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中井貴一、任侠ヤクザを熱演「うそを楽しんでほしい」

 俳優の中井貴一ユースケ・サンタマリア、音楽ユニット・電気グルーヴとして活動し、最近は俳優業も好調なピエール瀧。WOWOWのオリジナルドラマ『連続ドラマW きんぴか』(毎週土曜 後10:00)で共演した3人がそろって取材に応じた。

WOWOWのオリジナルドラマ『きんぴか』に出演する中井貴一(中央)、ユースケ・サンタマリア(右)、ピエール瀧(左) (C)ORICON NewS inc.

WOWOWのオリジナルドラマ『きんぴか』に出演する中井貴一(中央)、ユースケ・サンタマリア(右)、ピエール瀧(左) (C)ORICON NewS inc.

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 同ドラマは、映画化、ドラマ化されることの多い作家の一人、浅田次郎氏が約20年前に発表した「きんぴか」シリーズが原作。金よりも、出世よりも、“筋”を通して生きようとしたゆえに、組織に裏切られてしまった3人の男が期せずして出会い、彼らなりの方法で“筋”を通そうと行動する。

 昔かたぎで不器用なヤクザ・阪口健太に中井、政治家が犯した収賄の罪をかぶった元政治家秘書・広橋秀彦にユースケ、安保法案に反旗を翻し単身クーデターを起こした元自衛官・大河原勲に瀧が配役された。

 中井は4時間かかる刺青を背中に描いて、昭和任侠を絵に描いたようなヤクザを熱演。最近のドラマではほとんど見られなくなった濡れ場にも挑んでいる。

 「ヤクザを描くこと自体、敬遠される時代に、敢えてヤクザをやるなんて。『きんぴか』をやるってことはそういうこと。だからこそ挑戦したかった、という思いがありましたね。僕たちは虚構の世界を演じる仕事をしているんだから。もっと、うそを楽しんでほしい。うそを楽しむのがドラマや映画なんだっていうことを、改めて言いたいですね」と熱っぽく語った。

 任侠の道に生きるヤクザをヒーローとして描いた作品で高倉健さんや菅原文太さんが人気を博したのもいまは昔。「ヤクザが出てくる作品を撮ろうとすると、いろんな制約にぶつかるんです。撮影できません、貸せません、というのも多くて、遠くまで行って撮影しなければならなかったり、面倒なことが増えたり。だから、どんどんやらなくなっていく。ヤクザに限ったことじゃない。クレームを恐れていたら、エンターテインメントが題材にできることも少なくなっていく」と、今作の題材に挑戦した制作スタッフ陣の心意気を代弁した。

 浅田氏の作品への出演が4作品目となる中井は「浅田さんの原作の完成度が高いので、映像化することによって、クオリティーを下げない様にいつも心掛けていますが、うまくできたかどうかは、『面白かった』と視聴者の皆さんに言ってもらえるかどうか、ですね」。

 ユースケは、本作の撮影中に浅田氏と会った際、威勢よく「初めまして!」とあいさつしてしまったという。実際は映画『日輪の遺産』に続いて2作品目で、そのことを浅田氏から指摘された。「忘れていた(笑)」と開き直るユースケに、中井と瀧は「ホント、いい加減だよね」と大笑いだった。

 「腕っ節は弱いけど、頭は切れるみたいな役、多いんですよ。メガネをかけた役も」とユースケ。「でも、視聴者の方が見て『またか』、という感じにはなっていないと思うんです。それは中井さんが演じたヤクザとか、瀧さんが演じた自衛官が、最近のドラマにはいないキャラクターだったから、というのもある。僕はあまりひねりを入れず、そのままの得意技でやらせてもらいました。小説は面白いんだけど、台本になったらちょっと…という作品も多い中で、今回は浅田さんの作品で経験豊富な中井さんがリーダシップを取って、すごくやりやすい現場の雰囲気を作れたので、すごくよかった。と、瀧さんが言ってました」。

 瀧は、ユースケとは昔からの知り合いということもあり、いい加減な“振り”にも慣れているようで、軽くいなして、今回、浅田作品に初参加した思いを語った。

 「3人が3人ともそれぞれの組織に裏切られ、つまはじきにされてしまった。最初はヤクザ、政治、自衛隊の各世界が別々にパラレルに描かれているんだけど、その3つがだんだん密接にからみ合って、やがて3人対世の中みたいな構図になっていく感じが、すごく面白いと思いましたね。最後はこの3人と別れるのがさみしいって感じになると思います。浅田先生は陸上自衛隊にいたというし、ヤクザも政治家秘書もひと通り見てきた上で『きんぴか』を書かれたと聞いて、リアルな一面もひっくるめて、うまくエンターテインメントに昇華できているんじゃないかな、と思いました」。

 瀧の発言を受けて、ユースケは反射的に「ある意味、このドラマはノンフィクションなんですよ」と口走ってしまい、中井が「だからフィクションだって。うそを楽しんでって言ってるでしょ」と呆れ半分にたしなめるやりとりも。「僕の言うことは話半分で」というユースケに、「ユースケだけ何もしゃべっていないみたいになるよ」と気遣う瀧。ユースケは「よくあるの。あれだけたくさんしゃべったのに、全然記事になってないなってことが」と承知の上で、中井に「記者さんの手も止まっていたしね」ととどめを刺されていた。

 第1話無料リピート放送あり(2月19日 前10:00/2月20日 正午)、第2話以降加入者のみ視聴可能。全5話。

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  • WOWOWのオリジナルドラマ『きんぴか』に出演する中井貴一(中央)、ユースケ・サンタマリア(右)、ピエール瀧(左) (C)ORICON NewS inc.
  • 浅田次郎氏の小説を映像化。ヤクザ、政治家秘書、自衛官…信じたはずの組織に見捨てられた3人の悪漢たちを描く(C)WOWOW
  • WOWOWで毎週土曜、午後10時放送。リピート放送あり (C)WOWOW
  • WOWOWのオリジナルドラマ『きんぴか』毎週土曜、午後10時放送。リピート放送あり (C)WOWOW

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