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初音ミク&ダンサーが初の「バレエ」共演 冨田勲さん遺作完成に感無量

 今年5月に亡くなった作曲家でシンセサイザー奏者・冨田勲さん(享年84)の追悼公演『ドクター・コッペリウス』の制作発表会見が26日、都内で行われた。オーケストラとバーチャルシンガー・初音ミクがバレエでコラボする同作は、冨田さんが亡くなる1時間前まで創作に取り組んでいた、まさに「遺作」。会見では長男の冨田勝氏、公演で指揮を務める渡邊一正氏、バレエの振り付けを担当する辻本知彦氏らが、冨田さんから託された“夢”が実現した喜びと、初演への意気込みを語った。

冨田勲さん追悼公演『ドクター・コッペリウス』制作発表会見の模様 photo by Junichi Takekawa

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 「初音ミクにバレエを踊らせたい」という冨田さんの最後の構想は、実像のダンサーと3DCGの初音ミクが立体映像(ホログラフィー)装置を介して舞台共演するという前代未聞の試みとして結実。勝氏は「これは父が必ずやり遂げたいと並々ならぬ意欲を持って取り組んだ企画でした」と作品完成を喜び、「父の想いをひとりでも多くの方に聴いてもらいたい」と呼びかけた。

 振り付けの辻本氏は日本人初の「シルク・ドゥ・ソレイユ」ダンサーとしても活躍。「自分の人生の中で最大のヒット作! 必ず泣けます」と同作への自信をみなぎらせる。一方、初演のタクトを振る渡邊氏は、小学生の頃に(冨田さんのアルバム)『惑星』をレコードが擦り切れるほど聴いた思い出を話し「あの世から怒られないように、スコア(楽譜)をしっかりと読み込んで取り組みたい」と意気込みを語った。

 この日は、バレエのコスチュームに身を包んだ初音ミクのビジュアルも初公開。また、1970〜80年代に冨田さんがオープンリール・テープに残していた秘蔵音源が新たに見つかり、追悼公演に使われることも発表された。

 公演は11月11・12日東京・Bunkamuraオーチャードホールで開催。当日は『ドクター・コッペリウス』初演のほか、初音ミクを初めて自身の作品に起用した『イーハトーヴ交響曲』(2012年)の演奏、世界的ダブ・アーティストのエイドリアン・シャーウッドによる『惑星』のダブミックス・パフォーマンスも予定されている。

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  • 冨田勲さん追悼公演『ドクター・コッペリウス』制作発表会見の模様 photo by Junichi Takekawa
  • 初音ミクのバレエ・コスチューム(C) Crypton Future Media, INC. www.piapro.net .

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