『カッコーの巣の上で』といえば、ジャック・ニコルソンがアカデミー賞主演男優賞に輝いた1976年日本公開の映画で広く知られる。だが原作は小説であり、デール・ワッサーマンが脚色化して、映画より先に舞台が作られた。ゆえに映画とは異なる部分が多く、話せないと思われているネイティブアメリカンのチーフ(山内圭哉)のモノローグ(心の声)から始まるのもそのひとつだ。
舞台は個性的な入院患者が集まる精神病院。ラチェッド婦長(神野三鈴)の管理下で保たれていた秩序は、一人の囚人・マクマーフィ(小栗旬)によって音を立てて崩れていく。印象的なのは、マクマーフィ登場以前の彼らはさほど辛そうではないことだ。孤独な患者たちはむしろ、母性をちらつかせる婦長を母のように慕っている風。だがその閉じた瞼をマクマーフィは、「何を怖がってる?」と無理やりこじ開けようとする。“管理される”ことは浸かり慣れてしまえば、ぬるま湯的心地よさからなかなか抜け出せない。その薄ら寒い、だがおそらく日常的な構図を目の当たりにした思いがした。
マクマーフィによって目覚めた患者たちは、野球のワールドシリーズのテレビ中継を見る権利を得ようと闘う。結果、それは理不尽に奪われるのだが、ついていないテレビに向かって全員がある行動をし始める。映画でも描かれたこの名場面がグッと胸に迫る。それは何時もけして奪われない、人間の想像力の勝利だ。
小栗自身が生来持つ反骨心とリーダーシップが、マクマーフィと見事に合致。その彼が圧倒的存在感を示しつつ、患者それぞれの覚醒をしっかりと描いた群像劇に。患者たち(全員男性)を一人迎え撃つ、ラチェッド婦長役の神野はさすがの好演。彼女独特のまろやかな雰囲気が、かえって凄みを感じさせる。ラチェッドは果たして悪なのか? 彼女をどうとらえるかは、現代人にとって踏み絵のようなものかもしれない。
物語は、映画同様のショッキングな結末を迎える。紛れもない悲劇だが、演劇ならではのダイナミックな演出が患者たちの勝利を伝え、観客に救いをもたらすだろう。上演台本・演出は河原雅彦。〜8月3日、東京芸術劇場プレイハウス、8月6日〜17日、兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて。(文・武田吏都)
◆<カッコーの巣の上で>公演詳細情報
【東京公演】
開催日:〜8月3日(日)
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
チケット料金:全席指定¥10,000 サイドシート¥8,000(税込)
プレイガイドで東京公演のチケットが買えるのはローソンチケットだけ!
【兵庫公演】
開催日:2014年8月6日(水)〜8月17日(日)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
チケット料金:全席指定¥11,000(税込)
⇒⇒舞台『カッコーの巣の上で』のチケット情報
舞台は個性的な入院患者が集まる精神病院。ラチェッド婦長(神野三鈴)の管理下で保たれていた秩序は、一人の囚人・マクマーフィ(小栗旬)によって音を立てて崩れていく。印象的なのは、マクマーフィ登場以前の彼らはさほど辛そうではないことだ。孤独な患者たちはむしろ、母性をちらつかせる婦長を母のように慕っている風。だがその閉じた瞼をマクマーフィは、「何を怖がってる?」と無理やりこじ開けようとする。“管理される”ことは浸かり慣れてしまえば、ぬるま湯的心地よさからなかなか抜け出せない。その薄ら寒い、だがおそらく日常的な構図を目の当たりにした思いがした。
小栗自身が生来持つ反骨心とリーダーシップが、マクマーフィと見事に合致。その彼が圧倒的存在感を示しつつ、患者それぞれの覚醒をしっかりと描いた群像劇に。患者たち(全員男性)を一人迎え撃つ、ラチェッド婦長役の神野はさすがの好演。彼女独特のまろやかな雰囲気が、かえって凄みを感じさせる。ラチェッドは果たして悪なのか? 彼女をどうとらえるかは、現代人にとって踏み絵のようなものかもしれない。
物語は、映画同様のショッキングな結末を迎える。紛れもない悲劇だが、演劇ならではのダイナミックな演出が患者たちの勝利を伝え、観客に救いをもたらすだろう。上演台本・演出は河原雅彦。〜8月3日、東京芸術劇場プレイハウス、8月6日〜17日、兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて。(文・武田吏都)
◆<カッコーの巣の上で>公演詳細情報
【東京公演】
開催日:〜8月3日(日)
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
チケット料金:全席指定¥10,000 サイドシート¥8,000(税込)
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【兵庫公演】
開催日:2014年8月6日(水)〜8月17日(日)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
チケット料金:全席指定¥11,000(税込)
⇒⇒舞台『カッコーの巣の上で』のチケット情報
2014/07/08