化粧筆やアニメーションを描く画筆などで全国シェア80%を誇る筆の産地・広島県熊野町。あのスタジオジブリでも熊野の画筆を愛用しており、昨年11月公開の高畑勲監督作『かぐや姫の物語』で、毛筆タッチのアニメーションを手がけた美術監督は、ほぼすべてを熊野筆で描いたという。しかし、CGアニメ全盛のいま、熊野筆がピンチ!? 日本のアニメを陰で支える熊野筆の職人の「技」に迫る特番『世界が知りたいニッポンの技〜美と食の匠たち…ひろしま篇〜』が、あす2日(後2:30〜3:54)、TBS系で放送される。ナレーションは、1月27日に急逝した声優の永井一郎さんが担当した。 ナビゲーターを務めるのは、祖父が広島県三原市出身の俳優・谷原章介。熊野町の筆は、江戸時代、農閑期に奈良から仕入れた筆や墨を販売していたことに始まり、筆づくりの技術が根付いた。筆は筆でも、アニメを描く筆とは、どのような筆なのか? アニメーターたちが満足する画筆を完成させるために、筆職人は、どのような創意工夫を繰り返したのか? 谷原は筆工房を訪ねるほか、『名探偵コナン』や『ルパン三世』を手がけ、「熊野の画筆でなければ作業ができない」という背景画を専門とする石垣プロダクションを取材し、熊野筆の魅力を伝える。
2014/02/01