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広瀬すず主演ドラマ『anone』、坂元ワールドで新しい魅力を開拓【記者コラム】

 キービジュアルが公開された時、「広瀬すずって、こんな顔もするんだ」と驚きをもって受け止めた、日本テレビ系水曜ドラマ『anone』(毎週水曜 後10:00※初回10分拡大)が10日にスタートする。笑顔で目をキラキラさせて、いつも陽の光が当たっているようなイメージだった広瀬すず(19)が、本作ではまるで別人のよう。その大きな瞳をバッサリと切った前髪で隠し、化粧っ気のない顔は終始うつむき加減、時折見せる眼差しは突き刺すように鋭く、真冬の日陰ように冷たい。

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 本作は、同ドラマ枠で放送された松雪泰子主演の『Mother』(2010年4月期)、満島ひかり主演の『Woman』(2013年7月期)に続く、坂元裕二氏オリジナル脚本の第3弾。演出の水田伸生氏をはじめ両ドラマのスタッフが再集結し、主演に広瀬、共演に『Mother』、『Woman』にも出演した田中裕子、さらに瑛太、小林聡美、阿部サダヲなどをそろえた。この概要だけで、「過去の2作品に負けない伝説のドラマを作るぞ!」という意気込みがひしひしと伝わってくる。

 物語は、家族を失い社会からもはぐれてしまい、生きる方法さえ見失ってしまった少女が、一人の老齢の女と出会うところからはじまる。通称「ハズレ」こと辻沢ハリカ(広瀬)は、清掃のアルバイトをしながら同年代の美空(北村優衣)と有紗(碓井玲菜)とともに、ネットカフェに寝泊まりしていた。スマホのチャットゲームの中でだけ会える闘病中の“カノン”さん(清水尋也)と日々の他愛な会話を交わすのが唯一の楽しみ。一方、林田亜乃音(田中)は、自宅1階の廃業した印刷工場の床下に、大量の1万円札の束を見つけてしまう。

 ある日ハリカは、友人とのドライブ中に札束の入ったバッグが捨てられているのを見た、という有紗の記憶を頼りに、「柘(つげ)」という町を目指すことに。「柘」は、かつてハリカが祖母(倍賞美津子)と暮らした幸せな記憶のある町の名前だった。

 一方、医者から半年の余命宣告を受け、店を畳もうとしていたカレー屋店主・持本舵(阿部)は、最後の客・青羽るい子(小林)と意気投合し、二人で死に場所を探す旅に出ていた。カレー屋のワゴンで二人が流れ着いたのは柘という町。そこに大金は確かにあり、それがきっかけで出会うはずのない人たちが、交わることになる。

 ハリカと亜乃音。欺かれ、裏切られ、人を信じる心さえなくしてしまっていた二人だったが、やがて何かを感じあい、一緒に暮らすようになる。ニセモノの家族、ニセモノの人生、ニセモノの記憶…、そして、ある事件が発生し、物語は大きく展開する。

 第1話を観て、映像だけで表現しているシーンがけっこうあるな、という印象を持った。ながら見していると、何気ないけど重要なシーンを見損ねてしまいそう。しかし、ひとたび見はじめたら、グイグイ、引き込まれてしまうだろう。『Mother』『Woman』のファンならなおさらに。それは、次屋尚プロデューサーがアピールしていた「物語性」というものによるものなのかもしれない。広瀬演じるハリカの境遇を、あるいは小林演じるるい子が語った半生を、ネットカフェで寝泊まりしている少女たちの暮らしを、追体験してしまう。物語に慣れていないと、ぱっと見てつまらないと思われる恐れもあるのだが、時に、「ちょっと気軽に見られるドラマではない、じっくり見てもらいたいドラマ」(次屋尚プロデューサー)があっていい。

 もう一つ、引き画の広瀬もいい、ということも事前情報として伝えたい。佇まいというか、空気感というか、「広瀬すずって、こんな芝居もするんだ」という新鮮な驚き。背景とのバランスもいいのだろう。水田監督たちスタッフも坂元ワールドの中で、彼女の新しい魅力を開拓しようと全力なのだ。



関連写真

  • 日本テレビ系連続ドラマ『anone』より。広瀬すず (C)日本テレビ
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  • 日本テレビ系連続ドラマ『anone』より。阿部サダヲ、小林聡美(C)日本テレビ
  • 日本テレビ系連続ドラマ『anone』より。阿部サダヲ(C)日本テレビ

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