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デビュー10周年のJUJU、今も首の皮一枚

 デビュー10周年を迎えたJUJUが、シングル「Hold me, Hold you / 始まりはいつも突然に」を2月11日に発売。「明日がくるなら」が映画『余命1ヶ月の花嫁』の主題歌に起用され、その人気は全国区へと広がった。J-POPからジャズまで、幅広いジャンルの楽曲を歌い、多くの人の胸に残る歌を送り続けてきたシンガー・JUJUが、これまでの10年間を振り返り語った。

デビュー10周年を迎えたJUJU

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◆10年続けてこられたのは奇跡的、終わってもおかしくないプロジェクト

――デビュー10周年、改めて10年を振り返っていかがでした?
JUJU 率直に、10年続けてこられたのは奇跡的だなっていうのが、チームのみんなで思ったことですね。ずいぶん前に終ってもおかしくなかったプロジェクトなだけに、「まさかの10年を迎えるとはね」ってみんなで笑ってました(笑)。

――デビュー当時は10年という展望は見えてなかった?
JUJU まったくなかったです。1年先は見えていても、10年後のJUJU像っていうのはまったくなかった。というのも当時、とにかく私は人前に出るのが怖かったんです。もちろん歌手にはなりたかったし、夢は叶いつつあるけれど、人前に立たされることに対しての恐怖心っていうのが本当に大きくて。デビューするってなったときは“ヤバいなあ、大丈夫かなあ”っていう気持ちのほうが強かったんですね。しかも売れなかったとしても“JUJU”が売れないだけで、本名の私は関係ないみたいな、混沌とした状態でもあって。

――それ、すごい理屈ですね(笑)。
JUJU そうやって本名の自分とJUJUをくっつけていなかったから、デビューして最初の2作は誰にも届かなかったんでしょうね、今振り返ると。

――アーティストになる人、もしくはなりたい人って、だいたい歌いたいという気持ち以外に人前に出たい、目立ちたいって願望も強かったりしますけど。JUJUさんは真逆だったんですね。
JUJU いろんな現場であなたの性格は、この仕事に一番向いてないって言われます。大きいスクリーンに自分が映るのも、テレビの収録や写真撮影でも、カメラがとにかく苦手なので、一番ついちゃいけない仕事についちゃったねって(笑)。カメラ目線がようやくできるようになったのも最近なんです。でもそれも写真だけで、テレビは未だに絶対ムリ。多分、テレビで目が合わない人No.1だと思います(笑)。

◆売れなかったら契約終了!捨て身の覚悟で挑んだ3枚目のシングル

――そんな、“歌いたいけれど、見られたくない”っていう性格が、デビュー当時、肝が座らなかった理由でもあるんですかね?
JUJU そうですね。歌は届いて欲しいけど、私自身は届かなくていいなと。音楽って耳から入ってくるものだから、耳だけの情報だけでいいじゃないかってすごく思っていました。でも、最初の2作を出した後の1年半は毎週4曲、ひたすら曲を作り続けまして。そしたら、それまでの「売れないのは私じゃなくてJUJUよ」っていう“カッコつけ”すらもできないぐらい、疲れ果ててしまったんですよ。しかも、そのとき出すことになったシングルが最後で、これが売れなかったら契約を終わりにしましょうって言われまして。

――まさに崖っぷちですね。
JUJU そう。で、契約を切られた後、振り返ったときに、あそこはこうするべきだったとか、こうしとけば良かったって後悔だけはしたくないなと。だからカッコつけることも忘れたし、本当に捨て身の覚悟でそのシングルは歌ったんですよ。そうしたら歌を聴いた方から初めてお便りをいただき、それが励みになって。聴いてくれる人がいるって知りながら歌えるって、こんなに幸せなんだなって実感して、それからは本当に肝が据わった気がします。

――それが3枚目のシングル「奇跡を望むなら...」。まさにタイトルどおりの奇跡が起こったという。
JUJU まったく、なんてタイトルだろうって(笑)。

◆つねにクビの皮一枚でつながってる気分

――この10年で、最もしんどかった時期は「奇跡を望むなら...」が出るまでの2年間ですか?
JUJU そうですね。歌うことの概念が変わるまでの、この2年間が一番辛かった気がします。あーでもないこーでもないことも言われたし。ニューヨーク帰りの鳴り物入りみたいな感じでデビューしたけど、結局売れないじゃんとか?(笑)。でも、まぁ、そこでメジャーレーベルの厳しさを体験したわけですよ。売れないと、人としてもダメみたいな言われ方をされちゃうのがメジャーレーベルだなって。

――その間、辞めたいと思ったことは?
JUJU なかったですね。自分から辞めるのは嫌だったんだと思う。負けず嫌というか、クビにされたらしょうがないけど、自分から放棄するという選択肢はなかった気がします。

――では、モチベーションはどうやって保ってるんですか?
JUJU やっぱり負けず嫌いですかね。

――その後、『DELICIOUS』もヒットし、人気が定着していくなかで、周りからの期待やプレッシャーが強くなったりはしました?
JUJU それがうちのチームって、まったく変わらないんですよ。売れていないときと誰も変わらないので、気分的には未だに売れている気がしないっていう(笑)。そもそもうちのチームはヒットに慣れていなかったらしく、ヒットしても長く続かないだろうって思っているところがあるんですよね。

――常に危機感があるってことですね。慢心しないというか。
JUJU ずっと危機感です。常にクビの皮一枚でつながってる気分(笑)。だから私、この10年で褒められこともほとんどないんです。たまに褒められると、その代わりに重たいお願いをされるんだろうなって疑ってる。絶対裏があるって(笑)。

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  • デビュー10周年を迎えたJUJU
  • シングル「Hold me, Hold you / 始まりはいつも突然に」【通常盤】(2月11日発売)
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