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「正統派美少女女優」復権 2014年の注目株は?

 昨年は“正統派美少女女優”復活の年であり、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』からは、能年玲奈(20)、橋本愛(17)、有村架純(20)らがブレイクした。では、今年注目の美少女女優は? ORICON NewSでは、雑誌『Invitation』や『東京カレンダー』の編集長を経て、現在『女優美学』の編集長を務める小林淳一氏に今年注目の美少女女優を挙げてもらった。 

今年注目の美少女女優(左から)小松菜奈、山本美月、山崎紘菜 (C)ORICON NewS inc.

今年注目の美少女女優(左から)小松菜奈、山本美月、山崎紘菜 (C)ORICON NewS inc.

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■『あまちゃん』によって切り拓かれた新時代

 『あまちゃん』に出演した女優のブレイク状況は、ある時代のことを思い出させる。2000年から2002年にかけて、女性アイドルの市場はモーニング娘。が席巻していた。「LOVEマシーン」の時代だ。90年代後半にブレイクした加藤あい、内山理名、田中麗奈、深田恭子に続く“正統派の美少女女優”がモー娘。旋風で全く出なくなっていた。

 そこに2002年に現れたのがドラマ『3年B組金八先生』(TBS)でブレイクした上戸彩だ。この状況に『あまちゃん』現象は酷似している。ここ数年、女性アイドルの市場はAKB48を代表としたグループアイドルによって占められ、“正統派美少女女優”は出づらい環境にあった。その流れを『あまちゃん』は変えた。

■上戸彩の登場に続いた長澤まさみ宮崎あおい蒼井優
「あまちゃん」能年玲奈、橋本愛、有村架純に続くのは誰か?

 上戸の登場は、その後の美少女女優登場の呼び水となり、映画『世界の中心で愛を叫ぶ』(2004年)長澤まさみ、映画『スウィングガールズ』(2004年)上野樹里、映画『NANA』宮崎あおい(2005年)、映画『フラガール』(2006年)蒼井優、映画『恋空』(2007年)新垣結衣と、日本映画バブルも重なり、エンタメの歴史において層の厚い若手女優陣を形成していった。

 しかし、日本映画の不調がはじまり、グループアイドルが全盛を極める中、この世代に次ぐ若い女優が出ない状況が続いていた。そこに登場したのが『あまちゃん』の3人。状況を俯瞰すると、園子温監督作品などで評価の高い二階堂ふみ、CMで大活躍の本田翼が、『あまちゃん』の能年、橋本、有村と互角に戦える位置にいるといえよう。若い男子のファッション誌の表紙を席巻する本田は、『NANA』で大ブレイクする前の宮崎あおいの状況を思い起こさせる。

■高身長、ロング・ヘアーがポイント。小松菜奈山本美月が、
美少女女優の進化系として、新たなる時代を築く

 前フリが長くなった。では、2014年、彼女たちに次いで注目したい美少女女優は誰か? 小松菜奈(17)、山本美月(22)、山崎紘菜(19)の3人を挙げる。中島哲也監督の最新作映画『渇き。』で大抜擢の小松。CanCamの人気モデルで、映画『黒執事』が控える山本。東宝シンデレラ出身で、三池崇史監督の映画『神様の言うとおり』に主演が決まった山崎。

 3人にはいくつかの共通点がある。まず、すでにCMにおいて、その美しさを見せつけている点。小松は『BeeTV dビデオ』(中島哲也が監督)、山本美月は『積水ハウス』など、山崎紘菜は『住友生命』。いずれのCMも“この女の子誰?”と話題になるとともに、知りたくなる美しさを湛えている。『あまちゃん』は異例中の異例であり、美少女女優の市場は、厳しいものになっている。恋愛ドラマや10代の女の子が主演するようなドラマ枠が消え、映画においても2000年代の華やかな状況はない。その中で、CMの果たす役割は極めて大きい。今後は、映画、ドラマ、CM、雑誌というメディアをミックスした活動の中で、女優は勝負していかなければならない。その中でCMにおいて鮮烈な印象を残す3人には、大きなポテンシャルを感じる。

 また、この3人に共通するのが、身長が高いこと。小松、山本が167 cm、山崎が171cm。150cm後半から160cm前半が主流の中、これは新しい時代の到来を予感させる。日本の女優は欧米や韓国などに比べても明らかに低い。小松、山本が人気モデルでもあることからもわかるように、これは現代の女性が求める理想像なのだろう。山崎も知名度が上がれば、女性誌からのオファーが殺到すると思われる。付け加えるなら、ショートカット全盛の中、小松、山本は、そのロング・ヘアーも魅力ともいえる。

 映画『渇き。』が公開されるこの夏、日本の女優は新たな進化形を見せる。その流れは、いま、はじまったばかりだ。

(文:小林淳一)
編集者。雑誌『Invitation』『東京カレンダー』編集長を経て、現在は『AJ』クリエイティブ・ディレクター、『女優美学』の編集長を務める。手がけた書籍・ムックに『ケイゾク/雑誌』『SPEC magazine』『ラジオマン(吉田照美・著)』などがある。『女優美学III』が今月6日発売となる。

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