラマ『インコーポレイテッド』の主人公ベン・ラーソンの日本語吹替えを担当する。声優という職業について「常に違和感との戦い」と語る彼に、改めて仕事の難しさ、アニメと海外ドラマ・洋画の吹替えの違いについて聞いてみた。

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■アニメと海外ドラマ・洋画の違い「海外ドラマや洋画の吹き替えは、事前の役作りはしない」

 アニメへの出演が目立つ細谷だが、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』、『トランスフォーマー』などの洋画や海外ドラマの吹替えも多く担当している。アニメと海外ドラマ・洋画のアフレコの違いについて「アニメーションと違い、洋画や海外ドラマの吹替えは、生身の俳優さんが画面の向こうで日本語でない言語で芝居をしている。アニメは2次元の絵が喋るので、まずこの点で取り組み方が大きく変わります」と丁寧に説明し、例として「人間の行動は10秒、1カットの中で、目線や眉毛と口が同時に細かく動く。これをアニメーションだと、どんなに再現しようとしても生身に追いつかないところがある。洋画や海外ドラマではそこの雰囲気を拾っていくことが必要で、そこにうまくフィットさせるのが洋画や海外ドラマの吹替えかなと思います。出過ぎても抑え過ぎてもダメですね」と語る。

逆にアニメのアフレコの場合は「絵を動かしていくのが必要だと感覚的に思います。海外ドラマの吹替えよりも、ちょっとテンションを上げるなどの誇張、デフォルメをしないと、作品によっては演技が追いつかない場合があります」と、違いについてわかりやすく答えた。

 細谷が出演した『テニスの王子様』や『進撃の巨人』は漫画が原作。事前にその作品を読んだりして役作りができるが、海外ドラマ・洋画の場合はどうなのだろうか。「(吹替えをする)役者についてあえて事前に勉強はしません。その時いただいた映像にどれだけフィットするかが大事だと思っています。例えば、準備段階でその役者さんについて勉強しようとして、その役者さんが出演しているほかの作品を観ても、それは役者さん自身を観ているのではなく、お芝居をしている姿だと思うんです。なので事前の役作りは、あえてしないようにしています」と独自の考え方を述べた。

■演じるキャラクターについて 「感情移入をしないようにしている」

 少年から青年まで幅広い役を演じることが多く、自然な芝居、表現力に定評がある細谷。今作では大企業に勤めて順風満帆なキャリアを積んでいるベンという主人公を演じたが「今回の役を演じるのは難しいというか、生身の人間に声を合わせていくのは、やっぱり難しいことだと思いました。今作のベンを演じているショーン・ティールという俳優さんは、個性的な顔立ちをされています。その役者さんから僕の声が出たとき、どういう印象になるのか気になりました。他の海外ドラマの吹替えもしていますが、今回は特別に難しかったです」と苦戦した様子。

 また、海外ドラマや洋画で演じる役に感情移入することはないのか聞くと「そういうことはあまりしないようにしています」と笑いながら回答。「海外ドラマや洋画の吹替えの場合は、画面の向こうで芝居をしている俳優さんがいる。その役に感情移入するのは、自分がその俳優さんに反映され過ぎてしまうのではないか、と思うので、なるべく客観的になれるよう気を付けています」と、声優として心がけていることを語ってくれた。

■声優とは「完全に主観的になれない、違和感を払拭することが重要」

 『声優アワード』で第8・10回に助演男優賞を受賞した彼に”声優”という職業について改めて聞くと「完全に主観的になれない仕事」と語る。「完全に主観的になるためには、自分がその作品に出演していないとダメ。アフレコする上で、自分ではない他の人に合わせることには、違和感があるというのを自分で感じている。例えば、大きな体格のキャラクターを演じる時、『この体格から自分の声が出るのかな』という、そういう違和感はある」と心持ちを明かす。

 「(演じる)難しさというより、違和感をどう払拭していくのかを気にしながら演じています。自分が最初の観客だと思い、視聴者の方に見ていただく時に、そのキャラのイメージに合わせることが重要だと思う。そこにフィットさせていく中で、自分が最初に見るものであるからこそ、自分が違和感を少なく感じたほうが、視聴者の方にもより違和感なく見ていただけるのではないかと思っています」と語った。

■作品の見どころは「思想的な面で見ると面白い」

 今回のドラマは2074年の近未来が舞台で、大規模な気候変動に見舞われた各国は、政府の機能を失い、巨大企業が世界の90%を支配。出自を偽り巨大企業の若きエグゼクティブとなった細谷が演じるベンが、愛する女性を救うため、管理社会に戦いを挑む物語。
 
 見どころについて細谷は「スパイものとして、またエンターテインメント作品として、ドキドキ、ワクワクしながら見ることができる一面もあります。グリーンゾーンという完全に管理された社会が物語の中に登場するSF作品ですが、現代にも「マイナンバー制度」なども実際にあるので、『SFなのだろうか?』と思うほど身近に感じました。今の現実社会がこのまま続いていけば、この作品のグリーンゾーンのような世界になってしまうかもしれないけど、『果たしてそれでいいのか?』というメッセージを含んだ作品になっている。ベン・アフレックとマット・デイモンが言いたかった思想的な面で見ると、より楽しんでいただけると思います」と作品の魅力を語った。



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  • 声優業を熱弁する細谷佳正 (C)ORICON NewS inc.
  • 細谷佳正が語る声優業「常に違和感との戦い」 アニメと吹替えの“違い”も熱弁 (ヘアメイク:河口ナオ)(C)ORICON NewS inc.
  • 海外ドラマ『インコーポレイテッド』のキービジュアル (C)2018 CBS Studios Inc. and Universal Cable Productions L.L.C. CBS and related logos are trademarks of CBS Broadcasting Inc. All Rights Reserved.

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