女優の仲間由紀恵が主演するNHK・総合テレビのドラマ『島の先生』（5月25日スタート、土曜　後9：00、全6回）は、いじめや不登校など、さまざまな問題を抱えた児童・生徒たちを受け入れている離島の学校を舞台に、教師と子どもたちの成長の日々を描く。仲間演じるヒロインの夏村千尋は、タイトルどおり島の先生だ。

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　しかも、千尋自身が、実母との関係に苦しみ、中学生時代にこの島で留学生活を送ったことがあり、大人になってからもある事情を抱え、もう一度人生をやり直そうと励んでいる。千尋が過去にどんなつらく悲しい出来事を抱えているか、それにどう向き合っていくのかが、ドラマの一つの軸。

　教師役は初めてではないが、今作ではプラスαの要素もあり、「子ども育てるのは、本当に大変なこと」と身にしみた。非力な子どもに手を上げるシーンもあり、仲間は「撮影していて、やはりキツかった」と振り返った。

　結婚、子育て経験はない仲間だが、「子育て中の方でも共感していただけるように精いっぱい演じました。このドラマを見て、自分もくよくよしていられない、明日への活力が湧いた、島の自然に癒されたとか、何かを感じていただけたらうれしいです」と力を込めた。

　現代日本が抱える家族・親子、そして教育にかかわる問題も、離島という豊かな自然環境の中で描くことで、明るい雰囲気が漂い、家族そろって観ることができる。そのために、2度にわたって鹿児島県奄美大島で長期ロケを敢行。「たくさんロケ撮影をしましたから、きっと、オンエアを観ながら島に行った気分になれると思います」とアピールする。

　何より、島を必要としていたのは、ドラマの中の児童・生徒や千尋先生だけではなかった。仲間自身も島から深い癒しと新しい活力を与えてもらったという。

　「私は沖縄県出身ですが、島の生活は久しぶりでした。大きく開けた景色を眺めながら、顔を上げて空や緑をしばらく見ることがなかったことに気づかされました。私自身も島の自然に触れ合うことで癒され、集中してお芝居をすることができたと思います」と感謝の言葉も述べていた。