女優の真木よう子（35）、井上真央（31）、桜庭ななみ（25）が、映画『焼肉ドラゴン』（初夏公開）で姉妹を演じることが16日、わかった。

　同作は、2008年、日本の新国立劇場と韓国の芸術の殿堂（ソウル・アート・センター）のコラボレーションで製作された同名舞台を映画化。舞台でも作・演出を務め、映画『愛を乞うひと』、『血と骨』などで脚本を担当した鄭義信氏が映画監督デビューを果たす。

　物語の舞台となるのは、高度経済成長期の真っ只中、万国博覧会が催された1970年代に関西の地方都市の一角で、一家が営むちいさな焼肉店。故郷を奪われた6人の家族が時代の波に翻弄されながらも、泣いて笑って、力強く生きる姿を描く。

　撮影は17年4月頃に行われ、長女・静花を真木、次女・梨花を井上、三女・美花を桜庭が演じ、美人三姉妹に扮する。

　舞台を鑑賞していたという真木は「映画化にあたり、ワクワクした感覚と舞台とスクリーンの違いがどうなるのかといった懸念が少しもなかったかと言うと嘘になります」と打ち明け、「しかし、映像化した作品は私の期待を遥かに超えておりこの様な歴史的事実が確かに存在したことを、より多くの方に認識して欲しいと思うと共に、鄭監督の伝えたかった“たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる”というメッセージが作品の終盤には深く皆さまの心に突き刺さることになると思います」とコメントした。

　井上は「韓国の俳優陣はみな熱量が高く、とても刺激的でした」と撮影を振り返り、「互いの言葉が通じずもどかしく感じることもありましたが、今作への思いを最後まで共有することができ、忘れることのできない作品となりました」と感慨深げ。

　妻のいる男性と恋に落ちる役どころを演じた桜庭は「難しい役どころでしたが、真木さんや井上さんをはじめとするキャストの方々にアドバイスをいただきながら、チャレンジする気持ちで撮影に挑みました」と語った。

　そのほか、静花への思いを秘めたまま梨花と結婚する哲男役で大泉洋（44）が共演。舞台版のファンだったといい、「現れるキャラクターの誰しもが心に傷を抱えながらも、国や血のつながりを超えて団結し、明日を強く生きていこうとする姿を、日本と韓国の役者陣が鬼気迫る表情や演技で見せる作品になったと思います」と手応えをにじませた。