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ゲーム音楽で世界26か国をツアー、サウンドプロデューサー山岡晃が新境地のニューアルバム

 世界で840万本のセールスを記録したホラーゲーム『サイレントヒル』や同名映画の音楽を手掛けるなど、数多くの映画、アニメ、テレビドラマの劇判からアーティストプロデュース、自身の海外公演など幅広く活動を続けるサウンドプロデューサー山岡晃がこのほど、女性ボーカルをフィーチャーしたオリジナルアルバム『遺言桜』を制作、12日に発売する。

海外26ヶ国で精力的にライブ活動を続ける山岡晃

海外26ヶ国で精力的にライブ活動を続ける山岡晃

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 大手ゲームメーカーの退社を決意したのは40歳を過ぎた頃だった。特に海外で爆発的なヒットとなったホラーゲーム『サイレントヒル』(シリーズ第1作は1999年)の制作に初期から携わり、ハリウッドで映画化もされるなどやり尽くした感があったからだ。「会社でのポストが上がるたびに、先が見えた気がした」と山岡。元々は好きじゃなかったというゲーム音楽も、ストーリー性を持ったゲームへの取り組みを機に、作品性含め自らゲーム音楽の概念も変えた手ごたえもあった。

 目を向けたのは海外。自らの音楽がどこまで受け入れられるのか試したかったから。『サイレントヒル』の大ヒットで、その曲を演奏すればウケることは分かっていたが、海外へ活動の幅を広げていく過程で、その反響の大きさには世界各地で常に驚かされたという。

 2012年頃から現在まで、訪れたのは26ヶ国、約70ステージ余りをこなした。欧米はもちろん、メキシコシティやブエノスアイレスなど中南米、ドバイやサウジアラビアなど中東、「行ってないのはアフリカくらい」(山岡)。メキシコでライブに来た女性の腕にサインをしたら、翌日、それをタトゥーにして見せに来た。コロムビアでは国家イベントだったこともあり、大統領の面前で演奏した。UKツアーでは計2万人を動員した。思い出されるエピソードは事欠かない。海外で、『サイレントヒル』と山岡は切っても切れない関係になっていた。

 「『サイレントヒル』のイメージが付き過ぎてしまったので、そこから離れたところで挑戦したいというがありました」(山岡)。今回発売する『遺言桜』は、ある女性シンガーとの出会いがきっかけだった。語りの曲含め全11曲を通して聴くと、紹介文にも記されたとおり、まさに「普遍的な心の闇を音と言葉だけで映しだすストーリーミュージック」だ。

 「ドリアンとかパクチーだと持ってもらえばいいかもしれません(笑)。聴いてもらった人の半分は『聴いててつらい』『こわい』『とても聴き続けられない』という反応でした。よし、いいぞっていう感触でしたね」(山岡)。

 リアルな日本人の感覚を表現したいという。日本語の楽曲が中東などでも好感された経験が心に残っている。「日本語だからいい」のだと。

 「ゲームの『サイレントヒル』って、最初の発想のイメージは“静岡のさびれた旅館、そこにつながるなだらかな丘”だったんですよね」と笑った。確かにこのアルバムは、日本人であればこそ怖い、心の底をえぐられるような感覚の機微を突いている。11月にはフランス3都市(パリ、リヨン、トゥールーズ)のツアーに出る予定だ。

※アルバム『遺言桜』のアーティスト名義は「艶も酣-Enn Mo Takenawa-」(10月12日発売)

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  • 新アルバム『遺言桜』のジャケット写真

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