ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

テレ東独自路線を最も反映? 20周年の『午後ロー』、熱狂的ファンが多いワケ

 この春でちょうど20周年を迎えたテレビ東京の「午後のロードショー」。主に海外の映画を流す“だけ”の番組ながら、毎日録画して観る熱狂的なファンも多く、そのセレクトの“ユルさ”からテレ東独自路線の代表格として、関東ローカルながら全国的にその名を馳せる人気枠となっている。4月4日の放送からは開始時間が13:50分に繰り下げられ、放送時間は5分延長、番組史上最長の125分に。この“ユル〜い”映画番組枠が多くの視聴者に長く愛されている理由はどこにあるのだろうか?

20周年を迎えた「午後のロードショー」。ブレないテレ東独自路線が反映されている

20周年を迎えた「午後のロードショー」。ブレないテレ東独自路線が反映されている

写真ページを見る

■人気の理由は最新作・大作に頼らないマニアックなセレクト

 『午後のロードショー』(以下、午後ロー)が放送をスタートしたのは1996年のこと。多少、開始時間の前後はあるが、だいたい13時台から始まって120分間放映される。当初は月〜金曜日の放送だったが、1998年から月〜木曜日になり、昨年4月からまた月〜金曜日になった(金曜日の正式タイトルは『金曜シアター』)。言ってみれば、民放の連続ドラマや2時間枠スペシャルドラマの再放送の“映画版”といった感もあるが、「午後ロー」の特徴はそのセレクションだ。なぜか『沈黙の○○』シリーズでおなじみのスティーブン・セガールやジャン=クロード・ヴァン・ダム率が高いのだが、「特集枠」では他の大スターも多く登場。過去にはトム・クルーズ、ハリソン・フォード、ブルース・ウィリス等の特集(1年に2回のイーストウッド特集も定番化)、または「リーサル・ウェポンシリーズ」といったシリーズごとの連続放映もあった。

「基本的に、あまり考えないで楽しめるアクションものが多い。最新作が放映されることはほとんどありませんし、それほどの予算をかける気もテレビ東京さんにはないんじゃないでしょうか(笑)。ただ、今40代に差しかかっている視聴者にとっては、青春時代に映画館で夢中になったような作品が多いので、つい懐かしくて観てしまうんですね。録画するファンも多いと聞きます」(テレビ局スタッフ)

■思わず脱力するB級・C級映画も 全くぶれないユルさ加減

 さらに「午後ロー」では、とんでもないB級・C級映画が何気なく放映されている。昨年の「7月の木曜日は“サメ”???」特集は、パニック映画の原点でもある“ジョーズ”系映画の特集だったが、案の定、本家本元のスピルバーグ監督の『JAWS』ではなく、『ダブルヘッド・ジョーズ』『メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス 巨大生物頂上決戦!』といった、タイトルだけで思わず“脱力”してしまうような、いわば“裏・サメ映画”特集。ネットなどを中心に大きな話題を呼んだのである(ちなみに今年3月の金曜は“ワニ”特集)。

「こうしたB級(C級?)映画は、他局ではせいぜい『タモリ倶楽部』(テレビ朝日)の“ゲテモノ映画特集”でちょっと紹介されるぐらいで、大真面目に全編を放映するなんてことは普通はないです(笑)。ただ、この“ユルさ”こそがテレビ東京さんの持ち味が一番活かされているところです。しかもまったくブレない。確かにこうしたB級映画にもコアなファンはついてますし、“バカ負け”してつい見てしまうことだってある。言ってみれば、テレビ東京さんの立派な“戦略”だと思いますね」(前出・スタッフ)

 かつては、“地上波初登場!”などと銘打って、ゴールデンタイムに大作映画を放映する番組が多かったが、現在では『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)、『日曜エンタ・日曜洋画劇場』(テレビ朝日系)ぐらい。しかも毎週映画が放映されるわけでもなく、時にはバラエティ番組に差し替わったりもする。 そんな中、平日の午後の昼下がりに、往年のアクション映画やレアなB級映画、あるいは「何でこんな名作が!?」と目を疑うことさえある映画をサラッと放映する『午後のロードショー』。お茶の間の“ユルい”層の味方でもあり、ディープな映画ファンの熱烈な支持もある。「午後ロー」はこれからも独自路線をひた走っていきそうだ。

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索