お笑い芸人の又吉直樹が脚本をてがけ、NHK総合で放送されるドラマ『許さないという暴力について考えろ』(26日 後10:00)の試写会が18日、東京・渋谷の同局で行われ、出演する森川葵、森岡龍、宮本信子が出席し、見どころなどをアピールした。
又吉が大阪から上京して10年ほど住んでいた街・渋谷を舞台に、「許さない・不寛容」をテーマにした2つの物語を、大規模再開発で変わりゆく渋谷の“いま”を切り取るべく、オールロケで映像化。「渋谷」という街の本質は何かを取材するテレビディレクター中村(森岡)の物語と、服飾デザイン専門学校に通うチエ(森川)と漫画家の姉(柴田聡子)の物語がカットバックで進んでいく。
森岡は「まずタイトルがすごいな、と思って。面白い作品になりそうな予感が漂っていたし、台本のページをめくるたびにクスっと笑えて、これはドラマの台本なのか、コントの台本なのか、やっぱりドラマだよな、と思うような構成で、印象的なエピソードやせりふが並んでいました」と、又吉脚本を絶賛。
森川も「又吉さんがゼロから書いてくれた作品なので、見たことがないストーリーが広がっていて、台本を読むのがすごく楽しくて、又吉さんの新作を読ませてていただいたような感覚でした」という幸福感に満たされたという。その一方で、「許さない・不寛容」というテーマが胸に刺さったとも。
「私が演じたチエは、自分を許すことができない女の子で、私自身も自分に自信が持てなくて、この台本を読んで、自分に自信を持てないことが周りに対して嫌な思いをさせることもあるって気づいたり、自分を許すことって大切で、それによって道が切り開けるような気がしたり、自分に自信をもって自分を許せるようになろうとすごく思いました」。
宮本は「老婆」という役どころで「名前がないところが気に入った」と笑顔で話し、「謎めいていて、渋谷の街全体を見ているような、きっと霞(かすみ)を食べて生きているような人なんだと思って。女優としてどう演じようか、とものすごく刺激を受けました。出来上がった映像も2度見ましたが、渋谷の音、空気、匂いが感じられて、印象に残っています」と話していた。
都合がつかず、会見に出席できなかった又吉はコメントを寄せ、制作統括の北生大介氏が代読した。
■又吉直樹のコメント(全文)
一人で渋谷を歩いて考えているうちに、渋谷で働く人、暮らす人、たまたたま歩いていただけの人、かつて渋谷で遊んでいた人、この街にまつわるあらゆる人たちが主人公になる物語にしたいと思いました。
そして、渋谷の街そのものも主人公になればと思いました。『許さないという暴力について考えろ』というタイトルは、自分に対しても言っているようです。
完成した映像を観ていたら、渋谷を歩きたくなりました。そして、よっぽど気分の良い時にしか、そんな発想にはならないのですが、このドラマの登場人物や渋谷にいる一人ひとりに幸せが訪れますようにと思いました。
なんか、遺書みたいになりましたが、死にません。今日も元気いっぱいです。
又吉が大阪から上京して10年ほど住んでいた街・渋谷を舞台に、「許さない・不寛容」をテーマにした2つの物語を、大規模再開発で変わりゆく渋谷の“いま”を切り取るべく、オールロケで映像化。「渋谷」という街の本質は何かを取材するテレビディレクター中村(森岡)の物語と、服飾デザイン専門学校に通うチエ(森川)と漫画家の姉(柴田聡子)の物語がカットバックで進んでいく。
森岡は「まずタイトルがすごいな、と思って。面白い作品になりそうな予感が漂っていたし、台本のページをめくるたびにクスっと笑えて、これはドラマの台本なのか、コントの台本なのか、やっぱりドラマだよな、と思うような構成で、印象的なエピソードやせりふが並んでいました」と、又吉脚本を絶賛。
森川も「又吉さんがゼロから書いてくれた作品なので、見たことがないストーリーが広がっていて、台本を読むのがすごく楽しくて、又吉さんの新作を読ませてていただいたような感覚でした」という幸福感に満たされたという。その一方で、「許さない・不寛容」というテーマが胸に刺さったとも。
「私が演じたチエは、自分を許すことができない女の子で、私自身も自分に自信が持てなくて、この台本を読んで、自分に自信を持てないことが周りに対して嫌な思いをさせることもあるって気づいたり、自分を許すことって大切で、それによって道が切り開けるような気がしたり、自分に自信をもって自分を許せるようになろうとすごく思いました」。
宮本は「老婆」という役どころで「名前がないところが気に入った」と笑顔で話し、「謎めいていて、渋谷の街全体を見ているような、きっと霞(かすみ)を食べて生きているような人なんだと思って。女優としてどう演じようか、とものすごく刺激を受けました。出来上がった映像も2度見ましたが、渋谷の音、空気、匂いが感じられて、印象に残っています」と話していた。
都合がつかず、会見に出席できなかった又吉はコメントを寄せ、制作統括の北生大介氏が代読した。
■又吉直樹のコメント(全文)
一人で渋谷を歩いて考えているうちに、渋谷で働く人、暮らす人、たまたたま歩いていただけの人、かつて渋谷で遊んでいた人、この街にまつわるあらゆる人たちが主人公になる物語にしたいと思いました。
そして、渋谷の街そのものも主人公になればと思いました。『許さないという暴力について考えろ』というタイトルは、自分に対しても言っているようです。
完成した映像を観ていたら、渋谷を歩きたくなりました。そして、よっぽど気分の良い時にしか、そんな発想にはならないのですが、このドラマの登場人物や渋谷にいる一人ひとりに幸せが訪れますようにと思いました。
なんか、遺書みたいになりましたが、死にません。今日も元気いっぱいです。
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2017/12/18