警察庁によると、飲酒運転の死亡事故は、2002年以降、厳罰化などにより年々減少している。だが、昨年でもまだ227件もの事故が起きているのが現状だ。飲酒運転時の死亡事故率は、飲酒なしの場合の約8.7倍。特に酒酔い運転(※)に至っては、約18.3倍とかなり高くなる。つまり、飲酒運転による交通事故は、死亡事故につながる危険性がより高いといえるのだ。
飲酒運転をしないことはもちろんだが、もし加害者や被害者になってしまったら、自動車保険で補償されるのか? 今回は、飲酒運転事故での自動車保険の使用可否について、加害者と被害者の双方の側面から解説していく。
■加害者になった場合の自動車保険の補償
飲酒運転は、任意自動車保険の免責事由に当てはまるため、運転者本人やその車の損害には保険金は支払われない。運転者自身のケガや死亡を補償する保険としては「人身傷害保険」「搭乗者傷害保険」「自損事故保険」などがあるが、これらに加入していても飲酒運転による事故では保険金を受け取ることはできないというわけだ。また、自動車事故によって契約車が損害を受けた場合に保険金が支払われる「車両保険」も飲酒運転は補償対象外となる。
ただし、同乗者については「人身傷害保険」や「搭乗者傷害保険」で補償される。
■被害者になった場合の自動車保険の補償
自身が飲酒運転をしないよう心がけていても、相手が酒を飲んでいて被害に遭うケースもあるだろう。その場合、自分のケガなどは加害者側の自動車保険で補償されるのだろうか?
自賠責保険や任意自動車保険の「対人賠償保険」では、被害者救済の観点から飲酒運転による交通事故でも免責とはならず、保険金は支払われる。ちなみに、対人賠償保険とは事故によって他人を死傷させ、法律上の損害賠償責任を負った場合に自賠責保険で支払われる金額を超える損害賠償額に対して保険金が支払われる保険だ。
また、自身が契約している「人身傷害保険」「無保険車傷害保険」などから保険金が支払われる可能性もある。交通事故が起きたら、まず契約している保険会社に相談すると安心だ。
なお、飲酒運転の車が家にぶつかったといった事故の場合は、その車の所有者が契約している「対物賠償保険」から保険金が支払われる。
まとめると、飲酒運転事故における自動車保険では、「被害者のケガや死亡、物損に対しては保険金が支払われるが、運転者自身のケガやその車の損害には、保険金は支払われない」ということ。『飲んだら乗るな!』が基本だが、万が一の際はこれらの情報を踏まえた上で落ち着いて対処することが重要だ。
(※)アルコールの影響により車両などの正常な運転ができない状態
<記事/江原さとみ>
ファイナンシャル・プランナー、FPオフィスなでしこ代表(http://www.fp-nadesiko.com/)。女性がしあわせな人生を選択できるためのマネーセミナー『働く女性の貯蓄術セミナー〜じぶん年金をつくろう〜』は、年金や貯蓄など丁寧かつわかりやすい講義が人気を呼び、受講者は150人を超える。また、コラムの執筆やFP相談業務も積極的に行っている。
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>><あわせて読みたい事例>“飲酒引きずり”死亡事故、判決はいかに?
飲酒運転をしないことはもちろんだが、もし加害者や被害者になってしまったら、自動車保険で補償されるのか? 今回は、飲酒運転事故での自動車保険の使用可否について、加害者と被害者の双方の側面から解説していく。
飲酒運転は、任意自動車保険の免責事由に当てはまるため、運転者本人やその車の損害には保険金は支払われない。運転者自身のケガや死亡を補償する保険としては「人身傷害保険」「搭乗者傷害保険」「自損事故保険」などがあるが、これらに加入していても飲酒運転による事故では保険金を受け取ることはできないというわけだ。また、自動車事故によって契約車が損害を受けた場合に保険金が支払われる「車両保険」も飲酒運転は補償対象外となる。
ただし、同乗者については「人身傷害保険」や「搭乗者傷害保険」で補償される。
■被害者になった場合の自動車保険の補償
自身が飲酒運転をしないよう心がけていても、相手が酒を飲んでいて被害に遭うケースもあるだろう。その場合、自分のケガなどは加害者側の自動車保険で補償されるのだろうか?
自賠責保険や任意自動車保険の「対人賠償保険」では、被害者救済の観点から飲酒運転による交通事故でも免責とはならず、保険金は支払われる。ちなみに、対人賠償保険とは事故によって他人を死傷させ、法律上の損害賠償責任を負った場合に自賠責保険で支払われる金額を超える損害賠償額に対して保険金が支払われる保険だ。
また、自身が契約している「人身傷害保険」「無保険車傷害保険」などから保険金が支払われる可能性もある。交通事故が起きたら、まず契約している保険会社に相談すると安心だ。
なお、飲酒運転の車が家にぶつかったといった事故の場合は、その車の所有者が契約している「対物賠償保険」から保険金が支払われる。
まとめると、飲酒運転事故における自動車保険では、「被害者のケガや死亡、物損に対しては保険金が支払われるが、運転者自身のケガやその車の損害には、保険金は支払われない」ということ。『飲んだら乗るな!』が基本だが、万が一の際はこれらの情報を踏まえた上で落ち着いて対処することが重要だ。
(※)アルコールの影響により車両などの正常な運転ができない状態
<記事/江原さとみ>
ファイナンシャル・プランナー、FPオフィスなでしこ代表(http://www.fp-nadesiko.com/)。女性がしあわせな人生を選択できるためのマネーセミナー『働く女性の貯蓄術セミナー〜じぶん年金をつくろう〜』は、年金や貯蓄など丁寧かつわかりやすい講義が人気を呼び、受講者は150人を超える。また、コラムの執筆やFP相談業務も積極的に行っている。
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2015/12/19