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勢いづく日テレの映画事業〜海外進出も加速

 興行収入100億円を超えるヒットを記録したスタジオジブリ最新作『風立ちぬ』のほか、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』といった細田守監督作品、さらに実写映画では『ALWAYS 三丁目の夕日』を送りだしてきた日本テレビ映画事業部長 奥田誠治氏。今夏、宮崎駿監督の引退宣言も話題となるなか、日テレ映画事業の今後を聞いた。

■海外市場での評価を国内へ伝播

 今夏の映画界の話題は『風立ちぬ』のヒットと宮崎駿監督の引退宣言に終始した。長年スタジオジブリと共に作品を送り出してきた日本テレビ映画事業部長の奥田誠治氏は「引退は、いつかは訪れるものだと思っていた」と語る。

 ただし、日本テレビが製作参加しているアニメーションはスタジオジブリ作品ばかりではない。毎年、恒例化している『名探偵コナン』、『それいけ!アンパンマン』そして『HUNTER×HUNTER』の劇場版に加え、『サマーウォーズ』をはじめとする細田守監督作品から神山健治監督の『009 RE:CYBORG』まで意欲的な取り組みをみせている。

 「スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーを核にした人材の交流があり、それを個人的に“ジブリと緩いアライアンスを組む仲間”と呼んでいます。細田監督との出会いもそうでした。そうして出会った方々の作品も積極的に手がけています。ここから新しいアニメーションの方向性を作っていきたいと願っています」

 実写作品に関しても日本テレビは大胆な企画を実現してきた。他局に比べてTV シリーズの劇場版の数が少ないこともあり、企画中心、さらに内容で勝負できる作品を選別、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなどをヒットさせた。

 さらに、『DEATH NOTE』2部作、『GANTZ』2部作など、当時、興行的な成功は難しいと考えられていた2部作の作品を次々と送り出し、『20世紀少年』では3部作も成功させた。

 「そこには、地上波と連携したプロモーションはもちろん、海外市場での評価を国内に伝えることで、作品の価値を高めることができた点も大きかったと思います。そもそも、『千と千尋の神隠し』公開直後に、実写作品も強化せよと、故氏家齋一郎会長から叱咤激励を受けて、3ヶ年計画を立て、映画事業部の改革を行ったことの成果でもあります。海外戦略も含めてプロデューサーが作品に注力できるように、負担を軽くするシステムに変える一方で、能力あるプロデューサーを中途採用して人材の確保を図った。そうしたことが現在、結実したのだと思います」

■あえて海外で試写イベント海外からバズを生んでいく

 今後は、いくえみ綾の原作コミックの実写映画化『潔く柔く きよくやわく』に、ジブリ作品で、高畑勲監督の最高傑作と呼び声が高い『かぐや姫の物語』が控えている。どの作品も劇場からスタートし、パッケージなどからTV放送と、いわば映画の王道とも言える展開を図っていく。

「プロモーション面では、昨今は、あえて海外でイベントを実施することで話題を作るケースも増えています。『謝罪の王様』はニューヨークで完成披露試写会を実施しました。これは、話題性だけでなく、海外でのセールスも視野に入れたものです」

 来年は15本程度の劇場公開を予定。深夜枠ドラマのODSもある。

 「ODS作品の登場もあり、劇場用映画はクオリティの維持がなにより肝要になってきていると思います」

 ドラマのヒットから劇場版へつなげ、マスプロモーションで映画をヒットさせるケースがテレビ局主導の映画では多いなか、ニッチな作品・企画からスマッシュヒットを生んでいく日本テレビ。企画に対する目利きも当然あるが、海外展開を国内プロモーションにも活用し、バズを生んでいく手法も、ヒット要因となっているようだ。(ORIGINAL CONFIDENCE 13年10月21日号掲載)



関連写真

  • 『かぐや姫の物語』 監督:高畑勲/公開:11月23日/配給:東宝 (C)2013 畑事務所・GNDHDDTK
  • 『潔く柔く』シーンカット (C)2013「潔く柔く」製作委員会 (C)いくえみ綾/集英社公開日

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