俳優の岡田准一が4日、東京・渋谷のNHKで大河ドラマ『軍師官兵衛』（毎週日曜　後8：00　総合ほか）第28回「本能寺の変」（13日放送）の試写会に出席した。ドラマも中盤を迎え、「大河の主演としてはギリギリなくらい悪い顔をしている」と知力・戦略をめぐらす軍師を熱演している。

　有岡城で1年間の過酷な幽閉を余儀なくされ、救出されてからの官兵衛は、新たな境地で軍師としての本領を発揮すると共に、“ワル顔”を見せることも増えていった。それ以前が、「まっ直ぐでピュアな」“白”官兵衛だっただけに、その対比も演じ甲斐のあるところ。中でも、官兵衛屈指の“ワル顔”を見せるのが、この「本能寺の変」の回。

　明智光秀の謀反により、炎に包まれた本能寺で織田信長が最期を迎えた時、羽柴秀吉とともに、備中高松城の水攻めに赴いていた官兵衛は、信長の死を真っ先に知り、知略の限りを尽くした一世一代の大勝負に打って出る。

　岡田は「この回には、官兵衛が『（秀吉が天下に名乗りを上げる）好機が訪れましたぞ』という有名なシーンがありまして、実はこのセリフが言いたくて、官兵衛役に手を挙げたようなところもあります。撮影が始まる前からどう言おうか考えていました。皆さんに納得していただけるシーンになっていることを願っています」と、この時の“ワル顔”に自信をのぞかせた。

　物語は、本能寺の変の後、秀吉軍の驚異的な逆転劇「中国大返し」（27日放送）を成し遂げ、秀吉は天下人へと駆け上がり、官兵衛もまた“全盛期”を迎える。戦で負けなしだった官兵衛だが、「先日、備前宇都宮一族を殲滅したシーンを撮ったんですが、いまだに気分がすぐれないですね。心が落ち込んだ状態で撮影しています。最後までいろんなことが起こります」と、“いい人”だけではいられないことへの葛藤も吐露。さらに、晩年の官兵衛像を「模索中」といい、『軍師官兵衛』の黒田官兵衛としてどんなインパクトを残せるか、正念場を迎えている。