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川島省吾、『キス我慢選手権』映画化賛否の声に答える

 熱烈なファンが多いことで知られる深夜のバラエティ番組『ゴッドタン』(テレビ東京系)。その人気コーナーが映画化され、いよいよ『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』として28日より劇場公開される。「映画でやる必要あるの?」「テレビでやって」という声も聞こえてくるが、主演であり同コーナーをここまで大きく育て上げた第一人者・劇団ひとり(川島省吾)に世の中の声をぶつけてみた。

「夢みたいな仕事」としながら、映画化の舞台裏と作品に込めるメッセージを語る川島省吾(写真:片山よしお)

「夢みたいな仕事」としながら、映画化の舞台裏と作品に込めるメッセージを語る川島省吾(写真:片山よしお)

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 『キス我慢』は、もともと番組初期の頃(2005年)に放送された“キスを迫る美女の誘惑に耐えながら、あたふたする芸人”を見て笑うという単発企画だった。しかしコーナーのなかで、劇団ひとりとキスを迫る役を演じたみひろが一歩も引かずにアドリブのセリフの応酬を続け、バラエティチックな笑いになるはずがドラマチックな展開に転がった。

 そのときのことを劇団ひとりは「スタジオ中に電撃が走ったような瞬間があったんですよね。僕の芸人人生のなかでまだ2、3回しか味わったことがないような衝撃的な感覚でした。『何かすごいことが起きてるぞ』と思って、終わったあとも興奮が冷めないほどだったんです」と振り返る。気迫のこもった2人のやりとりは観る者を魅了し、同コーナーは後日、スペシャル番組で復活。さらに進化を遂げて、今回の映画化までたどり着いた。

 賛否がある映画化については「予想以上に『どんな内容なの?』『楽しみにしてるよ』という期待の声が多くて驚きました」と安堵の表情をみせながら、番組ファンへの謝意を述べる。「ふつう、映画になるのは高視聴率番組ですよね。『ゴッドタン』は決してメジャーな番組ではないのに、考えられない(笑)。でも、この番組のDVDはシリーズ累計で50万枚売れていて、渋谷公会堂で行ったイベントも大盛況でした。その動員力ってどう考えても視聴率に比例していないんですけど(笑)、『ゴッドタン』のファンが、本当に番組そのものが好きなんだということを表していることでもあるので、そういう人たちが支えてくれていることはすごくうれしいですね」。

 『キス我慢選手権』の収録は毎回ドッキリで行われ、劇団ひとりはロケ内容を知らされないまま本番のカメラの前に立つ。大掛かりなセットがあり、ベテラン俳優たちがキャストに名を連ねる今回の映画版でもそれは同様だったのかと聞くと、「今回もそうです。ロケ前はハッキリとは何も言われていないんです。ただ……何となくわかっていました(笑)。テレビ収録のときからそうなんですけど、周囲の人たちの空気とかで大体わかるんですよ。まあ、わかったところで何の準備のしようもないですし、スタッフもドッキリという体裁を守りたいんでしょうね。今回は『旅ロケお願いします』っていわれてお互い芝居とわかりつつ、そんなやりとりもしていました(笑)」と率直に明かしてくれた。

 主役以外のキャストには台本があり、主役はアドリブ100%という特異な今作は、劇団ひとりの憑依型の演技力が最大の見どころになる。心身ともに突っ込んでいく劇団ひとりにとってこの映画はどんなものなのだろうか。「“気持ちがいい”という感覚しかないです。あんなに居心地のいい空間はないというか。心のどこかで本当はああなりたいと思っているんでしょうね。前半はまだ俯瞰の意識もありますけど、後半は9割以上、物語のなかの川島省吾になりきっていますから。この企画って、いかに役に入れるかが重要なんですよ。自分をハイの状態へどれだけ持って行けるかっていうのが大事。ランナーズハイに似てるので、僕は“キス我慢ハイ”って呼んでいます(笑)」。

 そして、川島省吾にとっての『キス我慢選手権』を聞いてみると「自分がヒーローになれる世界をみんなが作り上げてくれて、おまけに可愛い女性にキスをせがまれる。こんなこと、現実の人生では絶対にあり得ないですよね。本当に、夢みたいな仕事だと思っています(笑)」。

 これまでに数々の名言が生み出されてきた企画だが、今回の映画版のラストで劇団ひとりは、たったひと言だがしっかりと制作者側の胸の内とこの映画が作られた意味を語る。みんな笑うことが好きで、笑いたいと思っている。そんな想いを感じることができるから、この映画が番組ファンだけでなく広く話題になっているのだろう。

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