資産運用を検討するにあたって、金融商品の基本的な仕組みをきちんと理解していることが重要である。そこで今回は、“預金以上に取り扱っている金融機関が多い商品”と言っても過言ではない「投資信託」についてまとめていきたい。
▼投資信託の歴史
そもそも投資信託は、証券会社だけが販売していたものだが、1998年12月に銀行窓販が解禁されて以降、現在では銀行(ゆうちょ銀行やネット銀行などを含む)や信託銀行、信用金庫、信用組合、JA、保険会社など、幅広い金融機関等で販売されている。
また、金融商品仲介業者として証券会社等に登録している税理士やFP(ファイナンシャルプランナー)も、収益源の一つとして投信販売を行っているため、投資信託の販売に関わる人は、ここ20年近くで飛躍的に増加したと言っていいだろう。
さらに、法律が施行されてから15年が経過している確定拠出年金(DC)制度においても、運用商品のラインナップに投資信託が用意されているケースが一般的だ。いまや多くの人にとって、金融商品と言えば、個別の債券や個別の株式よりも、投資信託の方が身近な存在になってきていると言える。
▼投資信託の3つの特長
投資信託とは、「複数の投資家から集められた資金を、専門家が管理・運用し、分散投資によって得られた収益を投資家に分配還元する金融商品」である。特長を分解して、ひとつずつ解説していこう。
(1)少額から投資できる
1人の投資家が出す金額は通常1万円程度からと、少額だったとしても、多くの投資家からお金を集めることで大きな金額にして、さまざまなものに投資できるような仕組みになっている。
(2)専門家による管理・運用が行われる
投資信託の運用会社である投資信託委託会社の運用担当者(ファンドマネージャー)が運用し、お金の管理は専門の信託銀行等が行う。投資信託のお金は、信託銀行等で分別管理されており、万が一、信託銀行等が破綻したとしても直接的な影響は受けない。
(3)分散投資が行われる
投資信託の運用は集中投資ではなく分散投資が基本であるため、投資信託の中に組み入れられている債券や株式の発行体(国や企業など)が破綻したとしても、幅広く分散投資が行われている分だけ、全体に与える影響は小さいといえる。
▼コスト負担を比較検討することが重要
投資信託は、商品によって値動きの大きさがかなり違ってくるので注意が必要。過去20年程度の値動きの最大幅を見てみると、国内債券で年間5%程度、外国債券で年間10〜20%程度、国内株式と外国株式が年間40〜50%程度となっている。つまり、株式で運用している投資信託は、それだけ値動きは大きくなるし、国内債券で運用している投資信託は、それほどの値動きはしないことが想像できる。
そのため、投資信託を選ぶ際には、コスト負担を比較検討することが重要である。投資信託は、「販売手数料」「運用管理費用(信託報酬)」「信託財産留保額」という3種類のコスト負担が発生するのが一般的。販売手数料や信託財産留保額が発生しないファンドもあるが、運用管理費用(信託報酬)は必ず発生するため、同じような運用が行われている場合は、安いものを選ぶべきだろう。日割り計算されて毎日差し引かれるコストなので、しっかりと比較することが大切だ。
当然ながら、1つの金融機関の取り扱いファンドのみで検討するのではなく、ほかの金融機関なども比較しながら、コスト負担の割安なファンドを見つけるようにしたい。
<記事/菱田雅生(マイアドバイザー登録FP)>
早稲田大学法学部卒業後、大手証券会社を経て独立系FPに。資産運用や住宅ローンなどを中心テーマに、相談業務や原稿執筆、セミナー講師などに従事している(http://www.la-consul.com)。
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▼投資信託の歴史
そもそも投資信託は、証券会社だけが販売していたものだが、1998年12月に銀行窓販が解禁されて以降、現在では銀行(ゆうちょ銀行やネット銀行などを含む)や信託銀行、信用金庫、信用組合、JA、保険会社など、幅広い金融機関等で販売されている。
また、金融商品仲介業者として証券会社等に登録している税理士やFP(ファイナンシャルプランナー)も、収益源の一つとして投信販売を行っているため、投資信託の販売に関わる人は、ここ20年近くで飛躍的に増加したと言っていいだろう。
さらに、法律が施行されてから15年が経過している確定拠出年金(DC)制度においても、運用商品のラインナップに投資信託が用意されているケースが一般的だ。いまや多くの人にとって、金融商品と言えば、個別の債券や個別の株式よりも、投資信託の方が身近な存在になってきていると言える。
▼投資信託の3つの特長
投資信託とは、「複数の投資家から集められた資金を、専門家が管理・運用し、分散投資によって得られた収益を投資家に分配還元する金融商品」である。特長を分解して、ひとつずつ解説していこう。
(1)少額から投資できる
1人の投資家が出す金額は通常1万円程度からと、少額だったとしても、多くの投資家からお金を集めることで大きな金額にして、さまざまなものに投資できるような仕組みになっている。
(2)専門家による管理・運用が行われる
投資信託の運用会社である投資信託委託会社の運用担当者(ファンドマネージャー)が運用し、お金の管理は専門の信託銀行等が行う。投資信託のお金は、信託銀行等で分別管理されており、万が一、信託銀行等が破綻したとしても直接的な影響は受けない。
(3)分散投資が行われる
投資信託の運用は集中投資ではなく分散投資が基本であるため、投資信託の中に組み入れられている債券や株式の発行体(国や企業など)が破綻したとしても、幅広く分散投資が行われている分だけ、全体に与える影響は小さいといえる。
▼コスト負担を比較検討することが重要
投資信託は、商品によって値動きの大きさがかなり違ってくるので注意が必要。過去20年程度の値動きの最大幅を見てみると、国内債券で年間5%程度、外国債券で年間10〜20%程度、国内株式と外国株式が年間40〜50%程度となっている。つまり、株式で運用している投資信託は、それだけ値動きは大きくなるし、国内債券で運用している投資信託は、それほどの値動きはしないことが想像できる。
そのため、投資信託を選ぶ際には、コスト負担を比較検討することが重要である。投資信託は、「販売手数料」「運用管理費用(信託報酬)」「信託財産留保額」という3種類のコスト負担が発生するのが一般的。販売手数料や信託財産留保額が発生しないファンドもあるが、運用管理費用(信託報酬)は必ず発生するため、同じような運用が行われている場合は、安いものを選ぶべきだろう。日割り計算されて毎日差し引かれるコストなので、しっかりと比較することが大切だ。
当然ながら、1つの金融機関の取り扱いファンドのみで検討するのではなく、ほかの金融機関なども比較しながら、コスト負担の割安なファンドを見つけるようにしたい。
<記事/菱田雅生(マイアドバイザー登録FP)>
早稲田大学法学部卒業後、大手証券会社を経て独立系FPに。資産運用や住宅ローンなどを中心テーマに、相談業務や原稿執筆、セミナー講師などに従事している(http://www.la-consul.com)。
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2017/02/17