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職人の“匠の技”と気鋭のクリエイターの融合による新たな可能性

 近年では、最低限まで価格を落とした“ファストファッション”や“ジェネリック家電”など、ほとんどの日用品が安く手に入れることができるようになった。日常生活に欠かせない家具も、IKEAやニトリなどの店舗増加で、より拍車がかかったと言えるだろう。だが一方で、“素材”や“技術”にこだわりを持って作られた、長く使える、いわゆる“匠の技”を再評価する傾向も年々高まりを見せている

独特な雰囲気を放つ『yumiko iihoshi porcelain』の萬古焼の急須

独特な雰囲気を放つ『yumiko iihoshi porcelain』の萬古焼の急須

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 職人やクラフトマン、デザイナーが“手仕事”で作った商品が並ぶ『銀座・手仕事直売所』(9月9日〜東京・松屋銀座)は今年で7年目を迎える。同イベントは、名工・匠だけが集う「職人展」ではないが、家具や陶器、生活道具などの職人、クラフトマン、デザイナーが使う人のことを考え、10年後も輝く魅力の商品を直売。明治8年の創業から一貫した手作りで作られる「開化堂」の茶筒や、京料理を支える調理道具として長く愛されてきた「金網つじ」による金網製品、全国の職人が作る”荒物”と呼ばれる日用品を集める「松野屋」など、作り手のこだわりが伝わる商品が集結する。

 和食器バイヤーの松田日奈子氏は来場者の傾向について「お客様は作り手との話を楽しみ、会場をゆっくり回りながらお買いものをされます。モノづくりの過程、素材感、作り手の想いや思想も含めて思いを持ってモノを選ぶ方が多いように思います」と語る。また、デザインコレクションバイヤーの豊島毅氏は「商品に対する知識が我々も驚くほどに深い」と、ユーザーがより質の高い商品を望んでいる傾向を実感しているようだ。

 近年の「職人の技×気鋭のクリエイター」といった動きに対しても、豊島氏は「代々伝わる技術や経験を受け継ぎつつ、それぞれの職人が独自のセンスや時代の生活に合わせた工夫を取り入れたモノづくりをしている。クリエイターの持つ鋭い感性や時代性を商品に反映させることは良い流れだと思う」と評価。現代に合った新たな付加価値を持った商品の増加が、“長く大切に使う”という傾向をより広げていくことになるのかもしれない。

 新しい取り組みは日本全国へと広がっている。最近では、家具職人・Tokotowa氏とデザイナーと企業がコラボして新しいアイテムを発信する『ブランダープラス』や、讃岐の職人と讃岐のクリエイターで新しいものを企画する“讃岐産プロジェクト”『SANUKISAN』など、隠れた名工たちと気鋭のクリエイターのコラボが増加。異色の融合から全く新しい化学反応が生まれることで、更なる付加価値を見いだすことに成功しており、昔から引き継いだ技術と新たな発想で“今の時代に合った新しいもの”を生み出す動きが広がっている。

関連写真

  • 独特な雰囲気を放つ『yumiko iihoshi porcelain』の萬古焼の急須
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  • 温かみを感じさせる『金網つじ』のランプシェード
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