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菅田将暉、寝る暇を惜しんで働きたい 課題は“客”にならない

 2015年は、連ドラ2作品で主演を務め、さらに2本の映画主演のほか、多数のドラマや映画、CMに出演。作品ごとに鮮やかな変貌っぷりで観る者を驚かせた菅田将暉。2016年は、映画だけですでに主演作『セトウツミ』をはじめ4本が待機中。今年最初の公開映画となる『ピンクとグレー』の話とともに、2015年を振り返ってもらった。

「前人未踏の仕事に挑戦したい」「今年はアイデンティティを見つけていく」と語る菅田将暉(写真:片山よしお)

「前人未踏の仕事に挑戦したい」「今年はアイデンティティを見つけていく」と語る菅田将暉(写真:片山よしお)

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◆しつこいくらいのいやらしい印象を狙った

――ある仕掛けによって、前半と後半でがらりと世界観の変わる『ピンクとグレー』。菅田さんは、主人公・白木蓮吾(通称:ごっち)の親友、河田大貴(通称:りばちゃん)を演じましたが、役へのアプローチはどのように?
【菅田】 脚本を読んで、僕の役は正面から飛び出すくらいの勢いで、いろいろやれ! ってことなんだと思いました。今回は後半をベースに、前半の芝居を考えていきました。エンタテインメントのアプローチというか、ちょっとしつこいくらいのいやらしい印象のつけ方を狙って、濃い目にやりました。2回目に観たときに、前半が茶番になるようにしたかったんですよね。

――ごっち役の中島裕翔さんについて「大好きな俳優さん」と公言(!)されていますが、中島さんの魅力とは?
【菅田】 素直なんです。だからこそエンジンのかかり方がすごく動物的で。まだうまく自分をコントロール仕切れていない面があって……しようと思ったらできるんでしょうけど、たぶんあえてそれをせずに、身ひとつで飛び出してくる感じがあって。(撮る)回数を増すごとに、どんどんボルテージが上がっていく裕翔の火のつき方は、熱くていいなあと思っていました。

――テイクを重ねるごとに、テンションが高まっていくタイプ?
【菅田】 そうです。後半の裕翔が僕を殴るシーンは、何回か撮っていくうちに、裕翔のボルテージがガンガン上がって、どんどん廃れた、いい感じになっていきました。受けの芝居も、本当に素直に返してくれて。初主演で受け(の芝居)って、すごく難しいことだと思うんですけど。今回はまさにみんなで裕翔をいじめて、そのリアクションをおもしろがるような映画なので(笑)。

◆“あぁ、楽しかった!”そんな1年でした

――本作をはじめ、たくさんの作品に参加された2015年は、菅田さんにとってどんな1年でしたか?
【菅田】 「(2015年は)寝る間も惜しんで仕事をしよう!」ってマネージャーさんと決めていて。本当にその言葉通り寝る時間もないくらいに仕事をして、それでしっかりと体が疲れて、ぐっすり眠れた年でした。それってすごい充実度で。すっきり寝れるって、大事なことだと思うんです。そういう意味で、ちゃんと疲れることができました。同じことばかりで飽きるという意味では、いろいろなおもちゃがあって“あぁ、楽しかった!”って。そんな年でした(笑)。

――とくに印象に残っている作品を挙げるなら?
【菅田】 やっぱりさだまさしさんの自伝的青春ドラマ『ちゃんぽん食べたか』(NHK総合)と『民王』(テレビ朝日系)ですかね。auのCMもそうですけど。映画は今年公開のものもあるので、2015年だとドラマですね。『ちゃんぽん食べたか』で初めて連ドラの主演をやらせてもらえたこと、『民王』では『仮面ライダーW』(2009年)以来、久々にテレビ朝日さんで(主演を)やらせてもらったことは、ひとつ記念にもなりました。『民王』は本当に楽しい現場だったうえに、いろいろと話題になったり賞をいただいたりして、作品として評価されたことがすごくうれしかったです。

――そのドラマ2作でも、実像に迫る前者と、笑いを追求する後者では、全くジャンルが異なります。いろいろな作品に参加されたことで、新たに生まれた課題はありますか?
【菅田】 たくさんあります。2016年に持ち越しの課題でいえば、お笑い芸人さんもそうですし、福田(雄一)組のムロ(ツヨシ)さんや(佐藤)二朗さんとか、自分の好きな人たちに対して、気を抜くと“客”になってしまうので……そうではなく、同じフィールドに立たなくてはいけないって意識を今後はもっと持たなくてはと思っています。憧れで終わらせずに、自分の好きな気持ちはいったん置いといて、ちゃんと自分の仕事を果たすというのは、今年の目標だなと。

◆今年は公私ともに自分のアイデンティティを見つけていく

――具体的に挑戦したいジャンルや、興味のある監督、演出家はいますか? 変幻自在に新しい役に挑戦されている印象を受けますが、いまお仕事はどのように決めているのですか?
【菅田】 全部任せています。マネージャーさんとの普段のコミュニケーションのなかで、こういう方向性で、ってことを話しているくらいで、あとは信頼して。挑戦したいことはたくさんありますが、だんだん学生の役がなくなってきたので、先生役やスーツを着た役とかをやってみたいですね。あと昨年、NHKのEテレで『オレアレ』という5分間ドラマ(菅田ふんするサラリーマンが毎回異なる生き物に生まれ変わる不条理コメディ)や、(明石家)さんまさんの回想ドラマをやらせてもらったんですけど(日テレ特番『史上最大のさんま早押しトーク』内のドラマ『小岩青春物語〜きみといた街角〜』)、ああいういままで誰もやっていないパイオニアのような仕事には、チャレンジしていきたいです。

――たくさんの出会いを通じて、いま身につけたいことはありますか?
【菅田】 公私ともに、自分のアイデンティティを見つけていくってことではないですかね。自分は何が好きで、何が嫌いで、っていうシンプルなもの。普通に生きていたら(自ずと)出てくるものなんでしょうけど、お芝居をやっていると、その辺の感覚がなくなってくるので。“さあ、何でも来い!”ばかりだと好き嫌いの基準がなくなるぶん、何もできなくなってしまう。エンタテインメントの世界では、当たり前のように人が死んだりしますが、それに慣れてしまわないためには、ニュースも見なきゃいけないと思うし。今日もテレビを見ていたら、父親を殺した学生のニュースが流れてて。当たり前のようにアナウンサーが(事件の内容を)読んでいたけど“凄惨な事件だ”っていう感覚をちゃんと育てなければなって。

――最後に、今年の抱負を聞かせてください。
【菅田】 変わらず、暇を惜しんで働きたいなと。働くというか、できるだけ作品をやっていきたいです。質も大事ですが、量もやっていきたいなと思っています。
(文:石村加奈)

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