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河瀬直美監督に見出された若手女優・吉永淳 「憧れの女優」は尾野真千子

 今夏公開される河瀬直美監督の最新作『2つ目の窓』で、俳優デビューを果たす村上虹郎(16)と共にオーディションを経て主人公・杏子役に抜てきされたのは、女優の吉永淳(じゅん・20)だ。奄美大島を舞台にした今作において、河瀬監督をして「海に勝る存在感がある」と言わしめた映画界期待の逸材で、吉永自身も「映画にこだわり続けたい」と大きな瞳を輝かせる。そんな若手女優に、今後のビジョンを聞いた。

河瀬直美監督に見出された若手女優・吉永淳 (C)ORICON NewS inc.

河瀬直美監督に見出された若手女優・吉永淳 (C)ORICON NewS inc.

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 2013年カンヌ国際映画祭で審査員を務め、同映画祭にて『萌の朱雀』(1997年)でカメラドール(新人監督賞)、『殯(もがり)の森』(2007年)でグランプリを獲得した河瀬監督の新作は、16歳の少年・界人(村上)と少女・杏子(吉永)、彼らを取り巻く大人たちが織りなす群像劇。命のつながりや人と自然との共存、生と死といったテーマを描き出していく。

 映画『リアル鬼ごっこ2』(2010年)で銀幕デビューを果たして以降、数々のドラマや映画、CMに出演している吉永。昨年10月に奄美大島でクランクインし、河瀬監督のもとで経験した約1ヶ月間の撮影で「杏子も私も成長できた映像が映っていると思う」と胸を張る。

 映画が「大好き」と語る吉永にとって、河瀬作品に参加できることは「私の人生において光栄なこと」。主役というプレッシャーよりも「私ができることを一生懸命やる」という使命感に駆られたといい「河瀬監督は、役柄以上に、私を『吉永淳』という人で見て下さった。そして、常に演技の質を一段階高めてくれる方でした」と興奮気味に振り返る。

 20代に突入し、女優として「学んだことを次に生かしていこう」という思いは増すばかりだと語る吉永。「自分はまだまだ未熟。頂いた作品に対して、一つずつこだわりを持って取り組んで、足元を固める時期」と謙遜する一方で、「映画の持つ魅力を、国内外問わず、人の心に届けられる女優さんになりたい」とさらなる高みを目指している。

 「映画」という言葉を何度も口にするのが印象的な彼女。その理由について尋ねると「映画には、国境を超える力があると思っているんです」と、自然と前のめり。さらに「映画の可能性を広げられる作品に出たい。映画ファンであるのと同時に、人間として、役者として成長したいし、つねに自分に新風を巻き起こして進化し続けたい」と力説してくれた。

 また、吉永が「憧れの女優」と明かすのは、河瀬監督作品を代表作(『萌の朱雀』『殯の森』)に持つ女優の尾野真千子だ。「大阪のシネマフェスティバルで、尾野真千子さんが受賞された時、壇上で涙を流していたのが印象的で。人としても魅力的で、いつか共演したいなと思いました。日本を代表する女優さんと思っています」と憧憬の眼差しを向けた。

 日本、フランス、スペインの共同出資による製作で、国際的な注目を早くも集めている同作。その見どころについて最後に聞くと、吉永は1分ほど近い熟考の末、口を開いてくれた。「きっと、河瀬監督の“眼差し”だと思います。生きることという、大きすぎる命題に対して、観てくださる方それぞれによって感じることが異なる映画。答えのない作品。今を生きることの魅力を込めた映画だと感じています」。

 目の前の事に対して真剣に向き合い、わかりやすく伝えられるように整理し、きっちりと表現する――。「吉永淳」という女優の魅力は、そういう姿勢にも表れているのかもしれない。

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