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成長を遂げる女優・門脇麦の“暗黒の3年間”

 東京ガス『ガスの仮面』CMのバレリーナ役で注目を集め、ドラマ、映画と出演作が続く新鋭女優・門脇麦。『愛の渦』での乱交パーティに参加する地味な女子大生役、『闇金ウシジマくん Part2』でのホストに貢ぐために体を売るフリーター役など、きわどいクセのある難役に、裸もさらして文字通り体当たりでぶつかる。今まさに輝かしいスポットライトを浴びながら体を張って役に臨む若手女優は、“本物の女優”へと著しい成長を遂げている真っ最中のようだ。

◆挫折から女優を志した転機

 昨年、NHK大河ドラマ『八重の桜』に出演。今年は、映画『愛の渦』『闇金ウシジマくん Part2』『シャンティ・デイズ 365日、幸せな呼吸』、ドラマ『ブラック・プレジデント』(フジテレビ系)と話題作への出演が続き、昨年から今年にかけて急激にメディア露出が増えている。

「なんか動いているな、という感覚はあるんですが、私自身は変わってはいなくて。でも、ありがたいし感謝しています。一つひとつがんばっていかなくてはならないなって、身が引き締まる思いと不安でいっぱいです」

 ストイックそうでいて、力まずふわっとした不思議な空気感をまとう門脇だが、そもそも女優を志したきっかけは。

「ずっとクラシックバレエをやっていたんですけど、(プロになるのは)すごく狭き門なんです。私はバレリーナになる気満々で、小学生の頃は放課後に友だちと遊んだことがないくらい本気でバレエをやってきたけれど、(限界を感じて)中学校2年生のときにやめました。そして、やめた瞬間に空っぽになってしまったんです……。それから、歌やジャズダンス、ヒップホップダンスとかをやってみたけれど、表現としてはどれもバレエに似たものだったんです。そんなときにたまたま邦画を観始めるようになって、『あぁ、役者も表現者だな、私も映画に出てみたいな』と思って事務所に履歴書を送ったのがきっかけです」

◆未熟な私でも本気でぶつかっていけば

 その転機が高校を卒業した時期。バレエ以外の何かを探し続けていた高校時代について聞いてみると、部屋にこもって悩んでばかりいた“暗黒の3年間”という答えが返ってきた。

「でも、その(悩んでばかりの)3年間がなければ今の自分はいないので、暗黒だったけれど、今思うと必要な時間だったし、その状況を(今になってみると)不思議だなとも思います」

 その3年間で抱いた感情は、いま女優として活動していくうえでプラスになっていることだろう。志していた道を歩んでいる現在は、その暗黒からは脱出していますよね?

「してないですね(笑)。脱出はしていないんですけど、違いはあって。昔は悩んでいることに悩んでいたけれど、今は悩んでいることには悩んでいない、むしろ悩めばいいというか」

 そんな悩みのなかのひとつを聞こうとしたが「それを話し出したら日が暮れてしまいます(笑)。でも、悩みがないとダメだと思うので……」。では、仕事でつらさを感じるときとは。

「撮影前がつらい時間です。役が決まってから現場に入るまでが一番苦しい。ひたすら自分との葛藤の時間なので。現場に入ってしまえば監督や共演者の方がいて、そこから生まれてくるものがあるので、それを拠り所にしてがんばろうと思うし、そもそも突き進むしかないんです。でも、それ以前の作業としては、いかにカメラの前にこの役ですと言って堂々と立てるかで──。『苦しいわぁ、でも必要だわぁ、苦しいわぁ、でも必要だわぁ……』の繰り返し(笑)。けれどその時間は絶対に必要なんです」

 話を聞いていくと、その真摯な語り口から仕事へのストイックの姿勢がじわじわとにじみでてくる。かといって堅苦しいトークという雰囲気でもなく、インタビューの場は笑いも混じって和やか。そんな門脇がこれからの進んでいきたい方向、この先に見据えるものは。

「こうなりたいというのはないんです。共演してみたい人、尊敬している人はたくさんいるけれど、こうなりたいというものを持ってしまうと視野が狭まるので、敢えて考えていないのかもしれないです。今は、一つひとつの作品を命がけでやっていこうと思っています。ただ、人間ってきれいな面ときたない面が混在していると思うし、恐いけれど、映像やこういうインタビューではそういう人間性があぶり出される。それを含めてちゃんと立っていられる人になりたいですね。それがスクリーンに映っていったらいいな。こんな未熟な私でも本気でぶつかっていけば1ミリぐらいは何かが動いて、何かを残せるかもって。それが私にできる仕事。そういうことなんじゃないかなって思っています」

門脇麦インタビュー『今は悩んでいることには悩んでいない』

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