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武井咲、デビュー10周年を振り返る「まだ女優に向いているかわからない」

 ドラマや映画では常にメインキャストを演じるなど、エンタテインメントシーンのトップを走る若手女優・武井咲が今年、デビュー10周年を迎えた。スターとして活躍するいまの華やかな場所に至るまでには、さまざまな苦悩も経てきていることだろう。これまでの軌跡を振り返りながら、いまの仕事観と10周年への素直な想いを語ってもらった。

「私自身はデビュー当時と変わっていない」と語る武井咲(写真:鈴木一なり)

「私自身はデビュー当時と変わっていない」と語る武井咲(写真:鈴木一なり)

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◆デビュー時は一番年下で大人の世界の礼儀もわからなかった

――今年はデビュー10周年ですね。10年前、いまの自分を想像していましたか?
【武井】 その当時はモデルになりたかったので、まさか自分が女優になっているとは思いもしませんでした。でもまだ、向いているかどうかはわからない。ただ、いまはお仕事が楽しいです。やりたいと思えるから、やらせていただいている感じです。昔は知らないことが多かったから、素直に楽しめることが少なかったのかもしれないです。一番年下で、大人の世界の礼儀もわからなかったから、すべてに必死でした。いまでも私自身はそれほど当時と変わっていないので、後輩が出来ているという感覚もないんですけど。

――10年の間で、一番の成長は何でしたか?
【武井】 作品に参加すればするほど、自分自身が変わります。新しい監督や役柄に出会うことによって、自分の感覚も変わっていく。長い期間の撮影に入っていると「自分ってどういう人間だっけ?」と思うこともあって……。とくにどの作品と出会って、というわけではないですが、少しずつ余裕が生まれて、自分が変わってきていると思います。

――先日、東京ディズニー・シーのイベントでミッキーマウスとも共演していましたが、“夢を与える”という視点で自分の仕事を捉えたことはありますか?
【武井】 私が出演している作品を観て感動してくださる方がいますので、そういうことは感じます。声をかけてくださったり、ファンレターが届いたりするとうれしく思いますし、伝えようとしていることが届いていることを実感します。もともとメッセージを届けるために作品を作っているので、自分も人の心を動かすようなものを届けたいと思ってやっています。

――10周年を迎えた武井さんのいまの“願い”は何でしょうか?
【武井】 家族、友人、仕事関係の方みんなが健康でいることです。それがなによりですよね。健康でいなくてはいけないと思い、両親には人間ドッグを受けてもらっていますが、自分は行けていないという今日この頃です(笑)。20歳から受診できるドッグもあるので、いまのうちからちゃんと健康に気をつけて、長生きしたいなあと思っています。私の場合、健康でいられますようにと“願い”として決めていると、ふだんの食事に気をつけたり、早寝早起きが出来るようになったりもしているんです。運動しようかなとか、いろいろなことにつながっていくので、健康でいたいということは、ひとつの大きな“願い”です。

――お仕事の面では?
【武井】 楽しい現場が続くといいなあと思います。もちろん、大変なことはありますが、いかにそれを楽しむかということですよね。ドラマの撮影の場合、毎日同じスタジオに行って、朝から晩まで天候の様子もわからずに時間が過ぎていきますが、ちゃんと四季折々を感じたいと思います。だから、ロケのときも楽屋に戻らないで太陽の下にいようとか、シンプルにそういうことですね。仕事が充実して、プライベートも充実していけばいいなと思います。

◆女優としての自分のブランドができれば

――心持ち次第ですよね。
【武井】 そうなんです。現場に普通にいても充実はすると思いますが、積極的にコミュニケーションを取ってみんなでご飯を食べに行くとか、そういうことができればよりいいと思います。昔はいっぱいいっぱいで、休み時間にもセリフの確認をしたかったし、人と話すことも怖かったから、ひとりでいたいという意識が強かったんです。それが徐々に変わっていきましたね。少しずつ余裕が生まれていって、昔に比べたら最近はいろいろなことを楽しめるようになってきました。無我夢中でやってきただけですが、いつの頃からかすごく丁寧にお芝居ができるようになってきました。自分が変化している感じはします。

――放送中のドラマ『フラジャイル』(フジテレビ系)の撮影現場ではいかがですか?
【武井】 そういう気持ちでいます。基本的にすごくいいチームワークのなかで撮影できているので、前室でキャストみんなで集まって話をしていることが多いですし、そういう一体感を自分も感じられる現場っていいなあと思いますね。

――女優としての“願い”は?
【武井】 こういう人になりたいとか、いまいる誰かに近づきたいとかではなくて、ほかにいない人になりたいです。オリジナルの自分らしい自分でいられたらいいなあと思います。自分が思うようにやって、その結果として自分というブランドができていればうれしいです。

――ちなみに芸能界では年始早々から結婚報道が続いていますが、武井さんの結婚観は?
【武井】 先のことを考えても仕方がないと思ってしまうタイプなので、そのときになってみないとわからないですね。だからあんまり理想がなくて。先の人生のことはわからないので、人生設計とかもしないんです。
(文:鴇田 崇)

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