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大ブレイクの吉岡里帆、“癒し系”の裏にある「満足しない」厳しい視点

 NHK連続テレビ小説『あさが来た』で個性的な風貌のノブちゃんを演じ、ドラマ『カルテット』(TBS系)では強烈な悪女・来杉有朱に扮するなど、演技力を高く評価されている吉岡里帆。そんな彼女がナレーションに初挑戦したのが、映画『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き コトラ家族と世界のいいコたち』(10月21日公開)だ。ブレイクといっても過言ではない活躍をみせる吉岡だが、自己評価は常に厳しい。そこには彼女なりの強い思いがあるという――。

◆自分を評価した瞬間、どこか後退してしまうような気がする

 学生のころから芝居を勉強し、女優を目指していたという吉岡。2013年に本格的に商業作品に出演しはじめると、福田雄一監督作品『明烏』では、ぶっ飛んだヒロインを演じるなど、キャリアを積んでいった。

 そんな彼女の認知度が大きく上がったのが、2015年のNHK連続テレビ小説『あさが来た』で演じたメガネの女の子・ノブちゃん(田村宜)だ。個性的な風貌と印象に残る演技は注目され、その後は前述の通り出演作が続いた。いまやテレビやCM、雑誌とメディアに登場しない日はないというぐらいの活躍をみせているが「世間のお客さまに評価される立場としては、絶対に自分で自分に満足してはいけない」と厳しく自身を顧みる。

 そこには「自分で自分を評価してしまった瞬間、どこか後退してしまうような気がする」という彼女なりの考えが大きく影響している。さらに「私がやっている女優というお仕事には正解はないんです。だからこそ、どこまでも突き詰めていけるし、どこまでも欲を持つことができる。自分には厳しくいたいんです」と強い視線で語る。

◆折れても立ち上がることを繰り返す、それが私の女優人生

 こうした思いで走る続けることにはパワーもいるし、強い精神力も必要だ。ゴールを設けないことへの恐怖もあるだろう。「もちろん挑戦し続けることは怖いです」と素直な胸のうちを明かすが、「でも、やること全部うまくいくと思っていませんし、失敗することも含めて人生のなかでは意味があると思うんです。折れても立ち上がればいいし、それを繰り返していけば、女優として幅を広げることができる。それが私の女優人生だと思っています」とポジティブだ。

 なぜ、ここまでストイックになれるのだろうか。そこには強い信念があるという。「人の思い込む力を信じているんです。もしかしたら私は何もできない普通の一人の女性かもしれません。でも自分は必ず成し遂げるんだって思い込んだり、必ずやり遂げると言い聞かせたりすることによって、奇跡的なことが起こると思っています。人間の底力を自分のなかに見出したいんです」。

◆良い意見も悪い意見も、同じぐらい価値がある

 パブリックイメージについても「エキセントリックな役をやらせていただくことが多いので、アクが強いと思われたり、自分を追い込むために『まだまだいけます』とか『大丈夫です』という発言したりすることが多いので、負けん気が強いと思われているかもしれませんね」と苦笑いを浮かべた吉岡。続けて「もちろん自信がないことも多いし、できるかなと不安になることもあります。でもプラスな発言をすればチャンスも巡ってくるのかなと思っています」と強い眼差しで語る。

 一方、CMでのイメージや温かい語り口から“癒し系”と言われることもあるが、「そう思っていただけるのはうれしいですが、いろいろな人がいて、いろいろな意見があるので、そのすべてが正解なのだと思います。私はどんな意見でも全部受け入れていきたいです。もちろん良く思っていただけることはうれしいですが、悪い意見も同じぐらい価値があると思っています」とブレない。

 今回の映画では、「岩合さんが撮られた野生のネコたちの姿って、どうしようもないぐらい愛くるしくて、一生懸命毎日を過ごしているのがわかるんです」と、作品の魅力を語った吉岡。この仕事で臨んだテーマは、「大好きなネコちゃんの気持にどこまで近づけられるか」だという。決して満足しない彼女は、初ナレーションという挑戦を経て、また新たな課題に向き合い、女優として成長していく。
(文:磯部正和)



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