「ゲーム実況」イベント化でファン急拡大

 10万人以上を動員するイベント「ニコニコ超会議」や、ネットユーザーも巻き込むライブハウス「ニコファーレ」などを運営するドワンゴが得意とするのは、共通の世界観をもって、様々なかたちへと事業拡張させる点だ。先日開催したゲームに特化したイベント「闘会議2015」では、ゲームとライブを組み合わせた新たなコンテンツを展開し、注目を集めている。

 ネットのサービスを上手く「拡張」してリアルにつなげている例として挙げられるのが、年々動員数を伸ばしている大規模イベント「ニコニコ超会議」をはじめとするドワンゴの取り組みだ。

 同社はイベント実施のほかにも、ライブハウス「ニコファーレ」の運営や、昨年、池袋に本社を移した際に「ニコニコを360日地上に再現」というコンセプトのもと、本社内にユーザーが気軽に訪れることができるスタジオやカフェ、ショップを新設するなど、多方面に展開している。

 同社が得意とするのは、「世界観の共有」だ。どの事業も「ユーザー参加型」であることを徹底して、それを軸に様々な企画をリアルの場に落とし込んでいる。「ニコニコ動画」のユーザーはネットでの情報拡散力が高いため、話題も広がりやすい。つまり、リアルで盛り上がれば盛り上がるほど、賑わっている熱が拡散され、新規層にも伝わる。そうしてビジネスの可能性が広がるのだ。

■ラジオ感覚で楽しむファン、決め手はトーク力

 最近とくに、同社の新事業で話題を集めたのが、1 月31日から2日間、千葉? 幕張メッセで開催されたゲームイベント「闘会議2015」だ。とくに「ゲーム実況」ブースは、多くの人でにぎわいを見せた。

「ゲーム実況」とは、ゲームのプレーに対して、プレーヤーや視聴者が実況をすること。そうした動画投稿が増えており、様々なところでイベントに発展している。

 ドワンゴの担当者はこの状況について、「『超会議』の実況ライブステージでは5000〜 6000人の人が盛り上がっていて、これはジャンルとして成立すると手応えを感じました。人気のある実況者は、プレーが上手いというよりも、トーク力がメイン。ゲームは長いものだとプレーが数十時間にも及ぶので、実況者は定期的に投稿することができます。毎日観るファンは、ラジオを聴いている感覚に近いのかもしれませんね」という。

 ファン層は、コアなゲーマーだけでなく、ライト層や女子中高生など幅広い。

「今ではゲーム実況界のカリスマと呼ばれるグループや、アイドル的人気を誇る人も現れています。実況と相性のいいジャンルは、リアクションを取りやすいことからホラーやアクションゲームでしょう」

 最近は、人気実況者に発売前のソフトをプレーしてもらい、プロモーションにつなげる試みも増えてきた。任天堂など企業側の協力もあり、『スーパーマリオブラザーズ』や『ドラゴンクエスト』など、有名タイトルを実況するケースも増えている。

 ライブと組み合わせて成立したこの新たなコンテンツが、今後、どのよ
うな広がりを見せていくのか。新規層の取り込みにも注目したい。

(ORIGINAL CONFIDENCE 15年2月9日号掲載)



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  • 「闘会議2015」/今年1月31日から2日間、千葉・幕張メッセで初開催した。「大会ステージ」「実況ステージ」の2つをメインに、ライト層でも気軽に参加できる内容となった。
  • M.S.S Project 「ゲーム実況」でカリスマと呼ばれる4人組ユニット。「多くの人に自分たちの音楽を知ってほしい」と、09年頃からゲームの実況動画にオリジナル楽曲を組み合わせて配信しており、4人のユニークな掛け合いも話題となって、次第に認知が広がった。「ニコニコ動画」での投稿で支持を集めるほか、映画『エンダーのゲーム』で初の「試写実況」に挑戦するなど、活動の幅を広げている。
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