NHKで放送中の連続テレビ小説『ひよっこ』(月〜土 前8:00 総合ほか)。1964年、東京オリンピックが開催された年からはじまった物語は、年が明けて65年に。架空の村・茨城県奥茨城村に生まれ育ったヒロイン・谷田部みね子(有村架純)は、高校を卒業して集団就職で上京し、墨田区の向島電機という会社のトランジスタラジオ工場で働きはじめる。当時、トランジスタラジオを製造販売していた会社を取材し、ほぼ忠実に再現した工場セットにも注目だ。
向島電機で作っているのは、トランジスタラジオの基板。みね子が3.5秒で部品を指す流れ作業に最初は苦戦していたが…。
セットのベルトコンベアは大道具が作ったものだが、そのほかの主だった機器は、60年代当時に使われていた本物。秋田県にある、つい最近までトランジスタラジオを実際に製造していた工場から、倉庫に眠っていたものを借りた。パーツ部品も電気街などで売っている本物。セットの中にある部品、機械を使って実際にラジオが作れてしまうという。
そこまで徹底してこだわるのも連続テレビ小説ならでは。というより“使命”、いや“宿命”と言えそうだ。セットを案内してくれた美術スタッフの犬飼伸治さんは「1964年当時、高校3年生だったヒロイン・みね子は、いま70歳。同年代の視聴者もたくさんいらっしゃる。懐かしく感じていただければ」と、思いを語っている。
実際にトランジスタラジオ工場で働いていた視聴者が観ても、当時の思い出が汚されないように。当時を知る人がその景色を見るだけで懐かしがれるように。当時を知らない人が見ても、時代の空気感が伝わって心地良いように。幅広い世代が観ている番組だけに、セット作りにも細心の配慮が必要だ。
スタジオには、工場に隣接して、中庭、食堂、みね子たちが暮らす乙女寮を作り、物語の世界観を表現。犬飼さんは「中庭にはパーゴラとベンチ、乙女寮の外壁は同潤会アパートを参考にするなど、当時を再現しつつも、少しおしゃれに見えるように心がけています」。
第1〜4週の奥茨城村パートでは、農村の風景の中に、自主聖火リレーの時の黄色のはちまきや赤いボンネットバス、正月の晴れ着などで彩りを加えていたが、第5週からの向島パートでは、当時流行っていた「ブルーグレー」などの“青”が多用されている。谷田部家は白熱電球の温かみのある明かりだったが、工場は蛍光灯が使われていて、どこか冷たさも感じさせる。ちなみに、ドラマの中盤からみね子が暮らすことになる東京・赤坂パートでは“赤”がメインカラーに。セットや小道具に表れる色彩も雄弁に物語を伝えてくれる。そんなところも少し気にしながら、みね子の成長を見守っていこう。
向島電機で作っているのは、トランジスタラジオの基板。みね子が3.5秒で部品を指す流れ作業に最初は苦戦していたが…。
セットのベルトコンベアは大道具が作ったものだが、そのほかの主だった機器は、60年代当時に使われていた本物。秋田県にある、つい最近までトランジスタラジオを実際に製造していた工場から、倉庫に眠っていたものを借りた。パーツ部品も電気街などで売っている本物。セットの中にある部品、機械を使って実際にラジオが作れてしまうという。
そこまで徹底してこだわるのも連続テレビ小説ならでは。というより“使命”、いや“宿命”と言えそうだ。セットを案内してくれた美術スタッフの犬飼伸治さんは「1964年当時、高校3年生だったヒロイン・みね子は、いま70歳。同年代の視聴者もたくさんいらっしゃる。懐かしく感じていただければ」と、思いを語っている。
実際にトランジスタラジオ工場で働いていた視聴者が観ても、当時の思い出が汚されないように。当時を知る人がその景色を見るだけで懐かしがれるように。当時を知らない人が見ても、時代の空気感が伝わって心地良いように。幅広い世代が観ている番組だけに、セット作りにも細心の配慮が必要だ。
スタジオには、工場に隣接して、中庭、食堂、みね子たちが暮らす乙女寮を作り、物語の世界観を表現。犬飼さんは「中庭にはパーゴラとベンチ、乙女寮の外壁は同潤会アパートを参考にするなど、当時を再現しつつも、少しおしゃれに見えるように心がけています」。
第1〜4週の奥茨城村パートでは、農村の風景の中に、自主聖火リレーの時の黄色のはちまきや赤いボンネットバス、正月の晴れ着などで彩りを加えていたが、第5週からの向島パートでは、当時流行っていた「ブルーグレー」などの“青”が多用されている。谷田部家は白熱電球の温かみのある明かりだったが、工場は蛍光灯が使われていて、どこか冷たさも感じさせる。ちなみに、ドラマの中盤からみね子が暮らすことになる東京・赤坂パートでは“赤”がメインカラーに。セットや小道具に表れる色彩も雄弁に物語を伝えてくれる。そんなところも少し気にしながら、みね子の成長を見守っていこう。
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2017/05/09