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池上彰、若い世代に知ってもらいたいこと テレ東『戦争を考えるSP』

 ジャーナリストの池上彰氏が10日、都内でテレビ東京系『池上彰の戦争を考えるSP 第5弾〜悲劇が生み出した言葉〜』(17日放送 後7:54〜10:08)の収録を行った。太平洋戦争の終戦から69年が経ち、戦争の生き証人が少なくなっていく中で、後世に戦争の悲惨さ、不条理さを伝えていくため、「何か新しい手法を開発しなければならない」と危機感をにじませた。

 2010年から毎年8月15日前後に放送されている同番組では、「あの戦争の記憶をもう一度ひもといて」みるとともに、「今、地球のどこかで起こっている戦争」についても考えてきた。今回は、「悲劇が生み出した言葉」に焦点を当て、「沖縄県民かく戦えり」の惜別電文を打った大田實海軍司令官、南樺太で集団自決した真岡郵便局の女性電話交換手、B級戦犯として死刑となった学徒兵らが遺した「言葉」を紹介しながら、「当時の人々の思いを追体験してもらいたい」(池上氏)。

 目玉の一つは、戦没学徒の遺書や遺稿をまとめた『きけ わだつみのこえ』(岩波文庫)の中でも特に感動的な内容で知られる学徒兵・木村久夫さんの「別の遺書」。その存在は、東京新聞の調べで明らかになり、4月29日付け一面で報じられた。

 木村さんは京都帝国大学在学中に学徒兵としてインド洋のカーニコバル島に駐屯。英語が堪能だったので通訳などをしていたが、終戦後、B級戦犯に問われた。木村さんは無実を訴えたが、シンガポールの戦犯裁判で死刑とされ、1946年5月、執行された。28歳だった。

 新たに見つかった「別の遺書」には、軍人に対する強烈な批判が記されていた。戦中の不合理な行為、終戦後における反省のなさを憤り、「軍人、正直に反省し全国民に平身低頭、謝罪せねばならぬところである」などと断じている。事実、木村さんの上官は重い罪に問われず処刑されていない。

 池上氏は木村さんが遺した「言葉」を紹介する意義を「軍の幹部や国の責任逃れ、とてつもない愚かな判断ミスがあったということも、今の若い人たちに知っていただきたい」と力強く語った。

 7月1日、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定が行われるなど、戦争と平和を考えることが現実的な問題として目の前にあらわれてきている。池上氏は「“平和”を求めて戦争が始まったことが過去にたくさんあったことを知ってほしい。今、語られている平和が、将来はどうなのか、考える力を養っていくことが大事なのではないかと思います」と、番組の視聴を促した。

◆マレーシア航空機撃墜 緊急現地取材

 番組では、マレーシア航空機が撃墜されたウクライナで何が起きているのか、3月のロシアによるクリミア併合と合わせて池上氏が解説する。現地取材を行った番組統括プロデューサーの福田裕昭氏(報道局専任局長)は、「ウクライナ取材の際、首都キエフで見た光景を放送します。大統領府に兵隊のお母さんたちが大勢で押しかけていました。実は、息子たちから携帯で逐次情報がお母さんたちに伝えられているのです。これが今の“情報戦”。戦争を考えるとき、世界で起こっている現場を見に行かないと教訓を導くことはできないとつくづく思いました。今そこに迫る危機を止められるのは、お母さんのパワーなのかもしれません」と話している。

関連写真

  • 8月17日放送、テレビ東京系『池上彰の戦争を考えるSP 第5弾〜悲劇が生み出した言葉〜』(C)ORICON NewS inc.
  • 番組キャスターの池上彰氏とアシスタントの相内優香アナウンサー (C)ORICON NewS inc.
  • 8月17日放送、テレビ東京系『池上彰の戦争を考えるSP 第5弾〜悲劇が生み出した言葉〜』ゲスト陣と(左から)宮崎美子、峰竜太、八千草薫、池上彰、相内優香アナウンサー、本仮屋ユイカ、パックン

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