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コミカルな演技に定評の阿部寛「期待されるのはうれしい」 “においを嗅ぐ人”熱演

 この秋のドラマで最も輝いているのが「失敗しない」女医なら、最も異彩を放っているのは「間違えない」華岡信一郎ではないだろうか。華岡とは、NHK総合で放送中のドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』(毎週土曜 後10:00)に登場する、においで犯人を追い詰める“コンサルタント”。演じるのは俳優・阿部寛(52)だ。

俳優の阿部寛 (C)ORICON NewS inc.

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 阿部といえば…、映画『テルマエ・ロマエ』(2012年)で古代ローマ人を演じ、第36回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、昨年のドラマ『下町ロケット』(TBS/15年)では“世界に見せたい日本のドラマ”を選出・表彰する『東京ドラマアウォード2016』主演男優賞を受賞するなど、数々のヒット作に出演。エヴェレストに登ったかと思えば、日本最大級のスキー場で生物兵器と戦う頼りない中年男を演じる映画『疾風ロンド』の公開(11月26日)も控える。

 コミカルな演技には定評があり、類を見ない抜群の存在感でさまざまなキャラクターを演じてきた。そんな阿部が『スニッファー』で挑むのは、超人的な嗅覚の持ち主。ひと嗅ぎすれば、年齢・性別から、何を食べ、どのような生活をしているかがわかってしまう。その能力を生かし、“におい”という証拠を嗅ぎ当てて、犯罪や事件の謎を解き明かしていく。

 阿部「においを嗅ぐだけですべてがわかってしまうインパクトあるキャラクターを、この自分の姿形を使ってどう表現できるか。52歳になってこういう役と出会えることに喜びを感じますし、コミカルな演技を期待されるのもうれしく思います」。

 このドラマには原作があり、2013年にウクライナで制作され、ロシアをはじめ世界的に大ヒットしているドラマ『THE SNIFFER』がそれ。60ヶ国以上が放映権を取得しており、世界に先駆け、日本でリメイクされた。ウクライナ版の主人公を演じた俳優キリル・カロと阿部の顔や背格好が似ていることも話題だ。

 阿部「オリジナルのウクライナ版が持っている雰囲気を生かさない手はないな、と思いました。自分が主人公を演じれば、自ずとオリジナル版とは違うものになるだろう。だからこそオリジナル版をリスペクトして、お手本として意識することで、いままでとはまた違った自分の演技を引き出せるんじゃないかと、期待するところはありました。オリジナルのクールさを生かしつつ、日本の視聴者へのわかりやすさも考えながら、両方を欲張って役作りをしていきました」。

 わかりやすさの工夫という点では、事件現場でにおいを嗅ぐ時に、注射器のような道具をグリグリと鼻の穴に差し込んで鼻栓を外す仕草もその一つ。華岡は、匂いに敏感すぎるため、普段は鼻栓をして暮らしている。その「鼻栓外し」の時の指で銃を撃つようなポーズは、名探偵コナンのメガネがキラリと光る時のように、事件の真相に近づく何かがわかる合図。「俺の鼻は間違えない」という決めぜりふもある。

 阿部「オリジナルでは、嗅いでいるのかいないのかわからないくらい、さりげないんだけど、華岡はにおいを嗅がれた相手が嫌な感情をいだくほど、露骨にしたほうがわかりやすいかな? やりすぎかな?と、現場で試行錯誤しました。僕は体も大きいし、顔も濃いから、ただ立っているだけだと、冷たい、恐い男に見えてしまう。何とかして、人間味を出していかないと、視聴者に受け入れてもらえないんじゃないかと考えました。第1話の上がりを観るまで、ビクビクしながらやっていました(笑)」。

 華岡の“人間味”という点では、阿部自身の演技はもちろん、耳鼻咽喉科の女医・末永由紀(井川遥)や元妻の片山恵美(板谷由夏)、高校生の娘・美里(水谷果穂)ら、女性たちとのやりとりによっても醸し出され、特に相棒の刑事・小向達郎(香川照之)との掛け合いから滲み出るように伝わってくる。

 阿部「香川さんと初めてガッツリ芝居で組むことができてうれしかったです。現場で香川さんを見ていると、頭の回転の速さを感じますね。台本には細かく書かれてないシーンの空白部分を埋めるような芝居の提案を香川さんは瞬時にしていく。監督たちの狙いもしっかり察知しているから的確で、映像になったときにすごく効果的で。香川さんがこの作品に情熱を注いでくれていることがすごくありがたく思いました。同年代だけど、僕にはできないことをやって見せてくれるから、すごく勉強になったし、いい時間を過ごさせてもらいました」。

関連写真

  • 俳優の阿部寛 (C)ORICON NewS inc.
  • 第4話(11月12日放送)より(C)NHK
  • 華岡信一郎の良き相棒となる小向達郎を演じる香川照之(C)NHK

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